SPACE銀河 Library

作:えり子

続・浣句の宴

*** 続浣句の宴 第1楽章  序章〜千秋さん ***


<その1>
私は香谷えり子20才、女子大生です。
親元を離れて、東京でアパートを借りて生活しています。
ごく平凡な女の子です。
ピアノを弾いたり、散歩をしたり するのが好きです。
ときどきへたな俳句を作ります。
彼氏はまだいません。
友人たちとおしゃべりするのが何より楽しいのです。
女の子ですから、美容やダイエットも気になって、1年半前から、お浣腸を続けて
います。
そのせいか、おなかやお肌の調子はとてもよいのです。

ある日、ひょんなことから、滝田万秋先生という俳句の先生と親しくなりました。
先生が主催される句会に招待されました。
その句会は歓句会という名の会で、メンバーは会員制で男女5人ずつ10名で構成されています。
毎月例会があります。
特定のお題で句を作るのです。
ただし、これは浣句会なのです。
つまり、句はお浣腸に関するものでなくてはいけないのです。
しかも、古い伝統様式に従って行われるのです。
それは曲水の宴という方式です。
これは平安貴族たちが創案したもので、池のほとりにすわり、お酒の入った盃を浮かべて、これを流し、
お酒が自分の前にくるまでに歌を詠むのです。
こう書くと優雅ですが、浣句会ではお酒ではなくて、浣腸をされるのです。
そして、浣句ができるとおまるにすわることを許されるのです。
スリルがあってエキサイティングな句会なのです。
一度出席したら、その興奮がわすれられないのです。

<その2>
 今月も滝田万秋先生から招待状が届きました。
日曜日の朝です。
朝から少し不安ながらもわくわくした不思議な気分です。
いつものように、あわただしくでかける準備をします。
シャワーを浴び、シャンプーをしたあと、ドライヤーで髪を整えます。
そのあと軽い朝食をとります。
トースト、レタスとトマト、オムレツ、ミルク、コーヒーです。
 お食事が終わったらおトイレタイムです。
便器に座るのですが、便意が来ません。
何かイベントがあるときや、旅行に出たときは、私こんなになっちゃうんです。
やはり、句会のこと、服装やメイクのことが気になるのでしょうか。
お浣腸することも考えたのですが、時間が迫っているし、どうせ今日は
たっぷりお浣腸してもらえるのだから、止めておきましょうね・・・。
結局時間に追われて、お通じがないまま私はお出かけの準備に入ります。
 いつもより念入りにメイクをします。
前の日に準備しておいた青いドレスを身につけます。
じつは下着もコーディネートして、青いものに統一しています。
でも、句会のときは、作務衣の下は素裸になるんですけどね。
ハンドバッグにティシュペーパーを余分に放り込みます。
  いよいよお出かけです。
いつもの待ち合わせ場所である田園都市線*駅に向かいます。

<その3>
私えり子は浣句会に出席するため、出かけます。
いつもの田園都市線*駅の駐車場にネイビー色のベン*が駐車していました。
私が近づくと助手席のドアが開きました。
運転席には千秋さんがいます。
お互いにっこりして、会釈します。
車はゆっくりスタートします。
東名高速道路を西へ向かいます。
千秋さんの運転は確かです。
彼女は車中ではいつも無言なので、話かけるのもちゅうちょされます。
横顔がとても素敵です。
やや切れ長の目、長いまつ毛、高からず、低からず、筋の通った鼻、
厚からず、薄からず、きりりと結ばれた唇、形のよいあご、
そしてポニーテールに結ばれた髪・・・。
個々の部品が美しく、またそれを寄せ集めた全体も、調和が取れていて、
あふれるばかりの美しさです。
年令は20代後半のようです。
しかし、髪型のせいか、前回お会いしたときよりずっと若く見えます。
20代前半のように見えてしまいます。
本職は医師ということです。
都内の病院に勤務されているとのことです。
才色兼美とは彼女のために準備された言葉なのでしょう。
すべてに恵まれ、何の不満もないかのような女性です。
おトイレに行くことなど想像できないような雰囲気をおもちです。
でも、この千秋さんも数時間後には会員の前で、美しいお尻をさらすのです。
そして、お尻の穴が開かれ、その穴は嘴管をくわえ込むのです。
そればかりか、皆の前で排泄までなさるのです。
この美貌からはとても想像できないことです。
あっ、いけない、他人言ではありません。
私自身も同じ行動をとることになるのです。
それを考えると、とても恥ずかしくなって、体が熱くなるのを感じます。

