SPACE銀河 Library

作:えり子

見 学 者

 私は香谷えり子、20才、学生です。私はごく普通の女の子です。ただちょっと変わった趣味をもっています。それは人前では言いにくい趣味なんです。
「それは一体何だ?」ですって。思い切って告白いたしましょう、それは ”お浣腸 ”なんです。若い女の子でも、”お浣腸 ”に興味をもっている子は実は少なくはないんですよ。

 その理由は様々なんですが、次のようなことが考えられます。
(1)幼い頃経験した浣腸が心に強く刻まれ、トラウマになっている。
(2)フロイトのいう肛門期からいまだに抜け出していない。
(3)便秘体質のため浣腸が手放せない。
(4)友人達の浣腸の体験談を聞き、浣腸に興味を覚えた。
(5)ドラッグストアに浣腸が置いてあって、思わずそれをカゴに放り込んだ。
(6)薬局で浣腸を勧められた。
(7)偶然経験した浣腸の魅力(魔力)に取り込まれた。
(8)雑誌やインターネットなどの情報で浣腸が美容によいということで、トレンドのコーヒー浣腸や大腸洗浄を行っている。
(9)自慰行為のひとつとして浣腸を行っている。
(10)彼氏が浣腸の趣味をもっていて、感化を受けた。
(11)SM小説を読んで浣腸のことに興味をもった。
(12)生まれつき浣腸が好きである。
 私の場合、どれが当てはまるんでしょう。どうもひとつだけではなさそうです。(1)〜(5)と(12)でしょうか。
 浣腸に関して今も忘れられない幼いときの思い出があるんですよ。それをお話しちゃいましょう。

 私って幼いときから食いしん坊なんです。おいしいものや好物が目の前にたくさんあると、ついつい食べ過ぎちゃうんです。食べ過ぎると下痢になっちゃう子と逆に便秘になる子がいます。私の場合は後者なんです。
 小学5年生の頃です。わが家でご法事があったんです。曾祖父の7回忌のため親戚がわが家に集まったんです。久しぶりに従兄弟達に会えるので、私はとてもうれしかったです。もうひとつの楽しみがありました。それぞれの人がお菓子や果物をもってきたんです。それから、叔母達がお寿司やおはぎを作ってもってきてくれたのです。
 ところが悪いことに、私、それを食べ過ぎちゃったんです。おなかが痛くてたまりません。母に「おなかが痛いの。」と訴えました。ちょうどそのとき、看護師をしている叔母(母の妹)がそばにいて、私の訴えを聞いていたのです。
「お姉さん、忙しいでしょう、私、えり子ちゃんを診て上げるわ。」
「そう、多分食べ過ぎだと思うけど、あなた専門家だからお願いするわ。」

 叔母は私を横にしておなかを押さえます。
「ここ痛む?」
「ううん。」
「ここは?」
「ううん。」
「じゃあここは。」
「痛い。」
「うんちは出たの。」
「ううん。」
 叔母は母に言います。
「食べ過ぎによる単純な便秘のようね。」
「困ったわ、今日は日曜日だし、病院はお休みよ。」
「大丈夫よ、虫垂炎じゃないようだから浣腸すれば治るわ。」
「浣腸の買い置きはないの。」
「私、買ってくるわ、えり子ちゃんを早く楽にしてあげたいから。」
「そう、あなたにすべてお任せするわ、薬局は向かいにあるわ。」

 私はナースのよし子叔母に浣腸をされることになりました。奥の部屋に寝かされました。この部屋がおトイレに一番近いからです。よし子叔母の他にとし子叔母も付き添います。よし子叔母が施浣を取り仕切ります。とし子叔母は単に立ち会っているのみで、いわば見学をしている風情です。
 たたみの上にバスタオルが敷かれます。
「えり子ちゃん、汚れるといけないから全部脱ぎましょうね。」
「はい。」
 よし子叔母は私のスカートを脱がせます。そして、下着も取ります。私は下半身に何もまとわない姿になりました。そして、左を下にバスタオルの上に横になります。
 そのときです、声がしました。
「えり子ちゃん、大丈夫?」
 従兄弟達の声です。 
 部屋のふすまが開いていたので、部屋に入ってきたのです。妹のゆり子もいます。よし子叔母が言います。
「えり子ちゃんはおなかが痛いから、今から浣腸をするのよ、皆静かにしていてね。」
「うん。」

 叔母は従兄弟達を部屋から追い出すことはしませんでした。私は叔母二人、従兄弟達4人(男の子2人、女の子2人)、そしてゆり子に囲まれて浣腸をされるのです。私は小学生とはいえ、もう5年生です。浣腸をされるだけでも恥ずかしいのに、見学者が多くいてさらに恥ずかしさが倍増します。ただ、おなかが痛いので、苦しさで頭がいっぱいで、ナースである叔母に私の体を委ねるだけが精一杯です。
 叔母はティシュの箱をそばに置きます。そして青い箱からいちじく浣腸器を取り出します。浣腸器2個が取り出されました。その2個とも袋を破ります。
 叔母は私の足を曲げさせます。
「おなかを楽にしてね。」
「はい。」
「きもち悪いけどちょっとがまんしてね。」
「はい。」
「入れるわよ。」
「はい。」
 従兄弟達は静かに成り行きを見守っているようです。私は気になることがあったのです。従兄弟の中で年長の隆太には私はひそかに好意を寄せていたのです。私より2才年上です。その隆太の目前で私はお尻の穴がさらしものになっているのです。それはとても耐えられないものでした。そんな私のきもちにかまわず、浣腸の行為が進みます。

 叔母は私のお尻の穴を開きました。そしてすぐにお尻の穴に違和感を感じました。浣腸器が挿入されたのです。この瞬間を隆太に見られていると思うとたまりません。
 冷たいものがお尻から入ってきました。そして、浣腸器が抜かれます。
「えり子ちゃん、もう1回します。」
 とし子叔母が言います。
「2個も使うの。」
「そうよ、病院では大人は120cc、子供は60ccを入れるのよ、これくらいでないと効かないわ。」
「そうなの、私は1個でもよく効くけど。」 
 よし子叔母は作業を続けます。私のお尻の穴は再び開かれ、また浣腸器が挿入され、冷たい液が注がれました。私のお尻は1個目の浣腸が終わった時点でかなり違和感を感じていましたが、2個目が注入されたときはもうかなりの便意を感じていました。
 私はたまらず叔母に訴えます。
「叔母様、私もうがまんできません、うんちが出そうです。」
「そう、できるだけ我慢する方がいいんだけど、それじゃあトイレで我慢しましょう。」
 叔母に促されて私は立ち上がります。下半身は裸のまま、叔母にお尻をティシュで押さえられながらおトイレに向かいます。従兄弟達が見ていたので、とても恥ずかしかったです。私は隆太には見られたくなかったので、前を手でしっかり隠しながらおトイレに向かったのです。
 私の家は古いですが、広かったのです。おトイレも広く、便器は和式で男女兼用型でした。だから、1段高い位置に便器があったのです。
 私は便器にまたがりました。二人の叔母は私の後ろで見守ります。大人が二人いても十分な広さがありました。お尻が高い位置にあるので、叔母達には私の排泄がよく観察できるはずです。浣腸をされただけでも恥ずかしいのに、排泄をまともに見られるのでなお恥ずかしくて
たまりません。ただ、ここには従兄弟達がいないのがせめてもの救いでした。

