SPACE銀河 Library

作:澪田貴

エネマな彼氏

 あたし困っているんです。せっかく温泉旅行だっていうのに、彼ったら新幹線の席に着くなり、スカートの中に手を入れてきて。ずっと太腿をまさぐっている。イヤじゃありません。でも、彼って興奮すると止まらなくなっちゃうから。
 新幹線が東京駅を離れ出すと、今度はあたしにヒップを浮かせるよう命令するんです。あたし、周りを見渡しました。幸いにもお昼時で、皆、弁当を食べ始めていたり、雑誌を読んでたり、全然こちらの行為には気付いてなさそう。そっとヒップを浮かせます。彼の手はあたしの大きなヒップを、パンティーの上からまさぐります。
「ハァッ、イヤッ」 熱い溜め息が出ちゃいます。
 暫くまさぐると、パンティーをずり下げ、アヌスに触れてきます。
「ダメだったらァー」 ダメと言いながらも、とっても甘い声になってしまいます。アヌス全体をマッサージするようにし、十分にほぐしてきます。
「ハァァァン、エッチィー」
 遂に彼の指はアヌスの中に侵入してきました。グリグリグリグリ、こね回し、アヌスをオモチャにしてきます。
 ここまでされると、もうダメ。あたしは彼に縋るような目で訴えます。彼は、切ないあたしの表情を見て、唇を重ねてきます。こういう時、優しいキスなんていりません。乱暴に、ディープに、舌と舌を引っ張り合うような、唾液を飲み干し合う、セックスそのものを感じさせるキスが欲しいんです。とっても恥ずかしい話を言っちゃいます。あたしって、アヌスをホジホジされながら、彼に激しいキスをされると、それだけで何度もイッてしまえるんです。こういう時、彼は更にあたしのことを感じさせる術を知っています。
 アヌスをずっとホジホジしていた指。きっとホカホカに温かく、きっと……きっと……すっごく匂っているはずなんです。世界で一番愛している彼にだけは嗅がれたくない匂い。でも、世界でたった一人、彼にだけ嗅いで欲しい匂い。彼は、そんなあたしの複雑な胸中を知っているのです。
 ホジホジしていた指を引き抜いた彼は、その指を自分の鼻先に持っていき、クンクンとその恥ずかしい匂いを嗅ぎ始めるんです。
「イヤン」
 あたしは、彼の腕を掴み、匂いを嗅がせまいとします。すると、強引にあたしの押さえつけようとする手を引き剥がし、深く深く深呼吸するんです。余りの恥ずかしさに、あたしはそうした時、彼の行為を見詰めているだけで、気が遠くなる程に感じてしまうのです。

 ごめんなさい、紹介が遅れました。あたし、広沢真由、三十一歳。彼は、二十三歳。結婚して一年になります。彼、達也は最初、あたしの勤める会社に、派遣社員として入社してきました。可愛い年下の彼、達也の第一印象はそんなでした。ですから、最初のデートはあたしから誘いました。何も知らないんじゃないかしら、そんな風にさえ感じていたあたしの心の奥底には、達也の童貞を奪ってやろうといういやらしい考えがあったのかもしれません。けれど、何も知らないのはあたしだったことを後々散々思い知らされることになるのです。
 付き合い始めてから暫く経った頃のデート。二人で食事をし、彼の住むマンションにタクシーが到着したのは、午前一時を回っていました。部屋に入ると、彼はドアに鍵を掛けるなり、あたしのことを抱き締め、キスをしてきました。彼の激しいキスは、あたしの身体の芯から蕩けさせてくれるものでした。その日、あたし達は関係を持つことを予め約束していたのです。
「シャワーを浴びてくるね」
 そう言って、バスルームへと消えた彼をあたしは歯がゆく思いました。シャワーなんて浴びなくって良いのに。
 ふと、彼の部屋に目を移したあたしは、思わず微笑みました。

