看護実習の記憶
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第二部 実習当日
昼下がりの教室の窓からの景色は、小春日和という言葉がそのままの冬の陽だまりだった。
〈もうすぐ3時限が終わる。4時限目は実習の時間だわ。イヤだけどこれも勉強のうち。しっかりしなくっちゃ。〉とも子は自分で自分を励ますように、心の中でつぶやいた。
看護婦の卵たちにとって実習は将来の技術を習得するための大事な時間だ。そして人体を扱う術を実習するのだから、扱われる被験者も当然必要になる。今までもクラスメート同士でお互いに採血を行なったり、洗髪や清拭も経験した。剃毛の実習もあった。このときもみんな動揺したが、実際に行なったのは臍から腰骨の間で、あまり陰部は剃らず産毛を剃っただけだった。
〈今回もあんな風に、実際は簡単に終わればいいのに・・・〉とも子は淡い期待を抱いていた。しかし浣腸の実習で簡単に終わるのは、期待は出来ない。それどころか、とも子は浣腸の結果おこなわれる排泄がどのように処理されるのか?
までは、考えてもいなかった。
〈昨夜、大野君に予習って言われて浣腸してもらったから、お腹の調子も普通になったし、頑張ろう。〉
実習の時間の前には、みんな更衣室で着替える。その時に患者になる者は入院用のパジャマに着替え、看護者は白衣になる。今日もいつもと同じように、みんなでワイワイ言いながら着替えているのだが、その中でも白衣になる者とパジャマになる者では、明らかに雰囲気が違っている。白衣の者はどこか安心したような表情をしているし、パジャマの者は顔も暗く口数も少ない。60人のクラスメートが半々に別れ、4人一組で15の班になる。とも子はゆき美、沙織、美香と一緒の班だ。とも子と美香はパジャマでゆき美と沙織が白衣に着替えている。そして実習室に入ったとも子は、そこに浣腸の道具一式と共に差込便器が置いてあるのを見た。
〈まさか・・・あれを使うの??・・・あれにうんちしなくちゃならないの??・・・〉クラスの皆もざわついている。
実習の担当教官は田中先生だ。三十代半ばの独身の美人で、この学校の卒業生だ。現役の看護婦経験をした後に教官として後輩を指導している。その田中先生が、皆を教壇の前に集め『本日の実習内容』のプリントを配った。タイトルを見て、とも子はいやな予感が当たりであることを確信した。プリントには『浣腸と排泄介護』とある。重度の怪我や障害の患者に寝たきりの状態での排泄をさせるという内容が書いてある。皆がざわつく中で、田中先生が説明を始めた。
「入院生活ではベッドに寝たきりの状態が続き、便秘になるのはよくあることです。そんな場合には浣腸が処方されることは一般的です。また消化器系の検査前などにも使われます。皆さんもそんなに、イヤだとか汚いとか思わずに、浣腸が上手に出来るようになりましょう。」
「それでは班毎の実習の前に、お手本を見せます。」
先生はふっとあたりを見渡すと、目の合ったとも子ににっこりと笑いかけた。
「川浦さん。ちょっときてちょうだい。」
とも子は思わず固くなって、立ちすくんだ。それはとも子にお手本の患者役を指名しているのだ。実習だけでも憂鬱なのに、まさかクラス60人の前で浣腸と排泄のモデルになるなんて・・・・
「だいじょうぶ。ほんとにしたりしないわよ。手順の説明だけ。あなたの班の患者役が足りなくなったら困るでしょう。」先生のその言葉にほっとしたとも子は、教壇の前のベッドに上がった。
「それでは手順の説明です。まず患者さんは左側を下にして寝てもらいます。そして体をくの字に曲げてお尻を突き出すような体勢になってもらいます。」
そう説明しながら田中先生はとも子をベッドの上で動かした。そしてするっとパジャマのズボンを太腿までおろした。とも子はあっと言う間にパンティーだけのお尻を60人のクラスメートに見られる事になってしまった。そして手早く太腿にタオルケットが掛けられた。
