SPACE銀河 Library

作:プロメテウス



「ど、どうしよう・・・・」
「明日、薬局のお姉さんに聞いてみようっと。」
和枝はお腹をさすりながらトイレから出た。

 和枝は便秘症である。いつものようにトイレでイチジク浣腸をした。
しかし、今回は、止まっている日数がいつもより多かったせいか、
もういいだろうと思ってお尻の穴の力を抜いても、薬しか出てくれなかった。
いろいろな薬を使っても、うまく効かなかった和枝のいろいろな相談に
乗ってくれたのは、駅からの帰り道にある薬局の女性店員であった。
「それなら浣腸を・・・」と言われ、恥ずかしがって躊躇している和枝に
自分もよく便秘するから浣腸を使うこともあると自らの体験とともに
説得してくれたのが、その薬局の女性店員、吉村道子であった。
 おかげで、最近では、変な時間に下剤が効いてきて、慌てたり、ときには
下着を汚してしまったりという失敗もなく、また長時間の腹痛の気分の
悪さからも開放されていた。
たしかに浣腸を買うのは恥ずかしいが、あの苦痛や、失敗を考えると
思い切って浣腸を買うことにしている。それに、吉村道子という、
よき相談相手でもあり、同じ便秘仲間、しかも同性の薬剤師から買うのは
相当に気が楽になっていた。
浣腸によって、都合のいい時間に便秘の苦痛を解消できていた。
ところが、今までは浣腸でなんとか出てくれていたが、今回は2回浣腸しても
出てくれなかった。
お腹の気持ち悪さを残して、明日の日曜日に道子の薬局に出かけることにした。

「あら、いらっしゃい。」
いつものように、優しく迎えられると和枝はほっとした。
「いつもの?
 あら、でもつい先日、10個入りを買ったわよね。
 じゃあ、きょうはどうしたの?」
「あ、あのぉ・・・・」
いつもなら道子にならば、便秘の話や「浣腸をください」と気軽に言えるように
なった和枝も、さすがに夕べの状態は言いにくかった。
しかし、言わなければと、意を決した。
「夕べ浣腸したんですけど・・・出なかったんです・・・」
「えっ?そんなにひどいの?
 いくつ使ったの?」
「最初は1個です。でも・・・薬しか出なかったから、次は2個使って
 みたんですけど・・・・」
「そうなの。可愛そうに・・・
 何日ぐらい止まってるの?」
真っ赤になってうつむく和枝に、道子はやさしく
「ひどいの?」と聞いた。
和枝は真っ赤になってうつむきながら
「もう1週間を越えてるかも・・・」
「えっ!1週間!?」
「浣腸でも出ないことってあるんですか?」
道子の驚きに心配になった和枝は思わず聞いた。
「そうねぇ・・・浣腸っていっても、イチジク浣腸なんて、お薬の量が
 少ないし、奥まで入らないから、あまりひどい便秘になると、ちゃんと
 出てくれないことがあるのよ。」
「どうしたらいいんですか?もっと強いお薬はあるんですか?」
「とりあえず、病院に行って、大きな浣腸をしてもらって、
 今たまってるものを出してもらうしかないかなぁ・・・」
「え〜・・・病院で大きな浣腸をしてもらうんですかぁ?
