SPACE銀河 Library

作:えり子

目 覚 め

目覚め <下>

(その22)

 高校時代はピアノの練習に熱が入り、また文芸クラブに所属していたので、
文集や詩集の編集などに気がまぎれ、お尻や浣腸のことは忘れかけていました。
もちろん私自身も病院で浣腸をされる機会もなかったのです。
 ところが、友人のK子見舞いで浣腸を目撃したり、保健のi子先生やJ先生が授業で
浣腸のことを話すので、また浣腸のことが気になり出しました。

 クラブ活動では、図書館にひんぱんに出入りしていました。
ある日のこと、少し時間があったので、辞書や百科辞典で浣腸のことを調べてみようと
急に思い立ちました。
辞書や百科事典では浣腸は少ししか記述がありませんでした。
その後、家庭医学の本があったので、やはり浣腸の項目を見ていると、友人L子がやって
きて、ドキリとしたことがあります。
あわててページをめくったので、友人のL子はいぶかしく思ったようです。
「どうしたの、そんな本を出して、どこか体の具合でも悪いの?」
「うん、おなかの調子がよくなくて・・・」
「当てようか、きっと、便秘でしょう」
「うん・・・」
私はなま返事をします。
L子は言います。
「便秘はいやよね。
 吹き出物ができたりすると、せっかくのかわいい顔が台無しになっちゃうよ。」
ちょっと、意地悪く言います。

「i子先生が言っていたでしょ、浣腸するといいよ。」
「保健室に行けばいいのよ。
 養護のL子先生がすぐ浣腸をしてくれるそうよ。」
どきりとします。

 さらに、言います。
「私ね、実はね、先週調子が悪く、お母さんに、病院に連れていかれたの。
 そして、大きな浣腸してもらったの。
 そうしたら、便秘が治って、気分よかったよ。」

 私、突然そんな話しを聞いて、驚くとともに、また友人に先を越されたという
思いに捕らわれました。
L子との会話がまた、浣腸を強く意識させたのです。
私は再び、浣腸に強いあこがれをもつようになったのです。
友人たちは、どうやら浣腸の経験者が多いようだとの印象をもったのです。
高校生になって、私だけが、取り残されているような気がしたのです。
高校時代はまだ一度も浣腸を経験していません。
 ああ、私もまた浣腸を経験したい。

高校は   ピアノ文芸  忙しく
浣腸と   お尻のことは 忘れます
図書館で  浣腸調査   思い立ち
そのときに 友人Lが   やってきて
どうしたの 体の調子   よくないの
便秘なら  浣腸がよい  と言われたの
この言葉  再びあれに  あこがれて
友人は   経験者が   多いよう
私だけ   経験せずに  残されて

(その23)

 私はよく書店に立ち寄ります。
小さな書店は雑誌くらいしか置いてなく、狭いので好きではありませんが、
大型書店は文具売場もあって、よく利用します。
ある日曜日のこと、午前中だったのでお客も少なく書店内は閑散としていました。

 私が今日ここに来たのはある目的があったのです。
私、お勉強をしたかったんです。
お勉強と言っても、英語、数学、地理、歴史、化学、生物などはもう飽きちゃって
いましたから、高校の科目じゃあないんです。
それじゃあ何のお勉強ですかって?
賢明なる皆さんのことですから、もうおわかりでしょう、そう、私が勉強したかった
のは実に「浣腸学」なのです。
 学校の図書館ではさしたる成果がなかったので、書店にやって来たわけなのです。

 私、ばくぜんと浣腸に憧れをもっていますが、浣腸って何か、あまり知らないことに
気がついたのです。
わずかの経験、友人や先生からの断片的な少しの情報しかありませんでした。
浣腸にはいろんな種類もあるようだし、もっと浣腸のことをきちんと知る必要があると
思ったのです。

 私、まず家庭医学書のコーナーに足を向けました。
ここで何をするのと問われれば、もう皆さんお察しのことでしょうが、「浣腸」に
ついて調べてみようと思いました。
 ぶ厚い家庭医学の本を開きましたが、浣腸のことはほとんど記述がありません。
妊娠、出産の項に、妊娠中は流早産の危険があるので浣腸をしないこと、出産のとき
浣腸をしますと、さらりと書いています。
 どうやら私の知りたいことはほとんど書いてありません。