 便意が急に強くなり、私はもう我慢ができませんでした。そして排泄が始まったのです。始めに浣腸液が出たようです。それからせきを切ったようにたくさんのうんちが出ました。便器の上に自分の出したものがこんもりと盛り上がっているのがわかりました。
「叔母様、もう全部出ました。」
「えり子ちゃん、ずいぶんたくさんおなかに溜めていたのね、とてもきもちいいでしょ。」
「はい。」
「お尻を拭くからそのままにしててね。」
「はい。」
 叔母が私のお尻を拭いてくれ、それから、すべてが流されました。私はもうおなかは痛くなく、すっきりした気分になっていました。 
 叔母は結果を母に報告しました。母が言います。
「えり子、浣腸が効いてよかったわね、もう大丈夫ね。」
「うん。」
「それじゃあ、子供達はしばらく外で遊びなさい。」
 私たちは外で、自転車に乗ったり、縄跳びをして遊びました。隆太が私を自転車の後ろに乗せてくれました。そして、二人でしばらくサイクリングをしたのです。
「えりちゃん、浣腸はきつかったね。」
「うん、苦しくて恥ずかしかった。」
「でも、元気になってよかったな。」
「うん、ありがとう。」
 隆太にお尻の穴や浣腸を挿入されるシーンをすべて見学されたのはとても恥ずかしいことでした。でも、もう私はさわやかな気分になっていて、浣腸のことはあまり気にならなくなっていました。何より、隆太と一緒に居られることがうれしかったのです。

 私は中学1年生生になっていました。秋も深まった頃、父の田舎から秋の産物が多く届きました。柿、栗、お芋など私の好物ばかりです。
「ほどほどにしておきなさい。」
 という母の言葉に反して、私は自分の食欲を押さえることができません。柿やお芋をおなかにいっぱい詰め込みます。
 そして翌日、当然の報いがやってきました。朝、定期便がないばかりか、おなかがモーレツに痛むのです。私は学校を休み、母と近くの小児科に向かいます。私はもう体が大きくなっていたので、小児科には少し抵抗があったのですが、母は小児科を選んだのです。
 ここ数日寒い日が続いていたせいか、風邪の流行のきざしがあって、その小児科は朝から患者でいっぱいでした。待合室は患者と付き添いの父兄で満員で、すわる場所さえありませんでした。診察室には数組の患者が入っていて、先生は流れ作業のように次々に診断し、ナースに
処置を命じていました。

 私の診察もごく短時間で終わりました。母から症状を聞き、おなかをさわって、先生は言います。
「グリ浣してあげて。」
 グリ浣とは浣腸のことであろうことは私にもわかりました。多分こうなるだろうことは予想していました。2年前のことが思い出されました。あのときは叔母2人と従兄弟達の前で浣腸されたのでした。
 ただ、今はあのときと状況がかなり違うのです。わずか2年の違いですが、私の体には大きな変化が訪れているのです。6年生になって生理が始まりました。それに伴って体が大きく変化してきているのです。
 胸が急にふくらんできました。お尻も急に大きくなってきたのです。そして、下の部分も大きく変わってきました。前の部分は黒いものに覆われ、性器の色と形が変わってきているのです。鏡で見ると何だかとてもいやらしい形に変化しているのです。私の下の部分はもう大人のものに近づいていると実感しています。
 だから私は下半身を人に見られたくないのです。小児科ではなく内科を希望したのもこのことがあるのです。子供ではなく大人として扱って欲しかったのです。でも、もう後戻りできません。私はここであの浣腸の処置を受けなければならないのです。

 私は処置室に移動します。そこはベッドが2つあって、注射や点滴などの処置がされていました。2つのベッドでは子供が処置を受けていました。そして、この部屋にはベッドの側に折り畳み椅子が多く並んで置いていて、そこには次の処置を待つ患者と父兄が多く待機しています。当然、ベッドでの処置はよく見えます。バッドにはカーテンや仕切はいっさいありません。
 私、このベッドで処置を受けるのかしらと不安になります。椅子にはお父さんらしき人も2人いて、ベッドでの処置を興味深げに眺めているからです。私がベッドに呼ばれました。

 ナースが言います。
「えり子さんですね、浣腸をします。」
 それははっきりした大きな声でした。やはり私は見学者の見守る前でこの処置を受けなければならないのです。見学者に私の受ける処置が宣告されてしまいました。
 私は壁の方を向かされました。前の方が皆に見られないのは安心ですが、お尻の方は皆に丸見えです。壁を向かされているので、どんな処置がされるのかわかりません。下着をひざまで下ろされました。お尻が完全に露出されました。 恥ずかしさは頂点に達します。そしてすぐにお尻に浣腸器が挿入されました。そして温かいものがお尻から体内に注がれるのを感じました。
 それは5年生のときの浣腸のように冷たいものではなく、心地よい感触でした。でもそれは束の間のことでした。きもちよさはすぐに違和感に変わりました。
 お尻から浣腸器が抜かれ、お尻にティシュがあてがわれ、下着が元の位置に戻されました。私は振り返ると、ナースの手に空の浣腸器があるのが見えました。それはいちじく浣腸より大きなもので、ちょうちんのような不思議な形をしていました。そして、ノズルがとても長いのが印象的でした。あれが今私のお尻に入っていたのだわと認識すると、また恥ずかしくなりました。あんな長い物を挿入されるのを皆に見られたからです。

 私は母とおトイレに向かいました。ナースは母に便を確認するように言われたのです。おトイレでは急におなかが苦しくなって、私はあまりがまんができませんでした。おなかに力を入れると、液とうんちが混然一体となって一気に排出されました。私はお尻を拭いて、下着を戻して扉をあけ母に言います。
「お母さん、たくさん出ちゃった。」
「ほんとうね、よかったわね、看護婦さんに報告しておくわね。」
「うん。」

 私の高校生のときの思い出です。高校1年の夏休みに私は体調を崩して入院を余儀なくされました。私が住む地方の総合病院に1週間ほど入院したのです。この病院は地域の中核病院になっていて、高度医療にも対応していたので、両親が信頼できるこの病院を選択したのです。
 私の場合、手術は必要なく、点滴と投薬と安静にしておくことでで済んだので、よかったです。とはいってもベッドでじっと寝ているのも退屈で時間を持て余して困るんです。
 もうひとつやっかいなことがあります。環境が変わったこと、体を動かさないことが重なって、お通じが狂っちゃうんです。 病院では毎日、朝と夕刻にナースが巡回してきて、患者の調子を聞いてノートに記録するんです。内容は食事を残さず食べたか、熱はないか、お通じはあったか、その他痛みなどの症状はないかです。
 お通じのことを聞かれると、私の顔は曇るのです。
 入院して3日目の朝のことです。食事の後、いつものナースの巡回がありました。私のベッドサイドにやってきて聞きます。
「えり子さん、お熱は何度ですか。」
「36度5分です。」
「お食事は夕食と朝食は全部食べましたか。」
「はい。」
「お通じはありましたか。」
「それがないんです。」
「入院してからまだ一度もないんですね、それはいけませんね、主治医の先生と相談してみますね。」
「はい。」