 恥ずかしい・・・それになんだか怖い・・・」
「そうよ。病院の浣腸は中のお薬も多いし、奥の方までとどくように、
 長い管が付いてるのよ。それで、奥の方までたくさんお薬を入れるの。
 それにすごく我慢させられるわよ。」
「え〜・・・そんなのぉ・・・」
「道子さんも便秘症だって言ってましたけど、道子さんも病院でされたこと
 あるんですか?」
悪意はなくても突然の自分のことへの質問に、今度は道子が赤くなる番だった。
「あるわよ。とても恥ずかしかった。
 あんまりひどいんで、さっき言ったような大きな浣腸をしてもらったんだけど、
 それだけでは出なかったの。
 それで、お尻の穴に近いところの、固くなってるウンチを看護婦さんが
 指を入れて掻き出してくれたの。」
「え〜!!恥ずかしい!・・・でも痛くないんですか?」
「そりゃ、痛かったし、死ぬほど恥ずかしかったわ。
 でも、自分の便秘だから仕方がないし・・・
 そのあと、また浣腸されて、便器に出したのよ。」
「トイレへ行かせてもらえなかったんですか?」
「そうよ、便秘がひどいからできるだけ我慢しないといけないからって、
 横になったまま我慢させられたのよ。」
「私、そんなのいやだぁ・・・」
「かならずそうなるとは限らないわ。
 でもひどくなると、そういう処置もよくわるらしいわよ。
 だからひどくならないうちに早めに病院へ行った方がいいわよ。」
「でも・・・恥ずかしいし・・・
 自分で浣腸して出す方法はないですか?」
「もっと薬を入れて我慢すれば・・・和枝さん、どれぐらい我慢してたの?」
「え?・・・ん〜っと・・・計ったことが無いんでよくわからないんです。
 出そうになったら・・・」
和枝は、そこまで言うと、後の図を思い浮かべて、真っ赤になって
うつむいてしまった。
「1〜2分じゃないの?」
「はい・・・たぶん・・・」
「それじゃダメだわ。特にひどい便秘のときなんか。」
「何分ぐらい我慢すればいいんですか?」
「何分って決まってるわけじゃないけど、少なくとも5分ぐらい。
 便秘がひどいときにはもっと我慢しなきゃ。」
「そんなに我慢できないんです。」
「どこで浣腸してるの?寝室?」
「いえ、トイレで・・・すぐに出そうになるから、もし・・・」
「それじゃ、ひどい便秘のときはダメよ。
 寝室かどこかで横になって、入れるの。薬ができるだけ奥の方まで
 入るようにね。
 それで、横になって我慢するのよ。」
「でも・・・もし・・・」
和枝の心配そうな表情を見て、道子は、店の中と前を見回した後、
意を決したように言った。
「私もときどき便秘がひどくなってしまって、イチジク浣腸2個ぐらいでも
 出ないことがあるの。
 そんなとき、以前は、友達の看護婦に来てもらってたんだけど、
 最近は自分でしてる方法があるのよ。
 もしよかったら試してみる?」
「え?何か方法があるんですか?
 はい!試してみます。」
「病院でされるわけじゃないけど、でも、ちょっと苦しいし、
 ちょっと恥ずかしいかもしれないわよ。いい?」
「はい。」
「あのね。お薬をたくさんいれるのは、浣腸を3個か4個ぐらい入れると
 いいんだけど、後は、もっと我慢しないといけないの。」
「はい」
「さっきも言ったように、横になったまま我慢した方が、よく我慢できるし、
 お薬も奥の方へよく行き渡るし。」
「はい。でも、何分ぐらい我慢するんですか?」
和枝は、そこまではさっき聞いたことなので、一生懸命に身を乗り出すように
して聞き入っている。
「何分ってこっとじゃなくて、いくら我慢しても、もうダメ、出てしまうって
 ところまでよ。」
「え?それじゃぁ・・・トイレは・・・?」
和枝は不安になってきた。
「そんな状態じゃ、トイレへ行くのは無理でしょ?
 だからお尻の下に便器を当てておくのよ。」
「え〜っ!便器ですか?