 私はあきらめずに、医学書のコーナーに行きます。
何やら難しそうな本ばかりが並んでいます。
その隣が看護学のコーナーです。
「看護処置・・・」というタイトルの本に目が行きました。
思わず手にとってみます。
目次が並んでいます。
注射、導尿、・・・。
 ありました、「浣腸」の2文字を発見したのです。
そのページをめくります。

 すごい、すごい、私の知りたいことがすべて書いてありました。
目的、適用、種類、準備、処置、注意など盛り沢山の内容です。
詳しいイラストや写真まであります。
私、もう興奮して、大ブレイクです。

浣腸に   強い憧れ    感じます
浣腸って  一体どんな   ものなのか
私は    まったく知らず 気になって
浣腸の   勉強をしに   書店へと
ありました 看護の本は   すごいです
浣腸の   すべてが本に  書いてある
イラストや 写真を見ると  興奮ね

(その24)

 私は立ち読みしながらページをめくります。
まず浣腸の目的がいくつか列記してあります。
便秘の治療や外科手術の前、検査などのときに浣腸をするようです。
 詳しいことは理解できないものの、納得して次に進みます。
浣腸の種類について述べられます。
グリセリン浣腸と高圧浣腸があることがわかりました。

 グリセリン浣腸は注射器のようなものでする場合と、いちじく浣腸を
大きくしたような器具を使う方法があるようです。
それはディスポーザブル(使い捨て方式)浣腸でした。
注射器の方法は私が医院でされたものだと思いました。
 そして、驚いたのは高圧浣腸でした。
イルリガートルという大きなガラス製の浣腸器を使うのです。
これはまさにK子がされたものでした。
500ccから1000ccも入れると書いてあります。
そんなにおなかに入るものかと怖くなりました。
 液面を上げすぎないようにすることと注意書きがありました。
 
 次に浣腸の施行方法が書いてありました。
まず浣腸は暖める必要があるそうです。
体温より少し温かい39℃くらいと書いてありました。
 お尻から液が入ってくるとき、温かく感じるのはこのためなのですね。
お湯の入った容器に、使い捨て方式の浣腸器を入れて暖めているイラストが
ありました。
卵をゆでているようで、おもしろかったです。

 若い女性は恥ずかしく感じさせないようにと注意がしてありました。
臀部にタオルをかぶせるなどをすることをすすめていました。
なるほど、私もまだ成人ではないものの一応女性です。
このことはよく理解できます。
 でもちょっと疑問がわきました。
男性って、浣腸されるの恥ずかしくないのかなって・・・。

 それから潤滑のことが書いてありました。
浣腸器の嘴管と呼ぶ部分と肛門にはワセリンやゼリーを塗って、十分
潤滑をする必要があるのです。

 それから浣腸をするときの姿勢が写真にありました。
左を下にする体位を取るんですね。
私もこうされて浣腸されたように思いました。
こうすると、液が入りやすいんだそうです。

 写真では若い女性がモデルなので、驚きました。
だけどよく見ると、それは人間ではなくマネキンでした。
なぜかほっとしました。
写真のモデルになるのは若い女性の憧れるところですが、浣腸の
モデルは恥ずかし過ぎです、お断りですよね。

 女性の場合は挿入部位を間違えないこととも書いてありました。
確かに、浣腸はお尻の方ですよね。
これも納得です。

 そして注入が終わったあとは5分くらいがまんさせるように書いて
ありました。
すぐ排泄させると、液だけが出るそうです。
なるほどなるほど、がまんは大切なんですね。
これってとても苦しいですよね。
でも、がまんしないと再び浣腸を受けなければならないかも知れませんね。

 本を読み終えて、浣腸のことがよくわかったような気がしました。
お勉強も、こういうものならよく頭に入るから不思議です。
私はすごく興奮しました。
こんなにどきどきしながら本を読んだのは生まれて初めてのことでした。
手と背中に汗をかいていました。
前の部分も濡れているように感じました。