<その4>
私、えり子は千秋さんの運転で、浣句会場へ向かいます。
会場は万秋先生の別荘で行われるようですが、毎回場所が異なるのです。
ということは先生は豪華な別荘をいくつもおもちなのです。
 一体、あの先生はどういうお方なのでしょう。
端正な顔立ち、優雅な立ち居振る舞い、落ち着いたしゃべり方、そして
あの俳句の腕前、とても普通の人とは思えません。
億万長者であるのは確かです。
千秋さんに聞いてみたいのですが、多分答えていただけないでしょう。
 千秋さん自身も不思議です。
こんな素晴らしい美女なのに、どうして浣句会にご出席なさるのでしょう。
しかも、単に出席ではなく、実質的な運営者なのです。
本職はお医者さんとのことです。
お医者さんなら、当然浣腸と縁があっても不思議ではありませんが。
お医者さんなので、私は安心して浣腸をしていただけるのはありがたいのですが・・・。
そして先生と千秋さんはどういう関係なの。
名前は万秋と千秋だし・・・。
前回、千秋さんは先生から浣腸を受けたのです。
まるで、親が子に浣腸をするような感じで・・・。
疑問は深まるばかりです。

<その5>
 万秋先生そして千秋さんの両方については謎に満ちています。
その他の会員の方についても不思議です。
どのようにして、この浣句会の会員になられたんでしょうか。
 前回の句会のときに、にこの会の入会資格について、千秋さんから説明がありました。
それによると、まず、身元がしっかりした方でなくてはいけないのです。
それはこの会の性格上仕方のないことでしょう。
 それから皆美人なのです。
千秋さんは言うまでもなく、のり子さん、やす子さん、朱美さんはそれぞれ美人で
かつナイスボディの持ち主なのです。
 会員資格はまだあるのです。
お尻の穴がきれいでないといけないのです。
いぼ痔や切れ痔のある人はだめなのです。
 また、浣腸が好きで、浣腸されるのに反応しなければならないのです。
そして最後に浣句を詠むことができないといけません。
 このすべてを満たす人は日本中を捜しても、そんなに多くはいないでしょう。
のり子さん、やす子さん、朱美さんはこれらの条件を満たしているのです。
もちろん千秋さんもそうです。
そして、私、えり子も一応この条件をクリアしていると認定されちゃったんですよ。

<その6>
私、えり子は千秋さんの運転で、浣句会場へ向かいます。
会場は万秋先生の別荘で行われるようですが、毎回場所が異なるのです。
ということは先生は豪華な別荘をいくつもおもちなのです。
一体、あの先生はどういうお方なのでしょう。
このことは聞いてはいけない気がしたので、止めておきましょう。
ただ、ひとつだけどうしても聞きたいことがあったのです。
勇気を出して聞くことにしました。
車中、私は恐る恐る千秋さんへ質問をしてみました。
「あのう、ちょっと気になることがあるんですが。」
「はい、何か。」
千秋さんはほほえみながら返事をします。ちょっと安心しました。
「千秋さん、浣句会に備えて、準備されているんでしょうか。」
「ああ、あのことですね。」
千秋さんはすぐにピンと来たようです。
意外にもきちんと答えて下さいました。
「おなかの件ですね。」
「はい、ちょっと気になって。」
「いちおう、準備はしました。」
「えり子さんはご経験ないかも知れないけれど、大腸検査の前処置と
同じなんです。
2日前から麺類以外は口にしません。昨晩からは食事をしていません。
そして、きのうの晩、ニフレック2Lを飲み、おなかを洗浄しました。
今朝、念のため、エネマシリンジを使って、せっけん水でおなかを洗いました。」
「ああ、そうなんですか。私何もしていないんですが。」
「かまいませんよ。皆そちらの方が感動するみたいで・・・。」
「恥ずかしいです。」
「いいんですよ。私の方がずるいかもね。」
千秋さんが、今朝エネマシリンジを使ったなんて、とても信じられないことです。
驚きました。
美人は美人なりに、いろいろ気を使うんですね。