 会社には小奇麗にして出て来る彼だけれど、部屋の中は散らかしっぱなしです。雑誌が散乱し、脱いだ物もそのまんま。男の子なんだなぁ、そう思って見ていると、テレビの下のラックに目が止まりました。DVDのディスクが沢山あります。ダビングしたものなのでしょう。市販のメーカー製ディスクには、マジックで色んな映画のタイトルが書かれています。そうした中、あたしは一つのディスクの存在に首を捻りました。あたしも全作見ている、とある映画のタイトルが書かれていたのです。そのシリーズは、全三作のはず。ですが、手にしたディスクにはタイトルと共に6という数字が書かれていたのです。よく見ると、他にも同じタイトルで、8や9といったものまで出てきたのです。どういうこと? あたしは、デッキにディスクを入れました。テレビのスゥィッチを入れます。再生された画面に、あたしは驚きました。
 ムッチリとした肉付きの良い女性が、診察用の開脚台に皮ベルトで縛られています。アソコには、極太のバイブレーターが差し込まれて。女性は感じまくっているようで、首を左右に振り、髪を振り乱し、喘ぎ、声を上げています。若い男の子なんだもん、こういうのを見ているのは当然だわ。あたしは、年上の女性としての威厳を保とうと冷静になって、そのまま見続けていました。あたしだって、何枚かこの手の物は持っています。ですが、そこから先は、あたしがそれまで見たこともない展開へとなっていったのです。
「アァーッ! もうダメーッ!」
 女性の絶叫と共に、画面は女性の局部へとアップになりました。ですが、アップになったのは、その後ろ、お尻の穴の方だったのです。
「出るゥーッ! アーン、見ててーッ!」
 ブリッ、ブリブリブリッ!
 凄まじい放屁音がしたかと思うと、モリモリと逞しい程の便塊が、彼女のお尻の穴から噴出しては、タイル張りの床へと落下していくのです。
「アーンッ、お浣腸ってステキーッ」
 女性はウットリとなり、口の端から涎まで垂らし、恍惚となっています。浣腸され、排便し、それを見られて感じている……。初めて知る世界。でも、気持ちはわかるんです。あたし、恥ずかしいことをされればされる程、感じちゃうんです。呆然となり、画面の虜となっていたあたしは、シャワーを浴び終えた彼が背後に立っているのさえ気付きませんでした。

「真由……」
 達也は、とんでもない物を見られてしまったとばかりに、目を伏せながらそう言いました。腰にタオルを巻いただけの格好です。あたしは慌ててテレビのスゥィッチを切りました。うなだれ、達也は困っているようです。何とかしなくっちゃ。
「へーっ、達也ってこういうの好きだったんだ」努めて平静を装いながら、あたしはそう言いました。達也を見ると、目を伏せたままです。可愛い。
「達也は、女の人にこんなことしたことあるの?」
 達也は首を横に振りました。
「してみたいと思ってはいたけれど、チャンスがなかったわけね?」
 せいぜい背伸びしてあたしは言いました。
「あたしに……そのぉ、お浣腸してみたい?」
 萎縮していた達也が顔を上げると、その目は輝きに溢れ始めています。何て正直なのかしら。
「うん! してみたい! 真由に浣腸してみたい!」
「いいわ。また今度、達也にお浣腸させて上げる」
「今度って、いつ?」
「え……」
「僕は、真由に今日浣腸したいんだ」
「そんな……まだ愛し合ってさえいないのに……」
「確かにセックスはまだしていない。けれど、浣腸してその行為を共有し合うってことは、セックスよりずっと濃くって重要なんだよ」
 こじつけにしか聞こえないけど、年上として臆してばかりもいられないんです。
「わかったわ。いいわよ、今からお浣腸しても」
 そうは言ったものの怖いんです。恥ずかしい話なんですけど、あたしって便秘気味なんです。けれど、普段は飲み薬でお通じをよくしていて、お浣腸は未経験だったんです。
 彼は、腰に巻いていたタオルを取り去りました。スゴイ……。物凄い勢いで、天に向かってオチンチンが勃起してるんです。先走りの汁が溢れ、真っ赤になって張り切る亀頭をテラテラ輝かせ、怖い位なんです。あたしにお浣腸することを考えて、あんなに勃起させている。あたしが排便することを想像して、あんなに固く、立派にさせている。
「ハァーッ」
 見ているだけで身体の奥から熱い物が溢れ出し、嬉しさから溜め息まで出てしまいます。達也はクローゼットの中から一つの紙袋を取り出しました。中身を次々と、あたしの前に出して並べていきます。注射器型の浣腸器。グリセリンとラベルの貼ってある未開封のガラス瓶。皮製の拘束具。毒々しい色のバイブレーター。ラバー製のオムツ。それに、オマル。 あたしは息を呑みました。