「ここまでは我慢して協力してね。下着はつけたままでいいから」田中先生は、そうとも子にささやくと皆に説明を始めた。
「患者さんに浣腸をする場合、寒さの予防と羞恥心の予防のために、露出部分はなるべく少なくする事そして排泄介護まで考えて、衣類を脱がします。トイレで排泄をさせるなら、この程度に下着とパジャマをおろして浣腸後はまた履かせます。今日はベッド上での排泄ですから、下半身はすべて脱がせて介護がしやすいようにします。」そう言うと、とも子のズボンをするっと脱がせてしまった。
「肛門をしっかり確認してカテーテルを入れるのよ。お尻を開くようにしてね」そう言いながら、とも子のお尻の肉を持ち上げるようにして、おしりのあなの部分を指差している。いくらパンティー越しとは言え、クラス全員に注目されている。
「特に女性患者の場合は、間違えて前の穴に入れてしまったなんていう、新人の失敗談はよくあるからしっかり確認してね。」そう言いながら指先は前の部分に動く。
〈えっ!そんなところも見えてるの?〉とも子は羞恥心でぼうっとなってきた。
「カテーテルをしっかり差し込んだら、液をゆっくり注入して。あまり速く入れると患者さんが苦痛を感じますから。全部入れ終わったら、カテーテルを抜くときもゆっくり抜きましょう。速く抜くと入れた液が逆流するわよ。」そんな先生の説明に一部でくすくすと笑いが起こった。しかしとも子はそれどころではない。みんなの前で患者役をやり、その後は実際に浣腸をされてベッド上でうんちをしなくてはならないのだ。
「終わったらなるべくギリギリまで我慢をさせます。5分くらいは普通ならだいじょうぶです。」
「そして我慢できなくなったら、体位を仰向けに変えて便器を差し込みます。」
田中先生はとも子をくるっと上に向かせて、膝を立てさせ足を開かせた。そしてお尻の下に便器が差し込まれた。
〈いやっ!こんな格好で・・・見られながらうんちするなんて!!!〉下半身にはタオルケットが掛けられ、皆の視線はさえぎられているが、その中で起こることは明白なのである。
「排泄が終わったら、お尻を拭いてあげて、便を片付けて終了です。本当ならば、患者さんの便はよく観察して、必要に応じた処置をとります。血便が出ていないか?とか十分な量出たか?とかを、観察するのよ。十分に出ていなかったら、追加でもう一度浣腸の処置を取ることもありますから。」そう説明してから、先生はとも子を起き上がらせ、ズボンをはかせた。
「ありがとう。でもパンティーまでは脱がせなかったからゆるしてね。私が学生の頃の先生は厳しい人で、この実習の時もサンプルに当たった人はクラス全員の前で、実際に浣腸されたのよ。」先生はとも子にそうささやくと、なぜかポッと顔を赤く染めた。
「先生?・・・まさか先生が??・・」とも子がこっそり訊ねると、田中先生は何も言わずに、準備をさせるために皆の方に振り返った。
いよいよ班毎に分かれて実習が始まる。とも子の班では、まずゆき美がグリセリン浣腸の準備をしている。患者役の美香はベッドの上で諦めた表情でいる。各班ごとにベッドはカーテンで仕切ってはあるが、隣のベッドの様子もカーテン越しに伝わってくる。実習室の窓の外は暖かな日差しの午後だ。ゆき美の準備が整って、いよいよ美香が浣腸される。ゆき美が美香のズボンとパンティーを一緒に脱がした。先生の説明のようにベッド上での排泄なので、下半身はなにも着けていない状態になる。美香は体をくの字に曲げて上半身は顔を伏せるようにして寝ている。ゆき美が美香のお尻を拡げ、肛門を確認している。沙織ととも子もしっかり覗き込む。