<その7>
  浣句会場に向かう車中、私と千秋さんの会話ははずみます。
 私は千秋さんに言います。
「実は私も内視鏡検査の経験が3度もあるんです。」
「そう、お若いのにご立派ね。」
「X線検査はバリウムを使ったりするから、ちょっと大変だけど、内視鏡検査は
 楽でしょ。」
「はい、検査そのものは楽だったんですけど、前処置が大変だったんです。」
「ニフレックを飲んだんですが、あまり効かなくって、何度も浣腸されちゃったんです。
とても、恥ずかしかったです。」
「そうですか、それはご苦労でしたね。」
「人によってはニフレックが効きにくい人がいるんです。」
「おなかにかすが残っていると、誤診したり、見落としがあることもから、
 きれいにして受けるべきですね。」
「私、病院で浣腸された経験がなかったから、初めはとても恥ずかしくて、
 緊張しました。
 でも、イルリガートルで浣腸していただいたのですが、とてもきもちよかった
 です。」
「ははは、それはよかったですね。若い女性は浣腸の処置を嫌って、拒否して
 ナースを困らせる人も多いのです。
 肛門を見られたり、便を見られたりするのですから、それも当然ですけど。
 どうしても、拒否する場合は、私が出て行って、説得します。
 浣腸の必要性をきちんと説明します。
 そして、私も検査のとき、浣腸をしてもらうんですよと言います。
 それで、やっと受け入れてもらうんです。
 でも、泣きじゃくりながら、浣腸されちゃうそうですが・・・。
 えり子さんはナースを困らせなかったんですね。」
「はい、浣腸の宣告を受けたときは、ちょっと複雑なきもちでした。
 でも、正直に言うと、うれしくもあったのです。」
「そうですか、それはよかったですね。
 ところで、ナースの態度はいかがでしたか。」
「はい、とてもやさしくて、ちゃんと説明をして下さったです。
 処置も女性用の広いトイレの個室でしたから、周りを気にせずに、受ける
 ことができました。」
「そう、浣腸が安心して受けられるか、不快かはナースによります。」

<その8>
  私と千秋さんは浣句会の会場に車で向かっています。
車中での会話が続いています。
意外なことに、浣腸談義で盛り上がっているのです。

 千秋さんが言います。
「えり子さん、ナースの実習について、知っていますか。」
「ええ、そういうものがあるという話しだけは聞いたことがありますが、
 内容についてはまったく知りません。」
 千秋さんは続けます。
「私の勤務する病院では毎年、ナースの実習生を10人くらい受け入れます。
 実習は手を抜かずに、きちんとやってもらいます。」
「あのう、浣腸なんかも実習するんですか。」
「もちろんです。ちゃんとやりますよ。
 私のところでは、2人でぺアを組んで、互いに浣腸をして、実体験をして
 もらいます。
 実際に浣腸を経験することにより、いろんなことが身をもって体験できるのです。
 肛門を開かれるときの恥ずかしさ、液を注入されるときのきもち悪さ、
 薬の効き具合、便意を我慢するときのつらさ、そしてトイレの確保、
 便の観察、これらを一環して経験することは大切なのです。
 経験することによって、患者の立場を理解できるのです。」
「なるほど、そうですか。浣腸を実際経験するって、ナースさんにとって、
 とても大切であることがよくわかりました。
 でも、これがイヤで止める人もいるという話も聞きましたが・・・。」
「そういう人はナースに向かないんです。止めても仕方ありませんね。」
「私なら友人のお尻の穴を見たりするのは耐えられないかも知れません。」
  千秋さんはなおも続けます。
「最近、浣腸の実習を止めて、講義だけにするとか、人形を使って実習する
 ところもあるそうだけど、私はそういうのには絶対反対します。
 それに、ナースだけではありませんよ。
 私達、医師も浣腸の実習の経験があるんです。」