 そんな・・・・」
トイレ以外の場所で排泄するなど、考えられない。
今まで下剤の影響で下着へもらしてしまったことはあるが、不可抗力である。
自ら選んだわけではない。
「ただね、便器をあてておくんなら、よほど注意しておかないと、
 出るときに周りを汚してしまうことがあるのよ。
 だから、誰かに便器をうまくあててもらわないと。
 私は、最初は看護婦の友達にしてもらったのよ。
 恥ずかしかったけど。」
「そ、そんな・・・」
誰かに便器をあてられて排泄をケアされるなどということは、今の和枝に
とっては考えられなかった。寝たきりになってしまったならともかく、
「道子さんは今でも便器を使ってるんですか?」
「あのね・・・これは誰にも言っちゃダメよ。」
「はい」
「便器をあてていても周りを汚してしまうことがあるから、
 今はね・・・オムツを使ってるの。」
「え〜!オムツですか?」
この歳になって、オムツをあてるなんて、思いも浮かばなかった。
オムツをあてている自分を想像するだけで、恥ずかしさでいっぱいだった。
「そうよ。
 確かにお尻が汚れてしまうかもしれないけど、これだと周りを汚す
 心配はないでしょ?」
「そ、そうですけど・・・」
「それに、思いっきり我慢できるから、とてもたくさん出てくれるのよ。
 あとがすっきりするわよ。」
「でも・・・私、オムツなんて使ったことがないし・・・」
「私もね、さっき言ったように、最初は友達の看護婦さんに便器をあてて
 もらったりしたけど、便器だと周りが汚れることが多いから、ある時から
 オムツをあてられたのよ。
 何回かは、その看護婦さんにしてもらったけど、そのうち教えてもらって
 自分でうまく当てられるようになったわ。」
「でも・・・私には、そんなことお願いできる人はいないし・・・・」
「あの・・・もし、私でよければ、・・・してあげようか?」
「え・・・道子さんに・・・?
 恥ずかしい・・・・」
自分でオムツをあてるだけでも恥ずかしいのに、人に当ててもらうという
ことは、その部分をすべてさらけ出すとこになるのである。
ましてや、浣腸をすれば必然的に訪れるであろう、排便をオムツの中に
出したものを見られる。汚れた自分を見られてしまうのである。
「恥ずかしいのは仕方がないわ。でも、そのまま放っておくと、病院で
 もっとひどいことをされることになるわよ。」
「でもぉ・・・」
「大丈夫よ。2人だけの秘密にしておくから。
 さっきも言っただしょ?私も浣腸のときにオムツを使うことがあるって。」
「・・・はい・・・」
「もうすぐお店を閉める時間だから、その時間にまたいらっしゃい。
 私も一人暮らしだから、私の家へ来るといいわ。」
「はい」
和枝は一旦自宅へ帰ると、シャワーを浴びた。
「(道子さんに浣腸される。
  オムツまで当てられる。)」
そう思うと、念入りに体を洗い、ちょっとおしゃれなショーツを
身に付け、カジュアルな外出着に着替えた。
「お待たせしました。」
そう声を出そうかと思ったが、店の中に客がいたので黙って店に入った。
店の中へ入っていくと、自分より5〜6歳ほど年上の女性の客がいた。
「(あっ!あれ!)」
和枝は、その客の手元を見て思わず声を出しそうになった。
その女性客が買おうとしているのは、まぎれもなく、和枝が愛用して
いるのと同様のイジチク浣腸10個入りであった。
その女性客は和枝の存在に気づき、ビックリしたように振り向き、
慌てて道子にその箱を渡した。それを道子が受け取り、包んで店の袋に入れた。
会計をすませると、女性客は真っ赤な顔を伏せながら、慌てて店を
出ていった。
「あら、和枝さん。ちょっと待ってね。すぐに店を閉めるから。」

 道子が店を閉めると、歩いてすぐだからと、2人で並んで歩いた。
「あのぉ・・・」
「なぁに?」
「さっきの女性のお客さんなんですけど、あの方も、浣腸を
 使ってるんですね。」
「あら、見てたの?
 そうね。あなたと同様、ひどい便秘のようね。
 きょうは1箱だったけど、2箱買っていくこともあるのよ。
 消費のペースからすると、1回に2〜3個ぐらいは使ってるんじゃ
 ないかしら。」
「浣腸を使ってる人って、多いんですか?」
「そうねぇ・・・うちの薬局でも、よく売れるわね。」
「そうですかぁ・・・私だけじゃないんですね。」
「さぁ、このマンションよ。」

 部屋に入ると、いよいよという気になって、和枝は何を言ったら
いいものか緊張して段々と無口になってしまった。
「コーヒーか紅茶でも飲む?」
「あ、はい、紅茶をいただきます。」
和枝の紅茶を入れると、道子は奥の部屋へ行った。
「ちょっと待ってね。部屋着に着替えてしまうから。」
「はい」
和枝は
「(いよいよ浣腸される。
  オムツなんて当てられる。)」
と思うと、なかなか紅茶にも手が延びなかった。
道子が戻ってきて、優しく声をかけた。
「緊張してるのね。
 仕方がないわよね。
 でも、大丈夫だから、まかせておきなさい。」
「・・・はい・・・」
「さっき着替えたときに、ついでに準備も済ませたわ。」
「あのぉ・・どうしてもオムツを当てないといけないんですか?」
「ん〜〜・・どうしてもというより、長く我慢するとトイレに
 行けなくなるでしょ?
