SPACE銀河 Library

作:プロメテウス

微  笑

「あぅ〜っ、うンンン〜っ…」
 美代子は便座に座ったまま、呻き声をあげていた。
「ぁハ、ぁハ、はぁ…。だめぇ〜、でない」
 荒い息をしている。
「や、やっぱりダメかぁ…」

 美代子はひどい便秘に苦しんでいた。
もともと便秘気味の美代子だが、今まではなんとか自力で排便していた。しかし、働きだ
してからというもの、便秘はひどくなる一方だった。
 漢方や緩下剤を飲んでいたが、仕事中に効いてきたりして、どうも使いづらい。しかも、
体が慣れてしまったのか、どんどん効きが悪くなってきている。
 せっかくお薬を飲んでも、お腹が少し変な感じになるだけで、トイレで頑張ってみても
出ないことが多い。結局はもっと強力な下剤を飲むことになる。
 確かに下剤は効き目があるが、問題はその効果がいつ来るかである。
 飲んだからといって、すぐ効くわけではないのだ。
 しばらくして効いてきたかなと思い、トイレへ行っても出ないときがある。かと思うと、
突然強烈な便意に襲われ脂汗を流すこともあった。排便がすんだと思っても、また腹痛が
来ることもある。
 だから、そんな下剤を飲めるのは、休日の前しかない。
 ところが、仕事柄、休日が一定ではなかった。一応はシフトを組んでいるが、それも
当てにはならない。人手が足りない。突然、残業や出勤になることも多い。だから思うよ
うに休日をねらって飲むことができなかった。
 つまりは、慢性的な便秘で悩まされることとなった。

 「浣腸」その言葉が今の美代子の頭の中にあった。

 美代子の仕事は空港の手荷物検査係である。
 今までなら手荷物も投影機にかけて、怪しいものがあるときだけ、それを見せてもらう
だけですんでいたのだが、あのアメリカの連続テロ事件以来、検査官が目で確認するとい
う厳しさになっていた。
 手荷物、それはプライバシーの固まりだった。そこで色々なものを発見する。人の秘密
の一端を覗くことになる。
 思わぬモノが出てくることがある。男の荷物からブラジャーがででくるなんてのはまだ
いい方だ。アイドルの女の子の荷物から、バイブが出てきたこともある。
 今はだいぶ慣れたが、妙なものを発見すれば、検査する方も恥ずかしいもの。

 きょう、大学生ぐらいの可愛らしい女の子のバッグを検査したときである。
ポシェットがあったので生理用品だろうと思ったが手にとってみると、堅い箱が入ってい
るような感触だったので開けてみた。
すると、そこには「イチジク浣腸」と書かれた青い箱が3箱入っていた。思わず女の子の
顔を見ると、恥ずかしそうにうつむいていた。
さっとポシェットを戻し、通過させたのだった。
「あんな子だって浣腸使うんですもの、私が使ったって…」
 便秘はすでに5日間になっている。自力排便は諦めていた。
 それでも便秘に慣れてしまった美代子のお腹には、まだやや苦しいという程度だった。
「使ってみよう…」
 パンパンに張った下腹部を撫でながらそうつぶやいていた。


「あのぉ…」
「はい、いらっしゃいませ」
 美代子は空港内の薬局にいた。
 どこで買うかさんざん迷ったが、結局ここに来てしまった。
 というのも、女性の店員がいるという安心感から、ここで下剤を買っていたし、以前、
スチュワーデスがこの店で浣腸を買う場面を、偶然見たことがあったのを思い出した。
 スチュワーデスはなんの躊躇いもなく、平然と「浣腸を四箱ください」と言っていた。
それを思い出していたのだ。自分も同じようにすればいい、そう思っていた。
「あのっ」
「あらぁ・・・こんにちは。きょうはどうなさったんですか?」
 しかし、いざ店員を目の前にすると、恥ずかしさのあまり言葉がでなかった。
「どうしました?」
「あ、あのぉ・・・・かんちょう・・・ください。」
「はい。
 やっぱり便秘がひどいの?」
その店員も時々下剤を購入する美代子のことは覚えていた。
普段なら「大人の方ですか?子供さんですか?」と聞くところだが、美代子の
態度を見れば一目瞭然だった。
「はい・・・」美代子は、うつむいたままつぶやくように返事をした。
「大丈夫よ、恥ずかしがらなくても。
 私も時々お世話になってるし、女性乗務員の方たちもよく買っていくのよ。
 内緒だけど、あなたと同じ職場の女性の方もいるんですよ。
 だから気にしないで。」
「本当ですか?」
「そうよ。できるだけ薬は使わない方がいいけど、苦しくて仕方がないなら
 まずそれを解消しないとね。
 浣腸を使ったことあるんですか?」
「いえ・・・まだ・・・」
「入れたらすぐに出そうになるけど、できるだけ我慢してから出してくださいね。」
そういうと店員は浣腸を紙袋に入れてくれた。