<その9>
私と千秋さんの車中での会話はまだ続きます。
すごい美人だけど、ちょっと近寄り難い雰囲気のある千秋さんが、
こんなにおしゃべりをされるとは意外でした。
しかも、おしゃべりの内容は浣腸についてなのです。
 よい機会なので私は、なおも、質問します。
「千秋さんは実習で浣腸をされちゃったんですか。」
千秋さんは、恥ずかしげな様子もなく、平然とお話しを続けます。
「もちろん、ありますよ。そのことをお話ししましょう。
 研修医のとき、大腸カメラの実習があったのです。
 同僚5人(男性3人、女性2人)のうちから、2人が、くじ引きで被検者に選ばれる
 ことになったのです。
 そして、偶然にも私ともう一人の女性がくじに当たっちゃったのです。
 もう一人の同僚の女性はショックで、今にも泣き出しそうにしていましたよ。
 私には、代わってくれるという男性の同僚もいましたが、私はその申し出を断り、
 自分で受ける決心をしたのです。」
  驚いて、私は質問します。
「そのとき、恥ずかしくはなかったですか。
 同僚の男性にお尻の穴を見られるなんて・・・。」
「ははは、それは恥ずかしくもなくはないけど、私は医師ですから、仕方ないですよ。」「肛門を
見られることで、患者さんのきもちもわかるのです。」
同僚だけではありませんよ。
そのときは時間の関係で、前処置はニフレックではなく、浣腸だったのです。
顔見知りのナースに、何度も浣腸をされたのです。
日頃、医師とナースの関係が、そのときは、ナースと患者の関係に変わったのです。
肛門を開かれ、浣腸されただけではなく、排出物もきびしくチェックされました。
 ナースには日頃きびしく接していますから、ナースも手加減しませんでした。
 便が完全に透明になるまで、徹底して、浣腸をされました。
  もちろん、恥ずかしさがないわけではありませんが、世の中、恥ずかしいことや
 苦しいことは多いのです。
 そのときに、逃げてはいけませんよ。
 恥ずかしいことや苦しいことを楽しみとして、積極的に向かうのです。
 よく言うでしょう。
 苦労はお金で買ってでもせよと。
 そうすることによって、恥ずかしさや苦しみを乗り越えることが容易になるし、
 人生観も変わり、すべてがうまく行くような気がするのです。」
  私はその言葉を聞き、大いに感動してしまいました。
 浣腸がきっかけで、こんなすばらしい言葉を聞くことができたのです。
 これも浣腸の効用でしょうか。
  千秋さんの言葉を私流に解釈すると、恥ずかしい浣腸も、きもちの持ち方次第で、
 うれしい浣腸になっちゃうんです。
 これは納得できる気がします。
 そういう風に考えると、私は世の中に、恥ずかしいこと、苦しいこと、怖いことが
 何もないような気がしてきました。
 浣句会も全然恥ずかしくなく、逆に、楽しく過ごせるような気分になってきました。
 
<その10>
 車中での千秋さんと私のお話しはまだまだ続きます。
 私は言います。
「浣腸も恥ずかしかったですが、検査のとき、カメラを入れられる前に、
 先生が私のお尻の穴に指を入れて、内側を探られたのです。
 これには本当に恥ずかしかったです。」
千秋さんが答えます。
「それは直腸触診と言って、とても大切な検査なのです。
その直腸の検査に関しては、私は忘れられない思い出が2つあるのです。
これもご紹介しましょうね。
私が大腸検査の被検者になったときのことです。
 私もカメラを挿入される前に、直腸触診を受けたのです。
最初は指導教官が私の肛門を開いて、触診をします。
研修医達に教えながらですから、より大変でした。
「ほら、痔はないだろ、よく観察しなければいけないぞ。
 指はこうして、中を滑らせるんだぞ・・・。」と言った調子です。
「指導教官の触診が終わったら、今度は研修医4人から次々に触診をされたのです。
 さすがに、これは辛かったですね。
 同僚の女の子は、
「千秋、ごめんね。」と言って、指を挿入してきましたよ。
私が終わった後、今度はその女の子の番なのです。
 その子は、医師でありながら、触診をされるときは、目に涙をいっぱいに貯めて
 いましたよ。」
「それは大変でしたね。でも、この検査って、大事な検査なのでしょう。」
「そうなんですよ。もう1つの想い出をお話ししましょう。」