〈おしりのあなって、こんな風になってるんだ!!前の部分も見える!!私のもこんなふうに、見られちゃうのかしら?〉普段なら絶対に他人には見せないような部分を、こうしてクラスメートに見せたり見られたりする。その強烈な感覚にとも子はめまいがしそうだった。
「じゃあ 入れるわよ。」ゆき美は患者に宣告するように言うとカテーテルを美香の肛門にうずめていく。そして目印の付いた部分まで挿入すると、ゆっくりとピストンを押して、グリセリン液を美香の体内に注入した。
「ああっ!・・」美香の口からため息に似た声がもれる。100ccのグリセリン液がゆっくりと美香の腸内に流れ込んで行く。〈100ccって昨夜大野君にしてもらったいちじくの3倍くらいあるのね。溶液はおなじ50%だし・・かなり効くのかしら?・・・お腹の痛みが3倍?・・・我慢できる時間が1/3になっちゃうのかしら?・・・〉そんな事をぼんやりと考えながら、とも子はゆき美が美香に浣腸する様子を観察している。昨夜すでに浣腸を経験しているので、いくらかは気持ちの余裕もある。ゆき美は液を注入し終えて、ゆっくりとカテーテルを抜き、美香の肛門に脱脂綿を当てた。
「ああっ!・・・もうお腹が・・・」美香が苦しそうに言った。たしかに美香のお腹が鳴る音がかすかに聞こえる。〈もうそんなになってるの?入れ終わったばかりなのに・・・〉 100ccのグリセリンという未知の効果は、とも子に一抹の不安を抱かせた。この後とも子が体験するのは500ccの石鹸液の浣腸なのだ。昨夜イチジクを経験済みとはいえ、あれはわずか30ccだった。美香が今体験している量とは違う。そして種類が違うとはいえ、その5倍の量がとも子の腸内に入れられる予定なのだ。美香の顔が徐々に苦痛に歪んで来る。体位は注入された時のままの左側臥位だ。下半身にはタオルケットが掛けられている。ゆき美は浣腸器とカテーテルを片付けて差込便器の準備をしている。
「まだ3分しか経っていないわよ。しっかりがんばって!」沙織が冷静に時計を見ながら声を掛ける。
「だって・・・こんなの・・・がまんできないわよ・・」美香が苦しそうに答える。
「もしかして?浣腸って生まれて初めて?」
「うん。いつもお通じは良い方だから・・・浣腸なんてしたことないわ・・・」
「そう?初体験なのね?・・・私は・・・したことあるわよ」ゆき美がそんな風に話すのを聞いて、とも子は〈昨夜 大野君の言ってたこととおんなじ様な事言ってる・・〉と思い出す。
「ゆきちゃん、どんな時にしたの?」沙織が話を振る。
「うん・・私ね普段も便秘気味なんだけど、この学校の受験勉強してる頃にそれがひどくなってね。一週間も出なくて、お腹が痛くて、病院へ行ったのよ・・・そこでされちゃったの」
「じゃあ、今日みたいに?」
「うん、ディスポのだったけど。看護婦さんにこういう体位でされたわ。」
「トイレも?」
「トイレは普通に行ったわよ。重病患者じゃないんだから・・・それからはお母さんがイチジクを買って来てくれるの・・・」
「じゃあ、イチジクを自分でするの?」
「そうよ、簡単よ!!」そんなゆき美と沙織が交わす会話を聞きながら、とも子は昨夜の事をまた思い出していた。〈自分でするなんて!!ゆきちゃんすごいな!私は勇気が無くて、大野君にしてもらったのに・・・〉
「ねえ・・・もう・・・だめ・・・出ちゃいそう!!」美香の我慢はその間に、限界に近づいていた。
「そうね、もう5分経ったわね。じゃあ、便器入れてあげるね」
「お願い!・・・もう・・・我慢が・・・」美香は途切れがちに限界を訴える。ゆき美が美香の体位を仰向けに変えさせ、足を開かせた。美香は恥ずかしい事よりも便意の苦痛の方が強いらしく、されるがままになっている。淡い陰毛の中に美香の陰部がはっきりと見えている。おしりのしたに便器が差し込まれ、下半身がタオルケットで隠される。
「さあ、もう うんちしてもいいわよ」ゆき美が声をかける。