「真由、正直に話すよ。僕は、真由を一目見た時から好きになった。同時に、浣腸したいとも思っていたんだ。だから、いつか今日のような日になることを夢見て、色々と道具を買い揃えていたんだ。ごめん、嫌いになった、僕のこと?」
「うぅん、まさか。達也が正直に話してくれたから、あたしも言うわ。あたしは、お浣腸はしたことないの。でもね、男の人に、勿論大好きな、愛する人によ、思いっきり恥ずかしい目に遭わされたいって、ずっと思っていたの。軽蔑した?」
「いや。前よりも真由のこと好きになったよ」
「嬉しい」
 あたしは、裸のままの彼に抱きつきました。再び熱いキス。恥ずかしさから逃れるように、あたしは思いっきり彼の口に吸い付きます。達也もそれに応え、たっぷりと舌に唾液を絡めて、あたしの喉の奥に流し込んできてくれます。美味しい。素直にそう思いました。このままずっとこうしていたい、そう思いましたが、達也は唇を離してきました。彼の目が訴えています。早く真由に浣腸がしたいと。恥ずかしい……。大好きな達也にこれから一番恥ずかしい物を見せなくっちゃならないなんて。
 ワンピースを脱がされ、下着を取られ、あたしは全裸に剥かれました。あたしは、オッパイとアソコを手で隠そうとしました。
「お願い、電気を消して……」
「ダメだよ。真由の全てをこれから見るんだ。明るい所でないと」
「そんな……」
 抵抗している暇はありません。あたしは、キッチンの椅子に座らされ、両足を開脚するようにして、拘束具で固定させられてしまったのです。両手首は頭の後ろで縛られました。全部が丸見えです。アソコはパックリと開き、グショグショに濡れ、椅子にもトロトロと蜜を滴らせています。アヌスは、期待と恐怖にヒクヒク痙攣している。
「アァン、こんな恥ずかしいポーズなんてェ」
「恥ずかしいなんて言いながら、真由は凄い濡れようだね」達也は笑うんです。
「イヤッ、達也のイジワルゥ」
 あたしの目の前で、達也はグリセリンを洗面器にコップ一杯程注ぐと、結構な量のお水を足し、指で掻き混ぜ始めました。続いてそれを浣腸器で吸い取っていきます。
「それじゃあ、真由。今から浣腸するからね」
 あたしは、唇を噛んで頷きました。アヌスに浣腸器の嘴が触れてきます。冷たい。中に入ってきました。
「ハァーン、お浣腸されているのねェー」
冷たい薬液がたっぷりと流れ込んできます。目を瞑ると、これまでに感じたことのない感覚が全身を包み込んできます。
「真由、お浣腸されてるのォ。アーン、たまらないわァー」つらいんだけど、恥ずかしいんだけど、とっても素敵な気分なんです。洗面器に用意された液体は、やがて全てあたしのお腹の中に収まってしまいました。傍らに、浣腸器を持った達也が立っています。
「達也……。お浣腸、あたし好きになっちゃいそうよ」
 キスを求めようと、唇を突き出そうとしたその時です。グルルルルル、キュルルルルルル、グーッ、キュルルルルルルル。 猛烈な便意が襲ってきたのです。
「ハァーッ、達也! あたし、あたしどうなっちゃうの?」初めての体験に、恐怖が先に立ってしまいます。
「大丈夫、落ち着いて、真由」達也はしゃがみ込み、あたしのおでこに優しくキスしてくれます。
「達也! ダメなの、もう我慢できないの!」
「何が? 何が我慢できないんだい?」
「……大きいのがよ!」
「大きいの? そんな言い方じゃわからないよ。何が我慢できないんだい? 言ってごらん。大きな声で、叫んでごらん」
「アァァァァァー、イジワルゥ。わかっているくせにィー」
「言うんだ! 真由!」
「……ウ……チ……がしたいの……」
「叫ぶんだ! 真由!」
「アァン、もうっ! ウンチ! ウンチがしたいのォー!」
 あたしのお尻の下にオマルが当てられました。やっぱり……。
「全部……何もかも達也に見られちゃうのね……」
 涙が流れます。恥ずかしさから、いえ、たぶんそれは嬉しさからの涙でした。
「達也。あなたのために出します。あなたのために、今から思いっきりウンチを出すね。でも、お願いだから笑わないでね。すっごく臭いからって、嫌いになっちゃイヤよ」
「わかってる。わかってるよ、真由。きっと、今からすることを見て、もっと愛が深まることを約束するよ」
「達也! ウンチ出るゥーッ!」
 ブリッ、ブリブリブリブリッ! ブーッ! ブリリッ!
「イヤーン」
 オナラの音が部屋の中に響いて、恥ずかしいったらないんです。途端に、オマルの底を叩きつけるように、薬液が飛び出してきました。
 ジャッ、ジャーッ。勢いのあるオシッコのように、大量の薬液です。
 ブーッ! ブリッ! ブリッ! ブリリリッ!今度は、軟便です。柔らかいウンチが、オマルの中に山を築いていきます。
「アーンッ、ウンチが止まらないのォー」
 軟便に続き、凄く太い、長さもある色艶のいい大便がアヌスを押し広げて、次から次へと溢れ出てきます。
 ドサッ、ドサッ。重量のある、とても女性の物とは思えない、はしたない位に大きな大便が落下しては、オマルの中に音を立てていきます。
「ヤダァーッ」
 本当に大量なんです。便秘していた最近の便から宿便まで、腸内の全てのウンチが出てくる気分なんです。
 正直に言います。排便しながら、それを達也に見られて、あたしは何度もイッてしまいました。排便を終え、グッタリとなっているあたしのアヌスを達也は綺麗に拭うと、仕上げと言って、舐め回してきたんです。あたしは恥ずかしくって、達也にそうさせないようにとしたんですが、強引にされてしまいました。勿論、あたしも本心ではそうして貰いたかったのですが。
 拘束具を外されたあたしは、そのままフロアーに押し倒され、夜が開けるまで愛されました。アソコにも、アヌスにも、達也は幾度となく精を放ち、あたしがクタクタになるまで愛してくれました。以上が、あたしと達也とのファーストエネマのお話です。

 そして、今回の温泉旅行も浣腸漬けになる予感がしています。あたしと達也。お浣腸が結んでくれた二人の愛。あたしは、どこまでもその道を歩んでいくつもりです。


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