<その11>
私と千秋さんの車中での会話はまだ続きます。

千秋さんは静かに話ます。
「直腸の検査で私は忘れられない思い出がもう1つあるのです。
やはり、研修医のころの話です。
えり子さんくらいの若い女性、R子さんを診察しました。
その子は婦人科の病気だったのです。
私は婦人科の内診をした後、その子に肛門も検査しますと言いました。
その子はいやいやをしたのですが、私は半ば強引に直腸に指を挿入しました。

私は指導教官から、婦人科診断のときは、必ず直腸も診るように教えられたのです。
直腸から婦人科の診断もできるし、子宮がんは直腸に転移しやすいのです。

中学生や高校生の場合、婦人科の内診ができないので、やはり直腸から診察するので
す。
R子さんの直腸に指を入れたとき、私の指にしこりが触れたのです。
そして、私は指を抜いたあと、指についた付着物の中に血液を発見しました。
その後詳しく検査したら、そのしこりは直腸がんだったのです。
肛門から指を入れるだけで、がんを見つけることができたのです。
発見が早かったので、R子さんは今ではとても元気です。
このように、若いといっても安心できないのです。
えり子さんが大腸検査をときどき受けられるのはとてもよいことだと思います。
もちろん、私も半年に1回検査を受けていますよ。
 それから、直腸触診の重要性もわかったでしょ。
直腸触診は若い女の子にとっては、とても恥ずかしいことです。
肛門から指を入れられ、中をさぐられるのですから・・・。
そして、指に付着したものをチェックされるのです。
これは、浣腸より、恥ずかしいかも知れませんね。
でも、我慢して受けましょう。


*** 続浣句の宴 第2楽章  万秋先生 ***


<その12>
 車中、道すがら、私えり子は千秋さんとおしゃべりを続けています。
千秋さんのお話しはいつ止むともわからず、延々と続くのです。

「あのう、こういうことをお聞きしてよいかどうかわかりませんが、
万秋先生と千秋さんって、一体どういうご関係なんですか。」
 私は思い切って質問します。
 千秋さんは言います。
「ああ、そのこと、まだお話してませんでしたね。
 えり子さん、不思議に思われたことでしょう。
隠すこともないので、お話いたしましょ。
 先生はやはり医学の世界におられる方です。
今はある病院の理事長をなさっています。
実は私も今その病院に籍を置く身です。
 先生と私の出会いは、私が高校生のときなんです。
当時、私は受験勉強のストレスで、体調を崩していました。
胃腸障害を起こして、下痢と便秘の凝り返しで苦しんでいました。
いくつかの病院を受診したのですが、一向によくなりません。
ある日、知人の紹介で、万秋先生に診ていただいたのです。
先生はライフワークとして、浣腸療法という治療法を研究されていたのです。
今、日本では大腸がんが急速に増えています。
先生は随分昔から、それを予測されていたのです。
大腸がんの予防と、腸の疾患全般を対象として、この療法を開発されたのです。
私は先生にこの浣腸療法をしていただいたのです。
それは以下のものなのです。
(1)定期的に浣腸をして、腸から有害な物質を排出し、腸をきれいにする。
(2)ビフィズス菌とオリゴ糖を摂取する。
(3)食物繊維、ミネラル、ビタミンをとる。
(4)癒しの音楽を聞き、腸のストレスを緩和する。
(5)症状に合ったお薬を処方していただいて飲む。
私は何度も浣腸をされ、恥ずかしい思いをしましたが、病気はみるみるうちに
よくなり、まもなく全快したのです。
体調が戻った私は、無事目標にしていた医大に合格したのです。
ほんとうに、万秋先生は私の恩人なのです。