 トイレで浣腸すると、あなたのように失敗してしまうでしょ?」
「・・・はい・・・」
「じゃあ、すませてしまおうか?」
「・・・はい・・・」
「そのお洋服、しわになるといけないから、脱いだ方がいいわ。
 下着だけでいいわよ。」
「・・・はい・・・」
「大丈夫よ、女同士でしょ?」
「はい・・・でも・・・」
和枝はブラとショーツだけになり、胸を下腹部を隠すようにしている。
「こっちへいらっしゃい」
フローリングの小さな部屋だが、よく片づいていて、隅の方にベッドが
あった。ベッドの上には、薄いビニールのシートが敷かれている。
ベッドの横には、お湯らしいものを入れたボールがあり、その中に
イチジク浣腸が数個入っている。その横には、紙オムツらしいものが
広げておいてあった。
それを見ると、今からされることを物語っているようで、和枝は
立ちすくんでしまった。
「さあ、大丈夫だからここへ仰向けになって。
 あっ、これね。これ、きょうの帰りに薬局から持ってきたの。
 あなたにサイズが合うといいんだけど。
 それとこれね、浣腸ってできれば少し暖めて使う方が、効果があるし、
 後もすっきりするのよ。
 私はいつも暖めて使ってるの。
 お腹はどう?苦しいんでしょ?」
「・・・はい・・・」
和枝の声は消え入りそうな声になってしまっている。
「ほら、ここパンパンじゃないの。可愛そうに・・・」
道子が和枝のお腹をさすりながら言った。
「じゃあ、ショーツを取るわね。」
「あっ、いや」
道子が和枝のショーツに手をかけると、和枝は思わず声に出してしまった。
「ショーツを取らないと、浣腸もしにくいし、あとでオムツもあてられ
 ないでしょ?ね?」
「はい」
道子がショーツを足から抜き取ってしまった。
「恥ずかしい」
和枝は手で顔を隠した。
「はい、今から浣腸しますから。
 足を持ち上げてね。自分の胸の方へ引っ張って。」
「え?そんなポーズを取るんですか?」
「そうよ、それだと浣腸しやすいし、何より、オムツを当てるのに
 最適でしょ?」
「・・・・はい・・・」
「もう少し足を開いてね。」
「恥ずかしい!」
「大丈夫よ、女同士でしょ?」
「でも・・・」
自分でなら、何回も浣腸したことはある。
しかし人からされるとなると、また別の恥ずかしさだった。
和枝の頭の中は真っ白になりかけていた。
「じゃあ、浣腸するわね。その前に少しクリームを塗るから。」
クリームを付けた道子の指が肛門にヒヤッとあたった。
「あっ!」
「うごかないでね。
 浣腸いれるね。」
道子の指がお尻を開くのを感じた直後に、肛門に浣腸の先が入ってくる
感覚があった。
「いや!」
「大丈夫だから、動かないでね。
 恥ずかしいけど、少し我慢するのよ。」
「・・・うう・・・はい・・・」
「次は2個めよ。・・・・はい。
 次は3個めね。・・・・はい、じゃ、全部で4つ入れたわ。」
「そ、そんなにたくさん?」
「そうよ、あなたの便秘はひどいんだから。
 さぁ、おもらししないうちにオムツをあてておきましょうね。
 そのままの姿勢でいてね。」
「少しお尻を浮かせて。・・・・そうよ・・・・
 はい、じゃあ足をゆっくりと下ろして・・・
 まだ、開いたままでね。膝を少し立ててくれる?・・・そうそう・・・
 さあ、これでいいわ。」
「恥ずかしい・・・オムツなんて・・・」
「はい、これでいいわよ。ウフ、可愛いわよ。」
「いや、恥ずかしいです。」
道子が手早くオムツをあててしまうと、和枝は両手で顔を覆ってしまった。
「あっ、少しお腹が・・・・」
「そう、あなたの便秘はひどいから、あれだけ入れても、まだ少ししか
 効いてこないのね。
 お薬がよくお腹に行き渡るように、こうやって、お腹をマッサージ
 してあげる。」
「あう!そ、そんなことしたら、すごく効いてきます。
 いや、我慢できなくなります。」
「大丈夫よ。お尻の穴のところも、こうやって、オムツの上から押さえて
 おいてあげるから。
 こうやって、お尻の穴を押さえながら、お腹をマッサージするのよ。
 よく効いてくるでしょ?