「でも、やっぱりやだなぁ・・・」
箱を開け、ビニール袋から出した浣腸を手にしながら、美代子は迷った。
しかし、きょうでもう6日間もの便秘でそろそろ苦しくなってきている。明日も勤務があ
るから、コーラックは飲めない。そう考えると思い切って使ってみることにした。
箱には、少し液を出して浣腸の先を濡らすとか、入れたらしばらく我慢してから排便する
ようにとか書いてあるが、どういうように入れたらいいのかはわからなかった。
「どんなふうに入れたらいいんだろう・・・」
お尻に入れる・・・お尻・・・四つん這いのポーズを思い浮かべたが、そのイメージに思
わず赤くなってしまった。
浣腸を1個持ってベッドへあがり、まずキャップを取る。
顔の前で両手でそっと持ちながら、膨らんだ部分を少し握ってみた。
「キャッ!」
押さえすぎて、液が少しこぼれてしまった。しかし、とりあえず先は濡れたようだ。
それを目の前に置き、四つん這いになり、ショーツをおろした。
「やだぁ・・・」
一人で声が出てしまう。
恐る恐る浣腸を持った手を後ろに回した。浣腸の先を肛門に入れようとしたが、お尻の肉
に邪魔されてなかなかうまく入らない。少し足を開いた。ここらあたりだろうと想像しな
がら、手に持った浣腸の先でさぐりを入れる。間違ったところを突いてしまうたびに「あ
ん」というような声が出てしまう。ここだと思い、ゆっくりと挿入を試みた。
「痛いっ」
細くても肛門にこすれるその感じが痛いように感じた。怖くなってあまり挿入できなかっ
たが、とりあえず浣腸の膨らんだ部分を少し握ってみた。
「アッ!」
うまく肛門に入ってなかったのか、少し液がこぼれてしまった。意を決して奥へ入れてみ
る。
「ンッ!」
なんとか挿入できたようだ。恐る恐る握ってみる。
「ンッ!ン〜〜〜・・・」
冷たい薬が肛門付近の中で感じられた。
ぎゅ〜っと絞ってから浣腸を抜き、思わず手元でじっくりと眺めてみた。
薬がある程度は残っているが仕方がない。
(すぐに出したくなるけど・・・)薬局の店員の言葉を思い出しながらじっと構えて待っ
た。
「え〜・・・?」
何も起こらなかった。
「どうしてぇ〜?」
と、思ったとき、急にお腹が痛くなってきた。
(あっ、来た!)
我慢しようと思ったがとても我慢できそうになかった。
中から飛び出して来そうだった。
「あっ、ダメッ!」
慌ててショーツをあげると、上から押さえながらトイレへ走った。
ドアをしめるのも忘れて、ショーツをおろすと便座にお尻を落とした。
ビシューッ!
液が迸る。
「あ〜んっ!いたぁ〜い!」
思わず息む。
バリバリッ!
ガスが出てきた。
「やだぁ〜!
 でも、お腹いた〜い・・・」
しばらく息んでガスや薬が出てしまうと、キリキリとしたお腹の痛みは
少し収まってきた。
しかし、肝心なものが出ない。
お腹の中が動いている感じで出そうな気配があるのだが、出てくれない。
「あ〜ん・・・苦しいぃ〜・・・・」
いくら息んでみても出ない。
少しお腹の苦しさがましになると、お尻を拭いてトイレを出た。
這うようにしてベッドに戻り、横になりながら下腹部の苦しさに耐えていた。