「うん・・・・でも・・・・」美香はもう我慢の限界に来ているはずなのに、排泄はされない。まだ羞恥心が肛門を緩めることに抵抗しているのだ。
「美香ちゃん 大丈夫? もうしてもいいのよ!」沙織も声をかける。
「うん・・おなか痛い・・・ああ!!・・・もう・・出る・・!!」美香はうわごとのように言った。そしてその瞬間、掛けられたタオルケットの下で鈍い音が響くと、美香の顔が歪み、泣きそうな表情を浮かべた。
「ああっ!!・・・でちゃうう・・・!!!・・・・・・・・・いやっ!!」小さな声でつぶやくと絶望の表情を浮かべ、美香はベッドの上で便器にうんちをしたのだった。
〈私もこの後、あんなふうになるんだ!!〉美香の排泄シーンを目の前で見て、とも子はそんなことをぼんやりと考えていた。排泄が終わると美香はぐったりと体の力が抜けたようだった。排泄の後始末も実習のひとつだ。タオルケットが取られ、特有の臭気の中で、ゆき美におしりの穴を拭かれる時にも、もう美香はぼんやりと、されるがままになっていた。陰部も肛門もしっかり見られている。それはどことなくエロチックであり、物悲しくもあった。
美香の便の始末が終わると、次はいよいよとも子の番である。沙織が浣腸用の石鹸をぬるま湯に溶かし、イルリガートルの準備をした。とも子は覚悟をきめてベッドの上に上がった。
「じゃあ石鹸浣腸を始めます」沙織が宣言するように言うと、とも子のパジャマとパンティーを脱がせ下半身を裸にした。側臥位でおしりを突き出すような体勢にされると、とも子の神経は肛門に集中した「カテーテルを入れますね」沙織はいちいち説明しながら、浣腸を行っていく。とも子の肛門にカテーテルがゆっくり挿入される。昨夜体験したイチジクの先より太く、違和感を感じる。
「おしりのちからを抜いて・・・もうちょっと奥までいれますね・・」深さもイチジクと比べるとかなり深くまで挿入されている様な感じがする。普段出て行くばかりの部分に入れられているという、心理的なものや、通常ならば他人に見せたりしない部分を押し広げられている羞恥で、ドキドキしてくるのが自分でもおかしい。
「じゃあ 液をいれますよ」そう言うと沙織はカテーテルを止めてあったクリップを外した。
「ああっ!!」思わずとも子の声が出てしまう。生暖かい液が腸内に流れ込んでくるのが感じられる。それはスタンドに吊られたイルリガートルから重力によって流れるため、一定の速度でゆっくりとしかし確実に、とも子の体内に侵入してくる。
「ともちゃん?入ってる?だいじょうぶ?」沙織が尋ねる。
「うん ちゃんと入ってきてるよ」
「まだ50ccくらいかな まだまだ時間かかるわよ」
「うん 頑張るからね」そう返事をしながらも とも子は不安を感じていた。
〈500ccだとこの十倍も入るのね・・・そんなに入るのかしら?〉すでに昨夜経験した量を超えて腸内にじわじわと浣腸液が流れ込んでいる。石鹸浣腸なのでグリセリンほどの刺激は無いはずだが、その液の量が別の意味での刺激を与えている。
〈まだ半分も入ってないのに・・・・もう・・おなかが・・・・〉すでに100ccを超えた石鹸水はその量だけで、すでにとも子に便意を感じさせて来ていた。それは緩やかで苦痛を感じる種類のものでは無いが、確実にとも子を刺激し、徐々に大きくなって行く。時間の流れがじれったく感じられるようだった。石鹸水はまだまだ残量があり、ゆっくりと流れ込んできている。その流入の感触は最初の頃ほどには、はっきりした感覚も無くなってきていた。しかし、その代わりに刻々と膨れ上がっていく便意と、お腹の膨れてくる感触がとも子を追い詰めている。
<早く・・入れ終わってくれないかしら・・・> しかし手でシリンダーを押すグリセリン浣腸と異なり重力で流し込むイルリガートルでは、意図的に注入を速める事も出来ない。
「まだ?・・」思わず沙織にそんなふうに聞いてしまう。
