SPACE銀河 Library

作:朱鷺

未知なる浣覚 Case of MEGU

 「やばいにゃ〜」恵はぽつりとつぶやいた。いかにも眠る為では無いホテルの一室。こういう場所も知らないわけではないが相手が相手だけに、いつもとは状況が違う。
「これが不倫っていうやつなのかな・・」いつもの彼氏とも、たまにこういうところでセックスをすることは有るが、この相手とこういうところに踏み込むのはちょっとまずいかもしれない。

 その晩 恵の肩を抱いてここに連れ込んだのは、職場の上司、大野課長だった。もちろん妻子ある男だ。
「どうしてこんなことになっちゃったのかな?」恵は21歳、派遣会社の社員で、大野課長は派遣先で恵たちを使っている上司になる。派遣とは言っても社内では分け隔てなく意見も言えるし、仲間として扱ってもらって居心地はよい職場だ。その晩も2時間ほどの残業を終えて帰宅するときに、つぶやいた一言を課長に聞かれたのがきっかけだった。
「お腹すいた〜」
「そうだね、もうこんな時間だ。良かったら晩御飯をご馳走しようか?」
「えっ?いいんですか?」
「もちろん。メグみたいな美人と一緒なら光栄だよ。」
そんな会話から、ふたりで食事をすることになり、ちょっとだけワインなんかも入って、その結果がこの部屋へ入ることになってしまったのだ。

 もちろん恵も現代っ子だから、セックスへのこだわりはあまり持ってはいない。何人かのボーイフレンドも居たしそれなりのことの経験はあった。特に妻子持ちだからと言っていけない事とも思えない。でも、職場内でのこういう関係は明日からの仕事の上にも直接関係しそうで、面倒な事にならなければ、と思ったのだった。大野課長は職場ではなかなかのやり手で、周りの評判も良かった。部下の面倒も見たり、ラフな会話やジョークもこなすし、部下からも信頼されていた。
「この人でも、こんなことをするんだ・・・」派遣された女性社員との関係は、ある意味ではセクハラの範囲に入るのだろうし、発覚すれば一番の弱みにもなるはずだった。
「いいんですか?こんなことをして?」そんな言葉を口にする恵の内心では、この人の弱みに成るという思いと、職場の人気者とのアバンチュールの絶好のチャンスという甘い思いも有った。大野は確か42歳、恵とはダブルスコアだが、良い男なので職場の女性社員に人気があった。恵も何人か居る派遣社員の中では、仕事も出来るし容姿や会話もなかなかということで可愛がられている。ある意味では職場内不倫のベストカップルだった。

「まあね。僕も男だから・・それにメグと出来るこんなチャンスを逃すなんて、とてももったいなくて出来ないよ。」
「私も嬉しいです。大野さんなら・・みんなに知られたらヤキモチ焼かれちゃう」
「おいおい、そんな事しないでくれよ。二人だけの秘密にね」
「もちろんです〜。職場の女性みんなにいじめられたくないですから・・」
そんな会話で心を許してしまってからは、恵にしてみればハラスメントという思いはどこにも無かった。
どんなセックスをしてくれるのかしら、というワクワクした思いだけだった。

 シャワーを浴びて出てきた恵への、いきなりの激しいキス。唾液をむさぼりあうようなキスで恵はいきなりその気にさせられてしまった。そしてそのまま恵をお姫様だっこしてベッドに運ぶ。恵の小柄では有るが決して軽くは無い体を、軽々と抱き上げるパワーは意外だった。そのままベッドに横たえた恵の体に、覆いかぶさるようにキスの続きをしながら、その唇は徐々にバスタオルに隠された部分へと侵略を始める。首筋、乳首、臍、そしてその下へと、大野の唇は行き戻りしながら、恵の体を熱くさせていく。かなりしつこいかとも思えるようなその愛撫は、今まで付き合った同年代の男たちの行為とは違い、大人の濃厚な行為を感じさせる。それだけで快感へと導かれてしまいそうだ。そしてようやくその唇が恵の栗の芯へと達した時には、おもわず体を震わせ、声が漏れてしまった。すでに蜜壷の中は、潤っていつでも進入可能になっている。いままでの男なら、このまま挿入とピストン運動になるところだ。だが大野は、恵の反応を弄ぶように唇と指での刺激を続ける。
「お願い。入れて・・」
「もう欲しいのかい?」
「こんなにされたら、入ってくる前にいっちゃいそう・・」
「何度でもいかせてあげるよ。」
 そう言いながら、栗の芯、蜜壷、そして菊の花まで緩やかに愛撫を続ける。そのタッチはピアニストの指が楽器を奏でるように、繊細なタッチで恵から最高の反応を引き出している。そして恵が限界を迎えそうになると上手に焦らしながら、挿入の準備を始める。