「あ〜〜ん。どうしたらいいの?」
とにかく、はやくなんとかしなければ・・・友達に電話をかけてみる?
そのとき、ふと、いつもいろいろと相談相手になってくれる先輩の節子のことが脳裏に浮
かんだ。
勤務のことだけではなく、生理のことも含め健康上のことも、いろいろと話せたし、節子
も確か便秘症だと言ってのを思い出した。
しかし、いくら頼れる先輩でも、普段ならこんなことなど相談できないが、今は
恥ずかしさよりも、この苦しさから早く逃れたい一心で、相談してみることにした。
(節子さんなら・・・。)
別のセクションではあったが、早番だったのを思いだし電話をかけた。
「あの・・・神崎ですけど・・・」
「あら、美代ちゃん、どうしたの?」
「あの・・・あの・・・・」
「どうしたの?急に。」
「お腹が苦しくて。」
「大丈夫?お腹こわしてるの?」
「いえ・・・あの・・・便秘で・・・」
「あら大変、薬か何か飲んだの?」
美代子は今までの経緯を簡単に話した。
「だめよ、そんなの。
 6日間もの便秘じゃ、イチジク浣腸の1個ぐらいじゃ、なかなか効かないわよ。」
「え?先輩も使ったことあるんですか?」
「あるわよ。あまり人には言わないけど、たまに使うことあるよ。
 とにかくすぐにそっちへ行ってあげるから、横になって休んでなさい。」


「どう?大丈夫?」
ドアを開けると、節子は開口一番に聞いた。
「まだ苦しいんです。」
美代子はお腹を押さえながら答た。そのとき、節子の横にもう一人女性が立っているのに
気づいた。
「あ、この人ね。この人は、空港の救護センターの看護婦さんよ。」
「初めまして。角本美樹って言います、よろしく。大丈夫?」
「あ、初めまして。神崎美代子です。」
「節ちゃんから大体話は聞いてるわ。」
部屋に入ると、お茶でも入れるという美代子の申し出を制して、美樹は美代子にベッドに
横になっているように指示した。
「苦しそうなんだから、そんなことより、早くなんとかしないとね。」
節子の言葉に美代子も素直に従った。
美代子のお腹を触りながら、美樹が聞く質問に、美代子は恥ずかしながら答えていった。
「原因は便秘だけのようだし、病院へ行くほどでもないと思うけど・・・」
美樹に言われて、今度は節子が意を決したように、切り出した。
「そう。重大な病気で無くてよかった。」
「あのね、美代ちゃん。」
「はい・・・?」
「あのね。美代ちゃん。
 電話でも言ったように6日間もの便秘となるとね、イチジク浣腸の1個ぐらいじゃ出な
 いこともあるの。
 そういうときは病院で大きな浣腸をしてもらわないとダメなの。」
「え?そんなぁ・・・病院へ行くなんて恥ずかしい・・・」
「行かなくてもいいの。
 実はね、この美樹ちゃんが私からの話を聞いて救護センターにある病院用の大きな浣腸
 を持ってきてくれたんだ。」
「病院用の大きな浣腸って・・・?」
不安そうに見つめる美代子に、美樹が鞄からディスポーザブルの浣腸を出して見せた。
「これってイチジク浣腸の4個分入ってるのよ。」
「ええ?そんな、大きな・・・?」
美代子の表情を見た節子が慌てて付け加えた。
「大丈夫よ。ノズルも細くて痛くもなんともなし、奥の方へ薬が届くから確実に出てくれ
 るしね。
 あのね、実は私も、あの浣腸を経験してるんだから。」
「え?節子さんもですか?」
「ウン。だいぶ前にね、勤務中に急にお腹が痛くなって・・・。
 便秘だってわかってたけど、あとで薬を飲むつもりだったの。
 それが急に痛くなってきて、救護センターへ言ったら、この浣腸をされちゃったんだ。
 美樹ちゃんとは、そのときから。」
「そうだったんですか・・・」
「ね、だから、美樹ちゃんにまかせて。」
「はい・・・」