 たっぷりと出て、すっきりするわよ。
 だから、怖がらずによぉっく我慢するのよ。」
「はい・・・・うっ!・・・で、でも・・・・」
「頑張るのよ。ほら、もうこんなに、5分も我慢したのよ。
 もう少し、もう少し我慢するのよ。頑張ってネ。」
「うううう・・・・はい・・・」
「お尻の穴のところもオムツの上から、こうやってマッサージしてあげる。
 こうやって刺激すると、すごく効いてくるでしょ?」
浣腸液で肛門付近の直腸が刺激され、内容物を押しだそうとしているところへ
肛門をマッサージされて、さらに直腸の運動が活発になってきた。
「あああっ!!そんなことしたら、出そうです〜!!」
「お薬が効いてくるように、こうやってるんだから、出そうになっても
 当たり前なのよ。
 お薬をよぉく効くようにして、それで我慢するのよ。
 そうすれば、たっぷりとウンチが出てくれるから。」
「で、でも・・・あああ〜っ!出そう!出ちゃうぅ〜!!」
「大丈夫!もし出てしまっても、そのためにオムツをあててるんだから。
 オムツの中に思いっきり出してしまっていいのよ。」
「い、いやぁ!恥ずかしい!
 やっぱりおトイレに行かせて〜!」
「ダメよ。今おトイレに行ったら、もうダメってすぐに出してしまうわよ。
 そんなことしたら、またちゃんと出ないわよ。
 ひどい便秘なんだからしかたがないのよ。
 浣腸して、ぎりぎりまでよぉっく我慢しないとしかたがないの。
 ね、恥ずかしいでしょうけど、もう少し我慢して。
 あなたのためなのよ。頑張って!」
「・・・はい・・・
 あっ、もうマッサージするのはやめてください。
 出てしまう!」
「それぐらい効いてくる方がいいのよ。
 ほら、頑張って。」
「ああああ、も、もぉ〜っ!!
 ああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・」
オムツの中でくぐもった感じのブォー、ブロロローと音が響いた。
和枝は両手で顔を覆った。
「あ、出ちゃったのね。
 いいわよ。頑張って!出してしまうのよ。
 う〜んって力んで・・・」
「ああ・・・ふんんんんん〜〜っ!!
 苦しいぃ〜!
 んんんんんんんっ!!!」
「お腹を押さえてあげるから、頑張って出すのよ、ほら」
中から圧力をかけられていた薬液が一通り出ると、今度は本体そのものが
外へ出ようと出口に迫ってきた。
しかし、何日も体内で水分を吸収され、後から後から送られてくるもので
太く固くなってしまった固まりは、容易には出てくれなかった。
「あっ、苦しい!
 ううう〜〜っ!!」
2つほどの大きな固まりがなんとか通り抜けると、あとは、あまり固くない
ものが、あふれるように出てくる。
音もブリュブリューというような音が、オムツの中でくぐもっている。
「出てる、出てる、ほら、すごい音が聞こえるわよ。
 わぁ、オムツもお尻の穴のところがたっぷりと膨らんできたわ。」
「い、いや、恥ずかしい〜っ!!