<注>
 この小説では、医学に関する記述が出てきます。
これは、医学的根拠はなく、私が勝手な想像で書いているものです。
この点はご了解下さい。
小説として、読み流して下さい。
次回以降も同じです。

<その13>
 私と千秋さんの浣腸談義はまだ続きます。

千秋さんは続けます。
「万秋先生について、もう少しお話しましょう。
前にも言いましたが、先生は浣腸療法を昔から研究され、理事長になった今でも
研究を続けておられます。
  日本の医学界は先端的な医療技術にだけ、注目する傾向があります。
具体的に言えば、遺伝子治療とか、内視鏡を用いた手術とかがんの新薬などです。
浣腸は過去の技術として、誰も見向きもしなかったのです。
先生はそういった偏見を排除して、浣腸にスポットライトを当てたのです。
国内では誰も先生のことを理解しないので、先生は海外の医師と組んで
研究を続けられました。
 海外ではこの浣腸療法が認められて、腸洗浄が行われるようになり、先生は
 成果を上げてこられました。
海外ではがん治療にも浣腸療法が行われ、成果が出ています。

国内では最近やっと浣腸療法が認められ、腸洗浄などが行われるようになったのです。
先生は先見性があったのです。
 日本の医学界のよくない点のもう1つは、食物には無関心なのです。
薬には関心をもちますが、食物にはまったく関心がないのです。
食物は栄養学の分野とされ、医学界では栄養療法も軽視されています。
先生はこの風潮も気にせず、食事療法も取りいれたのです。
つまり、浣腸療法は浣腸と食事療法と精神療法を組み合わせた
優れた治療法なのです。

<その14>
  千秋さんは万秋先生について、熱っぽく語ります。

 日本では浣腸と言うものには偏見がつきまとうのです。
恥ずかしいもの、いやなものという暗いイメージなのです。
先生はこれを嘆いておられます。
 例えば、喫煙の習慣は誰も不思議に思いません。
喫煙は体には有害なものなのですが・・・。
ところが、浣腸を続けていると聞くと、誰もが奇異な目で見ます。
浣腸は体にとてもよく、美容にも効果があるものなのですが・・・。

 先生は、昔そうであったように、家庭でもっと浣腸が行われるべきだと思っています。
薬局でも浣腸をもっと買いやすくすべきだと主張されています。
製薬会社に働きかけ、昔のように薬局での浣腸のモニュメント(置物)を復活する
よう交渉しています。
あのモニュメントがあれば、浣腸のイメージも変わるし、そのモニュメントを
指さして、「これ下さい。」ということで、簡単に浣腸が購入できるのです。
浣腸の自動販売機もご検討中です。
さらに、大腸洗浄施設を増やそうとも計画されています。
大腸洗浄施設がもっと増えれば、皆、気軽に浣腸を受けることができるのです。
たとえば、OLが仕事が終わって、大腸洗浄をして、おなかをきれいにして、
身も心もすっきりして、デートに向かえば素敵でしょ。
浣腸は健康と美容によいことを多くの人に知っていただきたいのです。
残念ながら、今、大腸洗浄施設はまだ少なく、モデルや女優などが利用している
だけなのです。

<その15>
 千秋さんはなおも、万秋先生について、語ります。
 先生は浣腸をもっと楽しくするよう、数年前に浣句というものを趣味で始められた
のです。
先生に病気を治療していただいた方々に呼びかけたのです。
それが浣句会のスタートなのです。
そして、この会はメンバーは変わらずに今も続いているのです。
あの浣句会のメンバー達です。
もちろん、私も先生の患者でしたから、句会のメンバーなのです。
 先生は次に、浣腸の普及のために、インターネットにも着目したのです。
そして、偶然、先生はえり子さんが、浣腸の楽しさを書き込んでいるのを発見した
のです。
しかも、えり子さんは浣句も得意だとわかったのです。
そこで、ぜひ、えり子さんに浣句会に参加してもらえるよう考えたのです。
後はご存じの通りです。
 私も浣腸療法に共感し、研究をしています。
浣句会のお手伝いもさせていただいています。
浣句会に出席すると、月に1度おなかを洗浄できるというメリットもあるのです。
万秋先生や浣句会のことについて、おわかりになりましたか。」
「そうでしたか。万秋先生と浣句会のことがよくわかり、安心しました。
<その16>
 千秋さんのお話はまだ続きます。