 10時になりました。ナースが私のベッドのところにやってきました。一人ではありませんでした。他に4人も引き連れていました。その4人は名札がついていて、名前と実習生と表示がありました。私とあまり年令が変わらないのです。きっと看護学生なのでしょう。この病院には付属看護学校が併設されているのです。
 ナースが口を開きます。
「えり子さん、先生の指示でお通じをつけるために今から浣腸をかけますね。それと、実習生が見学しますのでごめんなさいね。」
「はっ、はい。」
 実習生の一人が道具の並んだトレイを押してきました。道具がいくつか並んでいます。浣腸器とゼリーのチューブとビニル製の手袋と防水シーツ、タオル、ティシュです。浣腸器はとても大きなもので、私はそれを見ると気後れがしました。ずんぐりした大きな透明容器に、長いノズルがついていて、先端に赤いキャップがついていました。
 もう一人の実習生がポータブル便器をベッドサイドに置きます。

 ナースは皆にお手本を示すように、説明口調で私に言います。見学者のために、カーテンは開いたままです。
「えり子さん、お通じが3日ないので、今から浣腸をかけます。」
「はい。」
「かべの方を向いて下さい。」
「はい。」
 ナースと4人の実習生にみつめられながら、私は指示に従います。とても恥ずかしいですが、皆と顔を合わせないのがせめてもの救いです。
「姿勢は左を下にして下さい、こうすると液が自然に直腸に入って行きます。」
 ナースが解説をします。
「下着を下げます。」
 私はパジャマと下着をひざまで下げられ、お尻が露出させられました。
「これを敷いて下さい。」
 防水シーツがお尻の下に挿入されました。
「若い女性だから露出は最小限にします。」
 ナースはそう言って、私のお尻の上部の腰に近い部分をタオルで覆います。
「必ず浣腸器の液温を確認して下さいね、体温に近くなければいけません。 熱すぎると危険です。」
 ナースは浣腸器の容器をほほにくっつけて液温を確認します。ナースは手袋を着用したようです。
「ノズルはキシロカインで十分潤滑して下さい、肛門や直腸を傷つけるといけません。」

「左手で肛門を開きます、このとき痔がないことを観察して下さい、痔があるとノズルを挿入するときに注意が必要です。この方は痔がありませんね。」
 恥ずかしい言葉の連続です。私はお尻の穴が大きく開かれた感触を覚えます。いちいち説明があるので、ひとつひとつの動作がとても長く感じられます。
「チューブを挿入します、直腸を傷つけないように、ゆっくり入れて下さい。」
 お尻にチューブが入ったことを感じました。 
「えり子さん、お尻の方に入りましたね。」
「はい。」
「女性の場合は必ずお尻の方に入ったかを確認して下さい。」
 私は浣腸器が前の部分に入ることがあるのだろうかと不思議に思います。
「えり子さん、お口で息をして下さい、アー、アーと・・・。」
「はい、アー、アー。」
「こうして、おなかの力を抜かせて下さい、腹圧が高いと液が入りにくくなります。」

「液はゆっくり注入します。注入速度が早いと便意が急に高まることがあります。」
 私は温かい液の進入を感じます。それはごくゆっくりとした流れです。
「ティシュで肛門を押さえながらチューブを抜いて下さい、こうすると液漏れが防止されます。」 
 チューブが抜かれ、浣腸が終わりました。でもこれからが大変なんです。
「ティシュでしばらく肛門を押さえてがまんさせて下さい。すぐトイレに行かせると液だけが出てしまいます。最低3分くらいはがまんさせて下さい。間に合わないときのために、ベッドの横に便器を置いておきます。」

 私は必死で便意に耐えます。もう3分くらいが経過しました。
「おトイレに行っていいですか。」
「いいですが、大丈夫ですか、ここで便器を使ってもいいんですよ。」
「いいえ、おトイレに行きます。」
「便は流さないで下さい、後でチェックしますから。」
「はい。」
 私は下着とパジャマを戻し、神妙な面もちで見学している実習生の間をすりぬけ、おトイレに向かいます。お尻にはティシュの束が入れてあるので、片手でお尻を押さえながら歩きます。
 液量がとても多いので、便意も半端ではありません。和式と表示されたおトイレの扉をあけて、便器にしゃがみ込みます。すわると同時にお尻の穴が開いてしまいました。便器の上にはおなかに蓄えた3日分のうんちがこんもりと盛り上がっています。

 お尻を拭いて、ナースコールボタンを押します。
「すぐ行きます。」
 インターホンから、先ほどの聞き覚えのあるナースの声が聞こえました。ナースと実習生がぞろぞろやって来ました。
 まずナースが便器をチェックします。
「しっかり出ましたね。」
 それから、実習生が代わる代わる便器を覗き込みます。私は恥ずかしくて、赤面してしまいました。
 最後の学生がチェックしたあと、すべて流されました。ナースが言います。
「皆さん、質問はありませんか。」
・・・・・・。
「なければ、これでグリセリン浣腸の実習を終わります。次は高圧浣腸の実習をします、患者さんは別の方です。えり子さん、ごめんなさいね、お疲れでした。」
「はぁ。」
 私はとても恥ずかしかったけれど、浣腸の実習のために少しは役に立ったとすればよかったのでは思いました。それから、ナースが最後に言った「高圧浣腸」という言葉がちょっと気になりました。「高圧浣腸って何でしょう、お尻から高圧の空気を吹き込むんでしょうか、それはちょっと怖い・・・。」と思うのでした。

 私は大学生になりました。東京でアパートを借りて、都内の女子大に通っています。 小学校、中学校、高校と浣腸を経験したので、そのことが忘れられずに、今は便秘のときは自分で浣腸をしています。
 ふだんは私、便秘はしないのですが、旅行に行くなど環境が変わったり、試験などストレスがかかる大きなイベントがあると決まって便秘をしちゃうんです。だから、ドラッグストアでいちじく浣腸の10個入りのパッケージを買っていて、必要に応じて使用しているんです。
 旅行のときは必ず1個は持参しますし、試験のとき、朝浣腸をして、すっきりした気分で試験に臨むのです。
 ただ自分でする浣腸は病院で受ける浣腸とは違って、何か物足りなさを感じます。あの恥ずかしさがないのです。わさびのないお寿司のように感じます。

 前期の試験が終わった9月のある日のことです。アパートに戻ると、部屋の照明が点灯しているではありませんか。私って割と几帳面なので、照明を消し忘れることなどないのです。部屋のドアはロックされていません。不思議に思って恐る恐るドアを開くと、何と母が来ているではありませんか。
「えり子さん、お帰えりなさい。」
「何だ、お母さん、来ていたの。」
「そう、東京に急用ができて今朝出てきたの、そして用事を済ませて、先ほどここに着いたのよ。」
「それなら携帯で電話してくれればいいのに・・・、と言ってもキャンパスは携帯電話の使用は禁止だから、連絡してもだめだったけど・・・。」
「一応電話はしたけど。通じなかったわよ。」
「そうなの。」
「あなたが元気そうだから私、安心したわ、遅くなるからもう帰るわ。」
「今晩泊まっていけばいいのに。」
「明日の朝、また用事があるの、今晩中に帰らなければならないわ。」
「そうなの、仕方ないわ。」
「ケーキを買っておいたから食べてね。」
「ありがとう。」
「ところで、あなた、おなかの調子がよくないんじゃないの。」
「えっ、どうして?」
「机の上にいちじく浣腸が置いてあったわ。」
「ああ、あれね、今日まで試験だったでしょ、緊張して便秘してたの。」
「そうなの、一度お医者様に診てもらう方がよいわよ。」
「大丈夫よ。」
「来週から2週間、大学は休みだから久しぶりに帰省するわ。」
「何日に帰るの。」
「*月*日の予定よ、ただし変更になるかも知れないわ。」
「そう、待ってるわね、お父さんもきっと喜ぶわ。」