 んんん〜〜っ!!」
「ほら、どんどん出てるわよ。
 頑張るのよ。」
「んん〜・・・・・・」
何回か力むたびに、どんどんと出てきたが、しばらくすると、
あとはもう何も出なくなった。
和枝は、はぁはぁと息をしながらぐったりとしてしまった。
「もういいの?
 たっぷり出た?すっきりした?」
「・・・はい・・・」
「念のため、もう1回力んでみて。」
「んん〜っ!」
「もう大丈夫?」
「はい・・・恥ずかしい!!」
「いいのよ。浣腸したんだからウンチが出るのは当たり前よ。」
「でも・・・・」
「オムツのこともいいのよ。私も便秘がひどいときは使ってるって
 言ったでしょ?だから、恥ずかしがらなくてもいいの。ね?」
「はい・・・」
「さ、きれいにしてあげるから、もう1度、足をたててちょうだい。」
「えっ?じ、自分でしますから・・・汚いですし・・・」
今、自分のお尻を包んでいるオムツの中に、何が溜まっていて、お尻がどういう
状態になってしまっているかは、和枝自身がよくわかっている。
それを人に見られるなんて、死ぬほど恥ずかしい。
「いいのよ。」
「でも、恥ずかしい・・・・」
「大丈夫、さっきも言ったでしょ?浣腸したんだから仕方がないのよ。
 それに、慣れてないと、自分でやっても、なかなか綺麗にふき取れない
 から、あっちこっち汚してしまうわよ。
 だから、恥ずかしいでしょうけど、まかせてちょうだい。」
「でも・・・・はい・・・・」
「さあ、さあ、言うことを聞いて。」
「・・・・・・はい・・・・」
「あああ・・・恥ずかしい!」
「足をあげてちょうだい。・・・・
 そうそう・・・・もう少し開いて・・・・
 わぁ〜!
 たくさん出たわねぇ〜。」
「いや〜・・・見ないでください!」
「いいのよ。たくさん出てよかったわね。
 苦しかったでしょう?これだけ溜めてたんじゃ。
 よく頑張って我慢したわね。」
「うう・・・臭いでしょ?」
「いいの。そんなこと気にしないから。誰でも同じよ。」
道子はティッシュとぬるま湯で濡らしたタオルで、綺麗に拭き取っていった。
「ごめんなさい。こんなことをさせてしまって・・・」
「いいから、気にしないの。」
今、自分は、ウンチのおもらしをして、しかもオムツにおおもらしをして、
汚れたお尻を拭いてもらっている。
そう思うと、和枝は恥ずかしさでいっぱいだった。
「さあ、ほとんどふき取ったわ。
 これはトイレに捨ててくるから、あなたはシャワーを浴びて
 綺麗に洗ってらっしゃい。」
シャワーを浴びながら、和枝はさきほどのことを思い浮かべると、
恥ずかしいさがよみがえってくるのだが、また別に、何か懐かしいような
甘えているような気分も少しあるのに気づいた。
「どう、シャワーを浴びたら、すっきりした?」
「ええ、ありがとうございました。
 でも、道子さんは、ご自分であんなことまでなさるんですか?」
「いつもじゃないけど、恥ずかしいけど、ひどい便秘のときには、
 きょうみたいにすることはあるわ。
 今はなんとか自分でできるけど、やっぱり自分でやるのは、
 少し難しいわね。
 最初の頃は、看護婦の友達にやってもらったけど、やっぱり私も
 恥ずかしかったわ。
 だから何回か、見ててもらいながら、自分でやる練習をして、
 自分でやってるけど、やっぱり難しいわね。
 わかりあった人にやってもらうのが楽でいいんだけど、恥ずかしくて
 なかなかたのめないし・・・」
「え〜・・・じゃあ、今度、道子さんが便秘したら、私がやってあげます。
 うまくできるかどうかわかりませんけど、道子さんに教えてもらいながら
 練習します。」
「でも・・・・・・
 じゃぁ、お願いしようかな。
 お互い様だしね。」
「はい!」

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