万秋先生は日本の家庭の現状について心配されています。
今、日本の家庭には多くの問題があります。
核家族化、老人介護、単身赴任、親子断絶などです。
これらの問題が引き金になって、出生率の低下、離婚率の上昇という大きな社会問題へと発展
しているのです。
このような家庭の問題の原因の多くは、主婦に起因しています。
なぜって、多くの主婦は便秘しています。
このため、主婦は常にのぼせて、いらいらしています。
お肌の調子もよくなく、お化粧の乗りも悪く、更に、いらいらが募ります。
こういう状態ですから、家族とはうまく行くはずがありません。
ご主人や子供、老人と衝突します。
こういう家庭の危機を救うのは、浣腸しかありません。
主婦はまず浣腸をして、便秘を解消しなければいけません。
ご自分でなさってもいいですが、ご主人にやさしくしていただくのがベストです。
そうすれば、主婦のいらいらはなくなり、家庭が明るくなります。
お肌の調子もよくなり、ご主人の愛情も戻ります。
その結果、離婚率は半分に減少するでしょう。
そして、逆に、出生率は20%アップするでしょう。
厚生省はこのことをよく認識する必要があります。
出生率アップの決め手は浣腸なのです。

 これで、何のわだかまりもなく、浣句会を楽しむことができます。」
すべてがわかって、私はほんとうに安心しました。

<その17> 
 千秋さんはなおも、しゃべり続けます。

大変なのは主婦だけではありません。
ご主人もそうなのです。
職場には大きな問題が山積しています。
不況、貸し渋り、リストラ、セクハラ、遠距離通勤などです。
ご主人にはストレスがどんどん溜まります。
胃腸障害を起こす人も多いのです。
OLの場合はもっと深刻です。
もともとほとんどの人が便秘です。
OLは雑用が多いのです。
しかも、最新のOA機器を使いこなさなければいけません。
ストレスにさらされ、ひどい便秘になります。
そのため、いつも彼女達は不機嫌で、職場の雰囲気も悪くなります。
こういうときの解決策は浣腸しかありません。
浣腸によって、OLは明るくなります。
職場の雰囲気もよくなります。
男性も浣腸により、仕事の能率が上がります。
そして、その結果、職場の業績も確実に上がるのです。
日本全体の景気もよくなります。
GNPは20%くらいアップするでしょう。
景気浮揚のキーワードは浣腸なのです。
大蔵省はこのことをよく認識すべきです。

<その18> 
千秋さんはまだしゃべり続けます。
大変なのはお父さんやお母さんだけではありません。
お子さんも大変なのです。
万秋先生は教育の荒廃について、頭を痛めておられます。
今、教育の現場では大きな問題が起こっています。
いじめ、不登校、学級崩壊、学力低下などです。
これはまず先生に問題があります。
最近、学校は女教師の割合が増えています。
彼女達は多くが便秘症なのです。
そのため、年中いらいらしていて、授業に集中できず、生徒の面倒も見ることができないのです。

一方、生徒も、朝食抜きや熟通い、夜更し、運動不足などで、便秘の子が多いのです。
これでは、落ち着いて学業に専念することができません。
様々の問題が発生するのも当然です。
これらを解決する手段は浣腸しかありません。
養護の先生は保健室で先生や生徒にもっと浣腸をすべきです。
そうすることにより、すべての問題が解決の方向に向くのです。
文部省はこのことをよく認識する必要があります。
浣腸器やグリセリン購入の予算を取るべきです。
教育界の諸問題を解決する鍵は浣腸にあるのです。

N E X T


掲載作品一覧