「じゃぁねぇ、美代ちゃん。
 汚れるといけないし、浣腸しやすいように下は全部脱いでくれる?」
ボールに張ったお湯で暖めていた浣腸を持ってくると美樹が言った。
「え?ショーツもですか?」
「そうよ、どうせ私たちだけなんだから、恥ずかしがらなくても・・・。
 それに早く治さないとね。」
美樹のてきぱきとした指示にしたがって、節子がバスタオルを敷き、その上にしぶしぶパ
ンツとショーツを脱いだ美代子が前の部分を手で隠しながら横になった。
「美代ちゃん、足をもっと曲げてくれる?お腹の方へぐっと。」
美樹は薄いビニール手袋をしながら言った。
「もう少し曲げて。節ちゃん、ちょっと手伝ってあげて。
 足を押さえといてあげてね。」
「やぁ〜ん!恥ずかしいぃ!」
「ダメよ、美代ちゃん。恥ずかしいけど、ちょっと我慢してね。」
「美代ちゃん、いまから、まずゼリーを塗るからね。
 滑りを良くして、浣腸がお尻に入りやすいようにするためと、堅いウンチが出てきても
 痛みを少なくするためだから。
 それに滑りを良くしてるとそのウンチを出しやすくなるから。
 ちょっと冷たいけど我慢してね。」
美樹が美代子のお尻をひらいた。
「やっ!」
「力を入れないで。」
「あっ!」
冷たい感覚に美代子は声を出した。
「ダメよ、動かないで、お尻を引かないでもっと突き出して。
 節ちゃん、押さえといてよ。」
「美代ちゃん、怖くないから、大丈夫。動かないで。」
「ああ〜・・・」
ゆっくりとした肛門のマッサージに声を出してしまい、お尻を
引いてしまいそうになる。
「もういいかな、外側は。
 美代ちゃん、今度は指を中に入れて、中の方までゼリーを塗るからね。」
「え?
 そんなぁ・・・恥ずかしい・・・・怖いよぉ・・・」
「大丈夫、痛くないから。」
「あう!・・・ん〜〜〜〜っ・・・・」
「力を入れないで」
「やだぁ〜・・・」
「中まで塗っておくと、堅いウンチも出やすくなるんだから。
 もうちょっとだけ我慢してね。」
「あ、すぐそこまでウンチが来てる。」
「やぁーっ!恥ずかしいぃー!」
「ん〜んとぉ・・・これなら、まだ浣腸でなんとか出せそう。
 節ちゃんのウンチより、まだましかもよ。」
「え?やだぁ・・・そんなこと、こんなときに言わなくても・・・
 もぉ〜・・・」
節子も赤くなってしまった。
「ん〜〜ん・・・苦しい・・・もうやめてぇ・・・・」
美代子は両手で顔を覆い、うなりながら言った。
「そろそろいいかな?」
指を抜かれると美代子はほっとして、はぁはぁと肩で息をしている。
「じゃあ、美代ちゃん、浣腸するからね。」
美樹の手が再び美代子のお尻を開く。
「いや」
「管を入れるよ」
「あ!・・・
 あ〜・・・・ん・・・・」
「あれ?ウンチが邪魔してなかなか奥の方へいかない・・・」
美樹は管の部分を方向を変えながら入れたり出したりして、少しでも奥へ入れようと試み
た。
「ああ〜ん、そんなぁ・・・・」
「ちょっと我慢してねぇ・・・
 あっ、いけそう・・・
 薬を入れるからね・・・・」
「ん〜〜〜〜・・・・・・」
「はい終わり。管を抜くから。」
「ああ・・・アン・・・」
抜いた管の部分を美樹がティッシュで覆う前に、管にベットリと付いた茶色い物を見た節
子は、きっと自分のときもそうだったんだろうと思い、下を向いて赤くなってしまった。
美樹は片手で厚く重ねたティッシュで美代子の肛門を押さえると、もう片方の手で美代子
のお腹のマッサージを始めた。
「ああ・・・やめて・・・苦しいぃ・・・」
「ちょっとの我慢よ。お薬が奥の方までよく回るようにしてるんだから。
 節ちゃん、ちゃんと押さえといてよ。」
先ほどのイチジク浣腸とは違い、すぐには便意は起きなかった。
しかし、しばらくするうちに、徐々にではあるが、奥の方から重い、確実な便意が起こっ
てきた。
「ああ!美樹さん。お腹が痛くなってきた・・・。」
「効いてきたのね。でも、もっと我慢しないとダメ。」
さらに便意は確実にその強さを増してきた。