 そして、翌日母から電話がありました。
「えり子さん、お父さんもあなたの体調を心配してたわよ、お父さんと相談したんだけど*月*日に##胃腸科病院に検査の予約を入れたわよ、ちゃんと受診するのよ。」
「えっ、私大丈夫よ。」
「そう言わずに、ちゃんと一度検査を受けるのよ。」
「わかったわよ。」
 私は母は余計なことをするものだと思いました。しかし、母の計画を受け入れることにしました。私の便秘症の検査なので、もしかして・・・、ある期待があったのです。

 私は今、故郷への帰省の途中です。東京駅発の新幹線に乗っています。明日、私は##胃腸科病院でおなかの検査を受けるんです。母が予約をしてくれたのです。
 本来もっと早く帰省する予定だったのですが、友人達と休みを利用して小旅行に行っていたのです。母からの情報だと、病院へは2、3日前に行って事前の診察を受けるようにとのことでした。しかし、先の理由で、前日の晩の直前の帰省となったのです。
 検査の前日の夕食は、母によると病院の指示で麺類にするようにとのことだったので、私は東京で新幹線に乗る前に五目ラーメンをいただきました。私好みの野菜がたっぷり入ったラーメンでした。それから駅の売店で私は好物のヨーグルトをデザートとして買って新幹線に乗り込みました。
 わが家に着いたのは9時を回っていました。母が早速病院からもらったパンフレットを私に渡します。
「明日は大腸の検査だからこれをよく読んでおくようにね。それから当然明日の朝食はなしよ。」
「うん、わかったわ、私、お風呂に入るわ。」

 お風呂から上がった私は病院からもらったパンフレットに目を通します。

    ##### 大腸カメラを受診される方へ #####

<食事について>
 前日の夕食は次のものはお控え下さい。
野菜類、特にキノコ、海草など消化の悪いもの。
乳製品はおなかに残りやすいので、食べないで下さい。
トマトやキュイ、いちじくなど種のあるものはお控え下さい。
具のないうどんやごはんがおすすめです。
 朝食は食べないで下さい。
水は飲んでもかまいません。

<下剤の服用について>
 就寝前にお渡しした錠剤を2つ飲んで下さい。
朝起きたら液体の下剤(ラキソベン)を水に溶かして飲んで下さい。
 病院では大腸洗浄液1.8Lを飲んでいただきます。
便に色やかすがなくなったら検査ができます。
便の状態によっては高圧浣腸をする場合があります。

<服装>
 軽快な服装で来院下さい。

    ##########################

 私、野菜をたっぷりとりました。シイタケやキクラゲなどキノコも食べました。それに乳製品であるヨーグルトを1カップを食べました。それに下剤をもらっていないので飲めません。 
 パンフレットの最後の高圧浣腸という語句がとても気になりました。高校生のとき、入院中にナースが言っていたのを思い出しました。その晩は検査のことや高圧浣腸のことが気になってあまり眠れませんでした。

 私は大腸の検査を受けるため、朝食抜きで病院へ向かいます。家を出るとき、母がティシュとタオルと替え下着の入った紙袋を渡してくれます。健康保険証も持参します。
 受付で名前を言うと、「今日は大腸カメラですね、係りのものがご案内します。」と言われました。

 ナースに名前を呼ばれると、2階の準備室という部屋に通されます。そこはソファータイプの椅子と小さな机が並んでいて、TVも備えられています。ラックには新聞や雑誌が置いてあります。ちょっとした応接室の雰囲気です。しかも男女が別室になっています。
 そこに一人の若い女性がナースと一緒に現れました。おや、見覚えのある顔です。
「えり子じゃない、どうしたの。」
「まさ子こそ、どうしたの。」
「今日は大腸カメラなの。」
「私もそうなのよ。」
「偶然ね。」

 高校時代の友人のまさ子でした。ナースが言います。
「まさ子さんにえり子さん、今から大腸カメラの準備の説明をします。」
 ナースは大腸洗浄液の飲み方、そして3度目の排便から流さずにナースのチェックを受けること、便がおしっこのように透明になったら検査が受けられること、検査前に穴あきのパンツをはくことなどの説明がありました。
 私とまさ子は早速、大腸洗浄液1.8Lを飲み始めます。ポカリスエットに似た味ですが、決して飲みやすいものではありません。これを1時間かけて飲まなければならないのです。ビール味なら飲めるのに・・・と思います。
 私はお薬を飲みながら、母にいちじく浣腸を発見され、そのためこの検査を受ける羽目になった経緯をまさ子に説明しました。彼女はおなかをかかえて笑いました。
 そして、ちょっと真剣な表情に戻って彼女は私に話を始めます。
「私、潰瘍生大腸炎になっちゃたの、そして大学病院に入院して治療を受けたの。かなり回復したので、自宅に戻って、この病院で1か月に一度検査を受けるの。」
「そうなの、それは大変ね。」
「えり子はこの検査は初めてなの。」
「そうなの、苦しい検査なの?」
「このお薬を飲むのが苦しいけど検査中は眠らされているので、何ともないわ。」
「そうなの、まさ子は何度も検査をうけなければならないから大変ね。」
「もう慣れたから大丈夫よ。」
「お尻にカメラを入れるから恥ずかしいよね。」
「それも眠っているからわからないので大丈夫よ、でも大学病院では大変だった。」
「そうなの。」
「学生が検査に立ち会って、見学するのよ。」
「へぇ、そうなの、見学があるの。」
「はじめに直腸の指診があるの、指をお尻に入れられるの、はじめに先生が入れるの、それから学生が交代でそれぞれ私のお尻に指を入れて検査をするのよ。」
「そうなの、それはとても恥ずかしいわね。」
「お尻からカメラを入れて、モニタで学生に説明があるの。」
「おなかの中まで皆に見られるのも恥ずかしいわね。」
「ここは盲腸です、ここは横行結腸です、これは肛門ですとか言われるの。」
「そうなの。」
「これが潰瘍ですとか内痔核がありますと言われ、はずかしかったわ。」
「ふ〜ん。」
「私は実験台か教材のようだったわ。」
「でも、教育に貢献したことになるわ。」
「大学病院だから仕方ないわね。」

 大勢の見学者にお尻を露出したそんなまさ子がかわいそうでした。でも、もう明るい表情に戻っていました。とてもかわいい子なので、早く健康を取り戻して欲しいです。

 私は大腸カメラの検査を受けるため、準備室で大腸洗浄液1.8Lを飲みます。偶然、高校時代の同級生のまさ子も同室で一緒に洗浄液を飲みます。飲み始めて30分、まさ子が早くもおトイレに向かいます。私には便意が訪れません。まさ子が戻ってきました。
「まさ子、もう出たの?」
「そうよ、これを飲むと6〜8回くらいトイレに通うことになるわ。」
「そうなの。」
「5度目くらいでオシッコのような透明の便になるわ、それをナースに見てもらって、検査オーケーの許しが出るのよ。」
「そうなの、それじゃあ頑張って飲まなければならないわね。」
「そうそう。」
 それから間もなくまさ子はもう4度おトイレに行きましたが、私はまだ出ません。もう1.2Lも飲んでいます。私は前日下剤を飲まなかったことをまさ子に報告します。まさ子が言います。
「このお薬はあまり効かない人もいるようよ、あなたもそうかも、それにその日の体調にもよるようだし・・・。」
「えっ、それじゃあ検査が受けられないわ。」
「心配ないわよ、そのときは浣腸があるから・・・。」
「えっ、浣腸をされちゃうの。」
「そうよ、ただし普通の浣腸ではないわ。」
「どんなのよ。」
「高圧浣腸よ。」
「えっ、それって名前は聞いたことがあるけど・・・。」
「ちょうど点滴のように、大きなびんを上につるして、そこから肛門にチューブで液を大量に入れるのよ。」
「えっ、やだ、そんなの。」
「大丈夫よ、私、もう何度も経験したわよ、それほど苦しくないわよ、むしろ、きもちいいくらいよ。」
「恥ずかしいわ。」
「一度経験すると、もう慣れるわ。案外やみつきになるかも・・・。」
「そうかな。」
 まさ子は1時間後に6度目のおトイレに行ったとき、ナースから便は合格であることを言われました。