 私は大学の文学部を志望していますが、この本を読んで、看護婦志望も
悪くないわと思い始めました。
でも、よく考えると、私は浣腸をされる方に興味があって、する方は
魅力を感じません。
やはり看護婦は無理ねと考え直しました。

浣腸の   お勉強をしに  書店へと
看護学   詳しい解説   ありました
目的と   種類や準備   施行法
それぞれに リアルな写真  ありました
女性では  恥ずかしいので ご注意を
挿入は   ちゃんと後ろへ 入れましょう
読み終えて 興奮します   汗が出た

(その25)

 女の子の場合、どうしても薬局へ足を運ぶ機会が多くなります。
生*用品や石けん、シャンプー、肌のケア製品などを買うのです。
ただ、私はお薬はあまり買いません、目薬くらいです。

 そのとき、毎回かならず目が行くコーナーがあります。
そう、浣腸薬が置いてあるところなのです。
どきどきしながらながめます。
思い切って買ってしまおうかなという衝動にかられます。
しかし、後一歩のところで買うことができませんでした。

 理由は2つあります。
1つはやはり恥ずかしいことです。
レジでこれを出す勇気がどうしても出ません。
もう1つの理由はもし浣腸を買った場合、私、必ずそれにのめり込む
ことでしょう。
そして、それに夢中になって、お勉強やピアノなど今の私が大切に
していることに大きな影響があることでしょう。
*女子大学の文学部の受験を目標にしている今の私にはどうしても
それはできませんでした。

 私は浣腸の箱やグリセリンのビンを見ては「あ〜あ〜・・・。」と
ため息をつくばかりでした。

薬局で   浣腸とても   気になるの
何回も   買おうとしては ままならず
恥ずかしく レジにもって  行けません
買ったらば 私必ず     ブレイクし
勉強や   ピアノにすぐに 影響が
いろいろと 考え浣腸    買えません

(その26)

 高校時代の先生はよい先生が多かったですが、私と相性の悪い先生もいました。
美しい女性の先生も多かったですが、そうでない先生もいらっしゃいました。
国語のM子先生がそうでした。
先生は40代後半のハイミスで、小柄で牛乳びんの底のような眼鏡をかけておられ
ました。
 私たちのクラスの国語の先生は別の先生でしたが、夏休みの補習授業はM子先生
の担当でした。

 夏のある日、法事があって遠方から従兄が来ていました。
私より1才年上で年令が近いので彼と私は仲がよかったのです。
ちょうど夏祭りの時期で、町には夜店が出ていたので、2人で夜店に繰り出しました。
私は浴衣姿で彼と手をつないで歩きました。
 ちょうどそのとき、M子先生と出くわしたのです。
先生はお一人で歩いておられました。
私は先生に会釈をしましたが、先生はいやな目付きで私と彼を見ました。

 補習の授業が始まりました。
私はちょっといやな予感がありました。
副読本を予習していると、恥ずかしい表現があったのです。
 そしてやはり私の悪い予感は的中してしまいました。

 M子先生が私を名指しして、副読本を朗読させます。
太宰治の「富岳百景」です。
 私はあきらめて朗読を始めます。
「富士には月見草がよく似合う・・・。」
  私は朗読を続けます。
気になった部分を読みます。
「・・・*先生は放屁なされた。」
  突然皆がドッと笑います。
M子先生はこの部分を私に朗読させたかったと、私はにらみました。

 ところが、それだけで終わりませんでした。
その後で先生が言います。
「必ず善が栄え、悪が滅びるという決まり切った物語があります。
 例えば、TVで、長く続いている時代劇がありますね。
 ひげのお爺さんが2人の家来と悪を退治する番組です。
  えり子さん、何という番組ですか。」
 また私をご指名です。
「はい、確か、水戸のご老公・・・。」
先生が言います。
「えり子さん、はっきり言って下さい。」
「はい、水戸コーモンです。」
また、皆がどっと笑います。