 大野がセカンドバッグからコンドームを取り出すまでは、恵の頭には避妊などは浮かんでも来なかった。このバッグは大野と食事に行く事になったとき、大野が車から取り出してきた物だ。いつもは車で通勤しているのだが、今晩はお酒も入るからと、わざわざ車に仕事用のバッグを置いて、代わりに持ってきたのだ。その中から避妊具が出てくるということは、その時からこうなることを想定していたのだろう。
「仕事も出来るけど、こういうことにも気が回るんですね。」
「男としてのエチケットだからね」
 その大き目のバッグの中には、他にも何かが入っていそうだった。
「いつもそんなものを持ち歩いてるんですか?」
「いやいや、これはプライベートの特別な場合のバッグだよ。」
「他にも何か入っているのかな?」
「まあね。それはこの後のお楽しみ・・・」
何だろう?恵の想像はあれこれと膨らんでいった。エッチに関する道具?バイヴみたいなものかな?なにか変な趣味でもあるんだろうか?縛られたりして・・

 大野はそんな疑問には答える様子も無く、恵に身体を重ねてきた。大野のモノが挿入された時点で、すでに
快感の大きな波に翻弄されていた恵は、その後、前向きや後ろ向きといったさまざまな体位で、何度も快感の
高みにまで達してしまった。

 何度目かの絶頂の後、恵の体から離れた大野は、再びあのバッグを手にした。大野自身はまだ、快感の証を放出はしていない。まだまだこれから、何度も恵を攻める状態を維持したままだ。
「じゃあ、これから君が知らない世界を教えてあげるよ。」
「なにをしてくれるのかな?ちょっと怖いけど・・・」
「実はね、これは秘密の趣味なんだが・・・」
そう言いながら大野が取り出したものは、イチジク浣腸の箱だった。さらにガラス製の注射器のような道具。あれでおそらく浣腸をするのだろう、その先端は注射針を取り付けるようなストレートの物でなく、なにか猥褻さを感じさせる曲線になっている。恵にはそれらがどんな意味を持つのか、想像がつかなかった。
「メグ、アナルセックスって知ってる?」
「はい、したことはないですけど・・・」
「じゃあ、浣腸は?」
「それもしたことないです。」
「便秘とか、なったことないんだ?」
「はい。いつも快食快便のメグですから・・・」
「実はね、僕は女の子に浣腸するのが好きなんだよ。」
「じゃあ、それを私に?」
「そう。させてくれるかい?」
「いいですけど・・・課長がかんちょうですか・・・きゃ! 親父ギャグみたいだにゃ・・」
「にゃ・・って、メグは時々猫語になるんだね。もう二十歳を過ぎてるのに・・」
「じゃあ、二十歳前ならいいんですか?こんなことしてるのに・・」
「いや、僕は未成年とは淫行しない主義だからね。」
「未成年じゃなきゃ、淫行もして、うんこもさせるんですか・・・きゃ!・・・」
そんな自分の軽口から、ついこの先の結果を思い至って、恵は羞恥の想像が膨らんだ。浣腸をするということは、その結果が排泄行為を伴うということは、知識としては知っている。それに対する大野の答えは、さらに恵の羞恥を誘った。
「そうだよ。メグがウンチするまで、いっぱい薬入れて、ウンチするところも見ていてあげるからね。」
「そんな・・・そんなところまで見るんですか?・・・恥ずかしいにゃ!」
「そうだよ。メグの全てを見せてくれるね。」
ここまで来て、大野を拒否することも出来ない。そしてここまでの大野の与えてくれた素晴らしい快感に答える意味でも、大野の趣味に答えてあげる方が良いだろう。なにより恵の好奇心は、それがどんな快感になるのか、未経験のままチャンスを逃すことは許さなかった。
 恵が無言でうなずくと、大野は嬉しそうに、そそくさと浣腸の準備に取りかかった。バスルームの洗面器にお湯を入れて、持って来る。イチジクを箱から出して並べ、なにやらワセリンの様な薬もバッグから取り出した。