 ナースが部屋にやってきました。
「まさ子さんはもう検査を受けられます、更衣室で検査着に着替えて下さい。下着は着用しないで、このパンツをはいて下さい。穴のあいた方がお尻になるようにはいて下さい。その上にこの検査着を着用して下さい。えり子さんは便は何回でましたか。」
「まだ1度も出ていません。」
「そうなの、それではお薬を飲むのは中止して下さい。別の処置に切り替えます。」
 ナースはそう言って、部屋を出ました。
 まさ子が言います。
「私はもう間もなく検査よ。えり子、多分浣腸よ、頑張ってね。」
「いやだな、浣腸なんて。」
「心配ないから、騒がずに静かにしてもらうのよ。」
「う〜ん。」

 ナースが再びやってきました。
「まさ子さんとえり子さん、血圧の測定をします。」
 まさ子と私は血圧を測定してもらいます。もちろんどちらも問題ありません。
「まさ子さん、点滴をしますね。そしてこれから検査室に移動します。」
 まさ子は点滴を打たれました。
「えり子さんは悪いですがこれから浣腸をします。女性用のトイレで待っていて下さい。」
「はい。」
「まさ子さん、行きましょう。」
「はい、えり子、頑張ってね。」
「うん、まさ子もね。」

 私は女子用トイレの前で待ちます。何だか不安でとてもやるせないきもちです。今回は準備不足を痛感します。事前に下剤を飲まなかったからこうなったのだと思いました。おなかにお薬が1Lもたまったままなので、不愉快な気分です。
 しかし、一方淡い期待のようなものもあるのです。まさ子が言うように私は浣腸を宣告されました。しかもどうやら普通の浣腸ではなく、高圧浣腸というものらしいのです。浣腸があるかもしれないわと自覚はしていたのです。
 いや、実は正直なきもちは浣腸を期待していた節があるのです。でも、私は高圧浣腸と聞いてかなりおびえていて、尻込みしているのも事実です。

 ナースが道具をかかえてやってきました。大きなガラス容器と長いチューブのようなものをもっています。とても仰々しいもので、何だか怖くなってきました。
「こちらのトイレに来て下さい。」
 私とナースは車椅子用の広い洋式トイレに入ります。入口のアコーデイオン式のカーテンが開かれます。洋式便器の横に鉄製のスタンドが立っていました。点滴用の台に似ています。
 ナースはそのスタンドにガラス容器を掛けます。後で知ったのですが、それはイルリガートルという器具だそうです。ガラス容器の先端はすぼまっていて、そこに長いあめ色のゴムチューブが接続されています。長さは1.5mくらいもあります。そしてその先端には黒色のノズルがついています。それは流線型をしたかなり太いものでした。きっとこれが私のお尻に挿入されるのでしょう。その太さに私は圧倒されます。

「ここで待っていてね、また来ます。」
 ナースはそう行ってまた出ていきました。私はまた一人になりました。スタンドに掛けられた大きなイルリガートルと太いノズルを眺めると、胸がどきどき高鳴るのを覚えます。
 容器はまだ空ですが、それはとても大きく、こんなにたくさんの液がおなかに入るのかしらと不安になります。しかもノズルが太いので、お尻が穴は壊れないかしら、不安倍増です。
 ナースがやってきました。片手に大きな液がいっぱい入ったピッチッヤーを、もう一方の手にはティシュの箱をもっています。
 彼女は腕を伸ばしてピッチャーの液をイルリガートルに移します。イルリガートルがいっぱいになりました。液面が目盛りの1Lのところまで上昇しました。

 ナースは手慣れた手つきで準備を進めます。どうやらこの処置はかなりひんぱんに行われるように感じます。私は不安げにナースに問いかけます。
「それはグリセリンですか。」
「いいえ、ぬるま湯ですよ。」
「全部入れるんですか。」
「そうですが、苦しくなったら途中で止めますから、遠慮なく言って下さい。」
「はい。」
 ナースは胸まであるビニルのエプロンを着用しています。そしてビニルの手袋を着用しています。その重装備とも思える姿を見ると、もしかしてお尻から液が噴き出すこともあるのかしらと余計なことが頭の中をかけ巡ります。
「えり子さん、それでは今からおなかを洗いましょう。おなかが汚れていては検査ができませんので、きれいになるまで浣腸をして洗います。」
「はい。」
「衣服が濡れるといけないので、全部脱いで下さい。」
「はい。」
 私は衣類を脱ぎ始めます。上着を取ります。
「あっ、ブラジャーはそのままでいいですよ。」
「はい。」
「下は全部脱いで下さい。」
「はい。」
 私は脱いだ衣類をかごに入れます。

 私はブラジャーをつけただけで、ほとんど全裸の状態になりました。
「立ったまま壁を向いて、この手すりをもって下さい。」
「はい。」
「お尻を私の方にに突き出して下さい。」
「はい。」
「今から始めます。」
「あのう、ノズルが大きいようですが、お尻に入るんでしょうか。」
「あっ、大丈夫ですよ、途中肛門から抜けるといけないので、ちょっと太いですけど。ゼリーを十分塗りますからご心配なく。」
 ナースはポケットからゼリーのチューブを取り出して、丁寧にノズルに塗り込みます。黒いノズルがぴかぴか光っています。ナースは腰をかがめて、私のお尻の近くに顔を近づけます。そして、私のお尻の穴を開いて、あの太いノズルをゆっくり滑り込ませます。心配していたほどではなく、さしたる抵抗もなくノズルはすんなりと私のお尻の中に潜り込みました。
 私はお尻にノズルが挿入されたことで、浣腸が始まるのを実感します。
「あ〜あ、私、浣腸されちゃうのね・・・。」
「液を入れますが、苦しくなったら言って下さいね。」
「はい。」
 ナースはチューブのストッパーをはずします。チューブに液が入って、ゆっくり振動します。同時に私はお尻に少し温かいものを感じました。イルリガートルの液面がごくわずかずつ下がっていきます。

「ちょっと遅すぎるかな、えり子さん、膝を曲げて、腰を下ろしてお尻をもっと下に下げて下さい。」
「はい。」
 私はお尻にノズルを入れたまま、しゃがみ込むような姿勢を取らされます。みっともない姿勢です。ちょうど和式の便器にしゃがむようなスタイルです。
 お尻の位置が30cmほど下方に下がりました。そのせいで液面が下がるスピードが前より速くなりました。
「それでいいですよ、苦しくありませんか。」
「いいえ。」
 私は苦しくはないですが、全裸に近い状態で、お尻にノズルが挿入されていて、しかもへっぴり腰のようなスタイルを取らされているので、恥ずかしく、情けないきもちです。
 私、これでもうら若き乙女なんですよ。こんな状態を他の人には絶対に見られたくないです。彼氏にこんなシーンを見られたら、もう確実に交際を断られてしまうことでしょう。