「もう少しで終わるわ。そしたらそれから5分の我慢ね」沙織は患者に接するようにやさしく答えてくれる。その言葉がかえってとも子には辛く響く。
「もう・・お腹がいたいのよ! まだこの後5分も我慢するの?」
「ええ。テキストにはそう書いてあったでしょう?それにその位我慢しないと、きちんと便が出ないわよ。」
「でも・・・入れ終わるまでに便意がくるなんて・・・」
「ともちゃん、健康なのね・・便秘したことないの?」
沙織とのそんな会話の間に浣腸液の注入は終わりに差し掛かっていた。最後の質問にとも子が返事をためらっている間に、液の注入は終わった。
「はい、これで入れるのは終わりよ。カテーテル抜くわよ。あと5分ね」そう沙織が宣言してとも子の肛門からカテーテルを抜く。とも子は、カテーテルと一緒に液が漏れそうな気がして、しっかり肛門を締めた。沙織がとも子の肛門に脱脂綿を当ててくれる。そしてその指先が肛門を揉み込むようにする刺激も、とも子の便意を募らせる。
「だめ!!お願い!!トイレに行かせて・・・」
「そんな訳にはいかないでしょう。きちんと我慢してね」
「でも・・・もう 出そうなの・・・」
「あら!美香ちゃんだって、さっきグリセリンをちゃんと5分我慢したわよ!」
「でも500ccも入ってるのよ!・・・それにベッドの上でなんて・・・」
「いまさら それはだめよ! 実習でしょう・・」
とも子は改めて絶望的な状況での羞恥心を感じた。確かに実習である以上、ベッド上での排泄をしない訳にはいかない。それから逃れる術は無い。しかしものごころついて以来、他人の目前での排便などはしたことも無いし、するものではないと習慣づけられている。陰部を開いて見られるのと同じくらい、もしかしたらそれ以上の羞恥がある。これから起こる事は逃れようの無い事なのだ。頭の中ですでに自分の排泄シーンを思い描き、とも子は沈黙したまま、しかし体内に確実な崩壊の種を宿してその時を待った。
「お願い・・・もう無理・・・う・う・うんちが・・出ちゃう!!・・・」
「そうね。もうそろそろ5分くらいになるかしら。じゃあ便器を入れてあげるわね」
とも子の体位が変えられた。今まで側臥位でいた体を仰臥位に変えられ、お尻に差込便器をあてられる。足を開かれ、下半身にタオルケットがかけられる。もう陰部が見えるなどとためらっている余裕も無いくらい便意は迫って来ている。
「はい。もううんちしていいわよ。」沙織がそう声をかける。しかしとも子の体はまだここで排便が出来なかった。頭では排泄をするのを納得していても、肛門を緩めようとすると、ためらいが先立つ。
「どうしたの?もう出していいわよ。」沙織が繰り返すが、とも子の体はまだ抵抗していた。
「だめ!!できないわ!!」
「どうしたの?さっきはもうだめっていってたじゃない。」
「うん!でも・・・・やっぱり・・・見られながらなんて・・・」
「しかたないわね。でも・・ここでしてもらうわよ。実習なんだから!」
「わかってるわ・・・もう苦しくて・・・でも・・だめなの!」
「我慢強いのね。いいわよ、出来るまで待っていてあげるから。」
その最後の抵抗も崩れるまでには、そう時間はかからなかった。とも子が肛門をコントロールして苦しみから逃れようとする意思と、腸の内部からの物理的な圧力は、ためらいや羞恥に打ち勝ってしまう。
「・・・・あっ・・ああっ・・でちゃう・・・」
とも子は両手で顔を隠し、うっすらと涙を浮かべ、肛門を開き、便意を開放したのだった。それは数回に分けて、途切れ途切れに続いた。500ccの浣腸液と、もともととも子の体内に入っていたものがすべて出し切られるまで、そのままの体勢で続いたのだった。
第2部 了
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