 恵はいまさら拒むことも出来ず、大野にされるがままに、四つん這いでお尻を突き出す姿勢を取らされた。さっきまでセックス中に手や舌で弄ばれていた部分だが、改めて浣腸という行為の為に、その部分を剥き出しにされるのは、とても恥ずかしい。大野は、恵の栗の芯や菊の花を愛撫して、さっきまでの快楽の残り火をかき立てながらも、恵への新たな苛虐の為の準備をしている。
「じゃあ、浣腸するよ。」そう宣言をして、充分に柔らかくなっている肛門にお湯を満たしたガラス製の浣腸器を突き立てる。恵は陰部も肛門も、愛液で滑らかになっているので、苦も無くその嘴管を受け入れてしまう。そして大野の手でゆっくりとピストンが押されると、生暖かい液体の未知の感触が、恵の腸の中へと侵入を開始し、徐々に恵の体内を満たしていった。
「ああっ!・・・」
「入ってるのが分かるかい? 気持ちは悪くならない?」
「はいっ・・なんだか暖かくて・・・不思議な感じです・・・」
「じゃあ、もうちょっとお湯を入れるのからね。二本くらいでいいかな?」
 恵はその言葉の意味が良く判らなかった。大野はピストンを最後まで押しきると、浣腸器を抜き、もう一度それにお湯を満たして、再び恵の肛門に突き立てた。じわじわと体の中に重いものが溜まってくる。それは決して不快な感覚では無かった。浣腸器二本分のお湯が注入されても、まだ便意は訪れない。
「どうだい。ウンチしたくなった?」
「いいえ。ちょっとお腹の中が重たいような感じですけど・・」
「そうだろうね。まだお湯を入れただけだからね・・」
 その言葉は、その先にまた違ったものがあることを暗示していた。大野は、その四つ這いの恵の体に、改めて侵入を開始した。肛門から注入されたお湯が、腸の中で揺れ、大野のモノはその隣の部分で恵の快感を刺激している。お腹がちょっと重いが、満ち足りた快感で、恵はうっとりとしていた。
「それじゃ、この体勢のままで、こんどはお薬を入れるからね。」大野はそう告げると、自分のものを挿入したままで、恵の菊花にイチジク浣腸を突き立てた。さっき注入したお湯に比べると、イチジク浣腸はわずかな薬の量のはずだ。しかしお湯のなかに次第に混入してくる冷たい薬液は、恵に不吉な予感を感じさせた。
「今度はどうかな?ウンチ出そうかな?」
「まだですけど・・なんだかだんだんお腹が痛くなってくるみたいで・・」
「そうだろうね。今度はグリセリンっていう薬だからね。これが本当の浣腸の薬だよ。」
 次第にお腹の痛みは、便意という形に変わっていく。大野のモノは恵に突き立てられたままだ。肛門を引き締め便意を堪えていると、前の部分もキュっと締まって来るのが、自分でも判る。そしてその刺激で大野が快感を感じ恵の体内で、行き来しながらも震える様子も感じられる。こういうのは男にしてみれば、よく締まる快感というのだろうと、迫ってくる便意のなかで、恵は思った。