 液面が半分くらいになりました。少しおなかに違和感を感じ始めます。しかし、不思議な感覚です。決してきもち悪くはなく、逆に心地よい感覚です。
 私は思います。
「これが高圧浣腸なのね、名前ほどすごくもなく、苦しくもなく、これって悪くないわ、むしろいいわ。それに普通の浣腸よりずいぶん時間が長く、私は今浣腸をされているんだわと実感するのに十分ね。」
「もうすぐ終わります、抜きます。」

 ノズルが抜かれました。
「あまりがまんしなくていいですよ、ただしチェックしますから流さないでね。」
「はい。」
 あまり苦しくなく、むしろ心地よいような感覚のまま、私は便器に腰掛けます。しばらくすると急に便意がやってきました。私ががまんでず、流れにさからわず、自然にお尻の穴が開きました。
 すごい放水が続きました。洗浄液1Lが残ったままの上、加えてぬるま湯1Lがおなかに注入されたのです。それにおなかのうんちも加わったので、すごい排泄となってしまいました。
 これを流せないのはつらいです。仕方なく、ナースコールボタンを押します。
 あのナースがやってきます。
「おや、たくさん出たわね、シイタケやニンジンが出てるわ。それにツブも多いし、困ったわ・・・。」
「そうですか。」
「悪いけど、また浣腸をします、ここで待っていてね。」
「はい。」
 私は昨日の夕食を反省します。
「野菜や乳製品はだめだったんだわ、でも知らなかったからお許しね。」

 私はまた続けて高圧浣腸を受けなければなりません。あのナースがまたピッチャーをかかえてやってきました。そしてもう一人、中年のナースが一緒に来ました。 眼鏡をかけたそのナースはベテランで責任者のようです。そして私に言います。
「えり子さん、便の状態がよくないそうですね、このままでは検査ができないので、きれいになるまで続けておなかを洗います、いいですね。」
「はい、お手数をおかけしますが、お願いします。」
 若いナースがまた高圧浣腸の準備をします。責任者のナースはその様子を見守ります。準備ができました。

 再び私は高圧浣腸を受けます。ベテランナースが後ろで見守ります。見学をしているのか監視をしているのかわかりませんが、手は出さず、ただ眺めているだけです。
 私はみっともない姿を見られたくないのですが、そのナースは後ろに立ったまま動きません。不格好な姿でお尻にノズルを挿入された私は、2人のナースに見つめられながらゆっくりとした注入の時間を、恥ずかしさと背後に視線を感じながら過ごします。やがて私の2回目の高圧浣腸が終わりました。
 うんちはまだ汚れています。色が濃い上、つぶが多く残っています。シイタケやキクラゲの断片もあります。
 2人のナースが私の排泄物を入念にチェックします。そしてまた浣腸の繰り返しを私に申し渡します。
 私は悲しげな表情をしますが、高圧浣腸が思ったよりきもちよく、しかももう恥ずかしさにも慣れて、内心はとてもハッピーなきもちに変わっているのです。
「何度でも浣腸を受けたいわ。おなかがぴかぴかになるまで・・・。」

 結局、ベテランのナースは毎回立ち会って、計6回の高圧浣腸が繰り返されました。やっと検査オーケーが出た私は更衣室に戻り、穴あきのパンツを着用して大腸カメラの検査を受けました。ほっとしたと同時に、ちょっと寂しくも感じたのです。
 検査は眠らされて受けたので、どういう風にされたのかまったく記憶にありません。目が覚めたとき、おなかに空気がいっぱいたまっていて、苦しかったです。検査のとき、空気も大量に注入されたようです。
 お尻に手を触れてみると、ゼリーがべっとり付着していました。浣腸が終わったとき、きれいに拭いたので、きっとカメラを挿入したときにまたゼリーがお尻に付着したのでしょう。
 お尻のゼリーとおなかの空気が私が大腸カメラを受け入れたという証拠なのですね。

 検査結果は異常なしでした。私は検査を受けるまでにずいぶん時間がかかったので、とうとうまさ子とは顔を合わせることはありませんでした。
 検査結果は異常なかったですが、すごいスタイルで高圧浣腸を受けたことが大きなショックでした。でも、高圧浣腸そのものはとてもソフトで心地よく、また機会があれば是非経験したいと感じたのでした。
 ずいぶん長い1日でした。

 私、初めて高圧浣腸を経験したのですが、あのときの感動(浣動?)が深く胸に刻まれて忘れられません。あの太くて長いノズルの挿入、持続する温かい液の感触、長い注入時間、ナースとの接触時間の長さ、そして大量のきもちよい排泄、そしてそれ全部の数回の繰り返し、そのどれもが普通の浣腸をはるかに超越しています。私は高圧浣腸のとりこになってしまったようです。
 女子大の後期試験が終わって春休みになりました。私、またあの経験をしてみたくなったのです。そう、病院での高圧浣腸です。実家で経験するわけには行かないので、東京で決行することにしました。
 住んでいるアパートの近辺の病院を探します。大きな病院は気後れするし、かと言って小さな個人病院では面倒なことはしてくれないでしょう。
 私は電話帳で病院を検索します。中規模の胃腸科病院を選びました。診察項目は胃、大腸、肛門となっています。胃がん、大腸がん検診可、内視鏡検査設備あり、痔の手術可、入院設備有りという病院です。

 受付で私は便秘と下痢の繰り返しという症状を問診票に書き込みます。先生はどの方がいいですかと問われます。初診なのでわかりませんというと、そうですかと言われました。どうやら先生が数人おられて、選択できるようです。
 私の名前が呼ばれ、*番の診察室に入るようにとのことでした。先生は40台の半ばの方です。ナースが2人います。問診のあとベッドに横になります。私は着衣のまま、おなかを先生に触れられます。
「ちょっとガスが溜まっていますね。」
「はい。」
「便秘の原因は多くあります。単純性のものから、ややこしいものまでいろいろ原因があります。 詳しく検査をしなければ原因を断定できません。今日はお尻を診ますが、大腸カメラを予約して下さい。」
「はい。」

 私はベッドで横向きの姿勢を取らされます。
「失礼します。」
 一人のナースが私の下着を下げます。もう一人のナースはベッドの位置を電動で高く上げます。ナースは私の体に触れ、膝を曲げさせます。
 先生が言います。
「お尻を診ます。きもち悪いですがちょっとがまんして下さい。」
「先生の人差し指にはゴムの袋がかぶさっています。」
「ごめんなさい。」
 そう言って私のお尻に先生の指が挿入され、お尻の内部を指が動きます。奇妙な感触です。うんちがしたい感触に襲われます。
「うっ、うっ。」
 思わず声が出ます。指が抜かれます。
 ナースが別の器具を先生に渡します。
「肛門鏡が入ります。」
「はい。」
 冷たい感触をお尻に感じます。それからお尻の穴が無理矢理に開かれた感触を感じます。今、お尻の内部を見られていると思うと、恥ずかしくてたまりません。うんちも見えるに違いありません。しばらくして器具が抜かれました。
「便が溜まっていますが、直腸と肛門付近は異常がありません。」
 先生がクールに言います。
「やはり、うんちを見られたのね。」
 私はまた恥ずかしくなってしまいました。ナースがお尻を拭いて、私の診察が終わりました。