「うう!ダメ!トイレに行く。」
「まだダメ。」
「で、でも・・・もう出そぉ〜!」
「大丈夫!出そうと思っても、まだ我慢できるから。
 それに、この浣腸で出ないと、お尻から指を入れて出口の堅いウンチを掻き出して、
 それからまた大きな浣腸をすることになるよ。」
美樹は言ってから節子の方を見た。
「やん」
節子は真っ赤になりながら下を向いて美代子を押さえ続け、美代子に声をかける。
「美代ちゃん、頑張って。
 もう少しの我慢なんだから。」
「で、でも・・・せんぱぁい・・・
 あああ!出そう!出ちゃうぅ!
 ダメ!お腹を押さえられると出ちゃう!」
美樹はマッサージの手を止めたが、まだトイレには行かせない。
「大丈夫。こうやって押さえといてあげるから。」
その間にも便意はどんどんと強くなってきた。
もう自力では止められず、押さえている手を離せば出てしまいそうだった。
「あああーーー!出ちゃうぅーーー!」
美樹は、ティッシュに液が浸みだしてきているのを見ると
「そろそろいいかな。
 美代ちゃん、これを自分で押さえて。
 大丈夫?一人で行ける?」
美代子は、二人に支えられてよろよろと立ち上がるとトイレに向かった。
節子がトイレのドアを開けてくれた。
「いいこと、美代ちゃん。
 絶対に水を流しちゃダメよ。
 ちゃんと出たかどうか確認しないといけないから。」
「ええ!そんなぁ・・・」
しかし、美代子には逆らっている余裕などなかった。
便器に座るや否や美代子の肛門が爆発した。
「ああああーーーーー・・・・」
美代子の大きなため息とともに、肛門からは液が迸った。
バシューーーーッ!
二人はトイレから出てドアを閉めてやった。
中から美代子の肛門から吹き出す音が聞こえる。
液の噴出がピタッとやんだと思うと、美代子の息む声が聞こえた。
「ああーーー苦しいぃ・・・・
 フンンーーーーーン!」
「あああーーーーーー」
堅いのが肛門を押し広げ、押しでようとしている。
その苦しさから逃れるため、美代子は思いっきり息んだ。
「ウンァ〜〜〜!ンンン〜〜〜〜〜!」
ズボン!という音と共に大きかったのが出ると、あとはどんどんと出てきた。
「ウウウーーーーン!」
「はぁ〜はぁ〜」
美樹はトイレのドアの外で節子を見ると、にっこりとした。
「どうやらちゃんと出てるみたい。」
一段落すると美代子は肩で息をした。
と、お腹の奥の方から、また便意が増す。
「あ、また・・・ウウウ〜〜〜〜ン!」
ズボズボ!バリバリ!
ガスも出てくる。
「やだぁ!・・・ああ!ウウウ〜〜ン!」
しばらくして便意が収まると、美代子はお尻を拭き、ドアを開いて美樹を呼んだ。
「まぁ!すごいたくさん!これだけためてると苦しかったでしょ?」
「いや、恥ずかしい!」
「いいのよ。誰でもウンチは出すんだから。」


(はぁ〜。あと少しで交代。あとは帰ってゆっくり休もう。)
そう思いながらつぎの荷物の検査にとりかかった。
「お荷物を拝見いたします。」
疲れをできるだけ表さないように明るく声をかけると、その女性のバッグを開いた。
ふと見ると、美代子にも馴染みの箱が2箱あった。
美樹と節子に浣腸してもらってから、美代子は便秘がひどくならないうちに自分でイチジ
ク浣腸をして出すようになっていた。
「人によって違うけど、3日間か4日間ぐらいの便秘なら、イチジク浣腸2個使えば美代
 ちゃんでも確実に出ると思うよ。
 もし、ひどくなったら、遠慮なく連絡して。」
美樹にそう言われて、できるだけひどくならないうちに出すようにしていた。
「あ、やだ。」
鞄の持ち主の若い女性は、真っ赤になりながら、思わず手を伸ばしてそれを隠そうとした。
美代子は、その手をそっと制すると、優しく微笑みながら行った。
「恥ずかしがらなくてもいいですよ。
 これって、お使いになってる方は多いですから。」

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