「もう・・我慢できません・・出ちゃいそうです!」恵が悲鳴に近い声を上げた時にも、大野はまだ快感の放出までには達していなかった。しかしそれも大野の考えの内だったのだろう。大野は恵を再び抱き上げて、トイレへと運んだ。もう自分では身動きも困難な恵を便座に座らせると、恵と向かい合うように、その場に立ち続けている。
「もうだめ!・・出ちゃいます・・」
「いいよ。しっかりウンチしなさい。」
「本当にここで見てるんですか?」
「ああ。恵のウンチする恥ずかしい姿も、全部見届けてあげるからね。」
 それは羞恥でもあるし、愛情でもあっただろう。見届けることと、全てを見せることとの、お互いの複雑な気持ちの中で、恵は便意にこれ以上逆らうのは不可能だった。目の前にある、大野のいきり立ったモノを握り締めるようにして、恵は肛門を解放していった。
 数分の後、排泄音も臭気も全て二人で確認して、恵の排便は一区切りが付いた。大野は優しく恵の髪を撫ぜ、恵をいたわった。恵は大野にされるがままにお尻を突き出すポーズを取り、後始末まで大野の手でしてもらった。そして大野に抱き上げられ、ベッドに戻った恵は、大野が一度も精を放出していない事を思い出した。

「とっても素敵でした・・・でも、課長・・まだ・・・ですよね?」
「ああ。これからもう一度してもいいかな?」
「もう、とろとろにとろけそうですけど。よかったら何度でもしてください・・」
「じゃあ。ちょっとだけ、こちらを使わせてもらおうかな。」
 そう言って大野が手を伸ばしたのは、さっき羞恥を産み落とした菊の花だった。
「こっちは経験が無いんだね?してもいいかい?」
「はい。どんなことでも・・・」
「優しくしてあげるからね。痛かったら言うんだよ。切れちゃったりすると困るからね。」
 そう言うと大野は、さっきバッグから取り出したワセリンを指先に取り、恵の肛門をゆるゆると揉み解し始めた。それはまた新たな快感の始まりだった。アナルセックスという行為が有るということは、知識としては有った。しかし今まで恵と付き合った男達の中には、それを求めた者は居ない。そういう行為が男にとって、また恵にとって、どれほどの快感をもたらすのかも知らなかった。排泄孔での性行為、好奇心と恐怖が入り混じった複雑な思いで、恵はそれを待った。大野の丹念なマッサージは、さっきの愛撫と同じように、それだけで快感を感じさせるように思われた。そして恵の息遣いが再び荒く成って来た頃に、大野は恵の菊座への侵入を始めた。決して無理をする事無く、ゆっくりと恵の体内へ挿入されてくる。それが自分の始めての部分を押し広げる感覚は、恵にとって決して不快では無かった。体内に充満する感触。大野のモノの脈動さえも感じられる気がする。そして、それがゆっくりと出入りを繰り返す感触は、精神的にも肉体的にも、恵に快感を感じさせるものだった。やがて大野のモノの脈動が激しさを増し、恵の体内の充満感が少し軽減した。

 大野は優しく恵を抱きしめ、髪を撫ぜ、キスをしながらも息を荒げている。
「素敵だったよ。痛くは無かったかい?」
「いいえ。課長が優しくしてくれたから・・痛くなんか有りません・・とっても素敵でした。」
「そうかい。僕もこんなに充実したセックスは久しぶりだよ。」
「浣腸もアナルセックスも、初めてでしたけど・・気持ちよかったです。・・・ちょっと恥ずかしかったけど・・」
「その恥ずかしいのも、快感の内だよ。また今度させてくれるかな?」
「はい。私の方こそ、お願いします。またしてください。」
「じゃあ。職場でもプライベートでも、この事は秘密だよ。」
「もちろんです。課長とこんな関係に成ったなんて誰にも言えません。まして浣腸だとかアナルでのセックス
なんて・・・」
 恵は満ち足りた気分だった。こんな快感を味あわせてくれて、次回の約束までしてくれた。しばらくはこの相手とこういう関係を続けたいと、心地良い疲労感の中で、そう願っていた。


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