 私への一連の診察行為がごく自然に流れるように行われました。これらの医療行為はこの診察室では当たり前のことなんでしょうが、一般的には私はすごい行為を受けたんですね。
 若い女の子のお尻の穴を強制的に開いて、指や器具が挿入されて、お尻の穴の内部を触られたり、観察されたりしたのです。とても恥ずかしいはずですが、私はパニック状態になっていて、それを実感することができません。「彼氏が横に付き添っていたらどうなるんだろう、私は会わす顔がないわ。」 また余計なことを考えます。
 私は大腸カメラの予約をし、ナースから食事の注意を教えられ、下剤をもらって病院を後にします。

 今日は金曜日です。明日は大腸カメラの検査を予約している日です。
 私は前回のことを思い出しました。一緒に受けた友人のまさ子は検査の前処置が順調でした。高圧浣腸など必要なかったのです。あれは前日の食事の注意を守って、しかも渡された下剤をきちんと飲んだ結果、そうなったのでしょう。
 私はと言えば、前日の夕食に乳製品や野菜を食べて、下剤も飲まなかったのです。もし、病院の指示通り、夕食に具のないおうどんを食べ、下剤を飲んでいたら、高圧浣腸はなかったでしょう。
「そう、そうなのよ、大腸カメラの検査は名目で、私の真の私の目的は高圧浣腸を受けることにあるのよね。そのためには実績のある前回のようにしなければならないわ。」
 私の夕食は再び野菜たっぷりの五目ラーメンで、デザートはチーズとヨーグルトになりました。下剤も遠慮しました。

 翌日、私は病院を訪問し、準備室で大腸洗浄液を飲まされます。今回は30代と40代の女性が一緒です。お二人とも洗浄液を飲み始めると、快調におトイレに通います。そして、飲み始めて2時間くらいで、もう検査O.K.の許可が出たのです。私はといえば、2回だけおトイレに行ったのみです。もちろん、便はまだ汚れていて、ナースのO.K.は出ません。
 午後1時になりました。準備室は私一人が取り残されました。ナースがやってきて、体を動かすように言います。
「体を動かすと腸も活動するのよ。」
 私は院内の廊下を歩いたり、階段の上り下りをします。しかし、いっこうにおトイレの回数は増えません。
 またナースがやってきて、私の様子を聞きます。
「その後お通じはありましたか。」
「いいえ、まだなんです。」
「おなかのマッサージをしてみて下さい。」
「はい。」
 私は指示されたように「の」の字を描くようにおなかをマッサージしますが、一向に効果はありません。

 もう午後3時になりました。私はそろそろ浣腸の指示が出るのを期待していました。ナースがやってきて、また様子を聞きます。
「お通じどうですか。」
「まだないんです。」
「そうですか、それではお通じが来るようにしましょう。」
「いよいよね。」
 私の期待は高まります。ナースがやってきました。手にしていたのはイルリガートルではなく、ペットボトルでした。私の期待は見事に裏切られました。
「えり子さん、大腸洗浄剤を追加して1Lを飲んで下さい。」
「はい。」
 どうやらこの病院では浣腸はしない方針のようです。
「前に受診した病院はすぐに高圧浣腸の指示が出たのに・・・。」
 1Lを追加して飲みましたが、1回おトイレに行っただけです。ナースに便のチェックを受けましたが、もちろん不合格でした。

 午後4時を過ぎました。ナースがやってきます。
「えり子さん、その後どうですか。」
「はい、あれからまだ出ません。」
「えり子さん、今トイレでまだ出そうですか。」
「いえ、出そうにありません。」
「そうですか、大腸カメラの他に超音波検査と心電図、X線検査もあります、困りましたね。」
 ナースはそう言って、戻ります。
 すぐにまたナースが急ぎ足でやってきます。
「えり子さん、検査着に着替えて下さい、着替えが終わったらナース室に来て下さい。」
「はい。」
 私は下着をすべて脱ぎ去り、後ろに穴のあいたパンツを着用します。そして検査着をまとって、ナース室に向かいます。もう午後4時を過ぎているので、院内はナース以外は人影がなく静かです。何があるんだろうと私は不安になります。
 私はナース室の隣の処置室に入るように言われます。胸騒ぎがしました。ナースが言います。
「えり子さん、検査を受けるために今から、お尻にチューブを入れて、おなかを洗います、いいですか。」
「は、はい、仕方ないです。」

 やっとのことで、私に念願の高圧浣腸の施行の指示が下されたのです。前の病院ではすんなり高圧浣腸の処置に移行したのですが、この病院は違っていました。さんざん待ってやっと得た幸ウンです。高圧浣腸をしてもらうことは半ばあきらめていたのです。うれしい限りです。その喜びをひた隠しにして、悲しげな表情で処置室のベッドに横になります。
 私の表情はまるで悲劇の中のヒロインのようです。それはそうでしょう。
 若い女の子のお尻の穴に長いノズルが挿入され、大量の水が注がれようとしているのです。これは悲劇のはずです。でも私の内心は喜びの絶頂にあるのです。私にとって、高圧浣腸は大歓迎なのです。今日病院に来た目的がこれなのです。

 ナースがイルリガートルをもってきました。前回とは違って施浣場所はおトイレではなく、この部屋のようです。前の病院のものはガラス製でしたが、今回はプラスチック製です。大きさはやはり1Lの大きなものです。よく見ると、その大きさと存在感に圧倒されそうですが、大きな期待もあります。
 私はイルリガートルに、心の中でささやきます。「あなたのおかげで、私、またきもちいいい感触を長く味わうことができるの、どうかよろしくお願いします。」
 私の不安そうな表情を察してか、ナースが言います。
「この浣腸は普通の浣腸と違って量が多いですから、途中でお通じがしたくなったらそう言って下さいね。いつでも止めますから。これをしないと検査ができないので、しんぼうして下さい。 トイレでは流さず、私を呼んで下さい。もしお通じがきれいでないときは、この浣腸を繰り返します。苦しいかもしれませんが、ごめんなさいね。」
 丁寧な説明です。願わくば、もうちょっと早く、これをして欲しかったです。
 前回と違うのはノズルの形状です。前回は黒く太めのものでしたが、今回はオレンジ色のゴムの管で、長いですが、あまり太いものではありません。先端部に穴があいていて、ここからお尻に液が注がれるのです。ノズルというよりはカテーテルと呼ばれているもののようです。

 私は横向きに体位を変えます。ナースと私だけだし、周りが静かなので、落ち着いて浣腸が受けられます。穴あきのパンツが下げられます。私はお尻に神経を集中させます。
「失礼します。」
 ナースがそう言ってお尻にチューブが入ります。ナースはチューブをぐいぐいと押し込みます。私のお尻の中に長いチューブがするすると進みます。ずいぶん奥深く押し込まれた感触があります。30cmくらいも入ったかも知れません。
「入れます。」
 おなかが温かく感じます。お尻の近くではなく少し奥の方なので、鈍い感覚しかありません。
「熱くないですか。」
「いいえ。」
「入っているのわかりますか。」
「はい。」
「苦しくないですか。」
「いいえ。」
「液を飲む方が苦しいくらいで、それよりは楽です。」
「そうですか、それはよかったです。」

 そのときです。隣のナース室で男性の声がします。
「検査の患者さん、まだ来ないんだけど、どうなってるの。」
 別のナースが答えます。
「便がなかなかきれいにならないのよ、今、隣で処置中よ。」
「そう、様子を見ていいかな。」
「どうぞ。」
 私の高圧浣腸は今始まったばかりです。白衣を着た男性2人が私のそばに入ってきました。ナースに問いかけます。
「浣腸しているの?」
 ナースが言います。
「待たせてごめんなさいね、便が残っているので時間がかかっているの、今高圧を始めたばかりよ、しばらく時間がかかるわ、待たせてごめんなさいね。」
「そうか、これが最初?」
「そう、多分数回しなければならないわ。」
「そう。」
 男性2人は検査技師のようです。私が検査に来ないので様子をうかがいに来たのです。
 またもや見学者が現れました。私の浣腸シーンには不思議なことに、必ず見学者がつきもののようです。しかも、今度は男性二人です。医療関係者とはいえ、私はこんな場面を見られて恥ずかしいです。

 まさに今高圧浣腸の最中なのです。私のお尻の穴にカテーテルが深く挿入され、イルリガートルからトクトクと液がおなかに注がれているのです。
 でも、出て行ってなどとは言うことができません。私はそれどころではないのです。 おなかに液がもう半分入っていて、違和感を感じ始めているのです。男性2人は私が浣腸されているのをそのままじっと見ています。
 ナースが言います。
「えり子さん、大丈夫ですか、お通じに行きたくないですか。」
「まだ、大丈夫です。」
 私はか細い声で答えます。
「もうすぐ終わります。」
「はい。」
 その声を聞き、男性二人はやっと部屋から退出しました。チューブが抜かれました。抜くのに少し時間がかかったので、やはりチューブは深く挿入されていたのです。
 すぐ私はおトイレに向かいます。あまりがまんできずに、和式便器に大量の排泄をしました。1Lもお湯を注入されていたので、とても恥ずかしいほどすごい排泄でした。さらに恥ずかしいことに、お通じはまだつぶが多く、汚れていました。「きっともう一度浣腸されるのね。」私はそう思いながら、ナースコールをしました。

 結果は明らかでした。私は再度ベッドの上の人になりました。そして、またあのチューブの挿入感を味わい、液をおなかにたっぷり入れてもらったのでした。
 2度目、3度目、4度目、そして5度も高圧浣腸をたんのうしたのです。とても幸せな気分でした。私は所期の目的を十分果たせたと思いました。
 ただ、2度目以降は見学者はなく、逆にちょっと刺激がたりなかったかなとも思ったのです。その分、ナースとお話をする余裕もありました。若いナースですが、自身も高圧浣腸と大腸カメラを経験したことを私に告げたのでした。ただ、やはり恥ずかしいらしく、この病院ではなく別の病院で検査を受けたそうでした。

 5度の高圧浣腸で合計5Lのぬるま湯を私はおなかに注がれたのです。おなかはぴかぴかになりました。すがすがしいきもちです。最近、大腸洗浄施設で行われる大腸洗浄と同じ効果が得られたのです。若い女性の間で大腸洗浄の人気が出ている理由が理解できる気がしました。
 高圧浣腸を何度も受けられたのはやはり前の晩の食事の効果があったようです。医療機関の方には申し訳ないという後ろめたさも感じて、反省もしています。
 いよいよ大腸カメラです。高圧浣腸の余韻が残っていて、私のテンションはハイの状態にあります。とても興奮しているのが自分でもわかります。
 ナースと一緒に検査室に移動します。大腸カメラの検査の前に心電図、超音波、腹部X線撮影がありました。担当は私の浣腸を見学したあの技師2人でした。
「えり子さん、高圧浣腸は大変でしたね。」
「はい、とても恥ずかしかったです。」
「病院の中では恥ずかしいと思う必要はないですよ。すべて検査や治療のための医療行為ですから。」
「そうですか。」
 理屈や建前は確かにそうかも知れませんが、やはり若い女性の場合、性器やお尻の穴への処置、特に浣腸のシーンなどを見られるのは、それがたとえ医師、ナース、検査技師であれ、超々恥ずかしいことなのです。
 検査技師さんと、こういうやりとりがあってとても恥ずかしかったです。何しろ、現実に私の浣腸シーンをじっくり見学されたのです。しかも、異性なのです、恥ずかしくないはずがないですね。

 いよいよ大腸カメラです。ベッドに横向きになります。腕に点滴が打たれます。指に心拍計が接続されます。ベッドの位置が電動で高くされます。ナースが注射器を2本準備しています。
「まず、腸の働きを抑える注射をします。」
「はい。」
「安定剤を打ちます。すぐ眠くなりますが、眠ってかまいません。」
「はい。」
 安定剤を打たれると、私はボッ〜とします。しかし眠ってはいません。興奮しているせいでしょうか。不思議な感じです。意識は残っていて、ちょうど半分眠っているような感覚です。目は見えます。やはり高圧浣腸のおかげでしょうか。
 部屋のライトが消され、うす暗くなりました。モニタがはっきり見えます。先生が私の背後に立ちました。そのときです。あの二人の検査技師も先生の後ろに立って見学をしています。

 また私には見学者が付くのでした。お尻の穴にゼリーが塗られました。先生の指が入ってきました。お尻の中をしばらく指が動きます。お尻の感覚も眠っていなく、感度は悪くありません。触診の感覚をしっかり楽しみます。
 最初は直腸の検査から始まるんですね。ただ、これをまた2人の技師に見られるのは情けないです。
 それからカメラが入ります。カメラは決して細くはないですが、するすると抵抗なく入ります。先生がナースに言います。
「ずいぶん前処置が長かったんだね。」
「ニフレックを1L追加して、その後高圧を5回しました。」
「そう、かなり便秘症なんだね。」
 そのやりとりを聞いて、恥ずかしかったです。カメラが進む途中、おなかに少し違和感を感じましたが、無事に奥まで入ったようです。カメラを戻しながら、先生は写真を何枚も取ります。
 モニタにはピンクのトンネルのような私の大腸がはっきり写っています。まるでSF映画を見ているようです。高圧浣腸のおかげで、内部にはうんちやかすは全くなく、淡いピンク色でとてもきれいです。

 検査技師2人もモニタをしっかり見ています。お二人は真剣な表情です。勉強をしているんですね。興味本位の見学ではないようなので、私の検査の見学を快く許すことにしましょう。
 カメラが最後の部分に来ました。カメラが反転されて、私の肛門部がアップでモニタに写し出されました。ヒダのひとつひとつが明瞭に写っていて、また恥ずかしくなります。
「痔核もないね。」
「どこもまったく問題なし、きれいなもんだ。」
 先生はそう言って、カメラを引き抜きました。

 私はしばらくベッドで休んだ後、先生から検査結果を聞いて、病院を後にしました。検査の様子がわかりましたし、結果が異常なくてよかったです。それに、最大の目的である高圧浣腸を5Lもたんのうできたのです。
 高圧浣腸はやみつきになりそうです。それにしても不思議なのは、いつも私が浣腸を受けるとき、必ず見学者が現れるということなのです。
 でも、これはこれで悪くないわと思います。私の体が医学の勉強のために少しは貢献しているのだし、見られるということは恥ずかしいことだけど、エキサイティングなことでもあるのです。ナースと1:1での浣腸はちょっと物足りないかも知れません。


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