 先生はまだ続けます。
小説ではアレクサンドル・デュマの「厳窟王」などもそうです。
「こう言うことをテーマにした小説を勧善懲悪小説と言います。
 ただ、長いので、よく省略して言います。
 えり子さん、これを省略して何小説と言いますか。」
「はい、善悪小説ですか。」
「違いますよ、他に読み方があるでしょう、もう一度言って下さい。」
「はい勧懲(かんちょう)小説ですか。」
  また、皆がどっと笑います。
「そうですよ、えり子さん、しっかりして下さい。
 男の子にお尻を追わせてばかりいるから、勉強がおろそかになるんですよ。」
 
 私はM子先生に、ぴどくいじめられてしまいました。
どうやら、あの夜店のことが原因しているようです。

 その10日後、補習授業が終わった頃、M子先生の異常に気がつきました。
先生は廊下を歩くとき、腰を引いて妙な足つきで歩いています。

 夏休みの半ばのことです。
友人の一人が私に耳打ちします。
「M子先生が入院されたそうよ、手術を受けるんだって。」
「えっ、そうなの、どこの病院なの。」
 友人は笑いながら言います。
「*肛門科よ。」

先生は   相性悪い     人もいる
わたくしは M子先生     きらいです
コーモンや オナラかんちょう 言わされる
男性に   もてる憎い子と  思われた
お気の毒  痔の手術受け   ご入院

(その27)

 美術のN子先生は30代前半の大変美しいお方です。
目がぱっちりしていて、鼻が高く、西欧的な美女です。
「我が*学園のヴィーナス」というニックネームで呼ばれています。
 私たち女の子から見ても先生の美しさは際立っていて、あの美しさを
少しでも分けて欲しいと、うらやましく思うのでした。
 先生からはルネッサンスやロココ、バロックから現代までの西洋の
絵画について教えていただきました。

 私は先生の授業中はじっと先生のお顔ばかり見ています。
目、鼻、耳のバランスが美しく、表情が豊かなので、見ているだけで
うっとりしてしまいます。
先生のお話は全然聞かなくても、お顔を見るだけで美術のお勉強になるの
です。

 N子先生ご自身も絵の名手だそうです。
先生が美しい手で絵筆を握ってキャンバスに向かわれる姿はさぞお美しい
ことと想像されます。

 そのN子先生はおなかが大きくなられたのです。
先生はご結婚されていてミセスだったんですね。
あんな美しい先生をもらわれたご主人はさぞお幸せでしょうね。
 そして、やがて先生は産休に入られました。
先生の授業が受けられなくなって残念です。
授業中は先生のお顔を見ているだけで飽きないんです。
表情が豊かで、色んな表情を見せられるんです。

 先生が無事に女の子を出産されたというお話を聞きました。
しばらくして、私と友人は先生の赤ちゃんを見るために、先生のお宅に
伺いました。

 N子先生のお宅の玄関には先生が描かれた絵がかけてありました。
美しいスイスの村の情景です。
「先生、ご出産おめでとうございます。」
「ありがとう、でも学園で皆さんにしばらくお会いできなくってとても
 さびしかったわ、よく来てくれたわね。」
「先生、あの絵、スイスですか。」
「そうよ、学生時代に旅行して、しばらく滞在したのよ。」
「かわいい赤ちゃんですね、髪もふさふさしているわ。」
「そうなのよ、*美と名前をつけたの。」

  私は先生にたずねます。
「先生、お産は安産だったのですか。」
「そうなのよ、陣痛が始まってから5時間ぐらいで生まれたの。
 あなた達、女の子だから興味あるのね、将来のために、ちょっとお話
 するわね。」
「そうですか、是非聞かせて下さい。」

「陣痛が始まったから、すぐ病院に行ったの。」
「陣痛って、どんな痛みなんですか。」
「あなた達、下痢の経験があるでしょ、ちょうどあれと同じようにおなかが
 痛むの。」
  先生の美しいお口から ”下痢 ”という言葉が出てきたのには驚きました。
先生はまた続けます。

「すぐお医者さんの診察があるの。
 子宮口の開き具合を調べるの、私はもう開いていたからすぐ入院したの。」
 それからまず着替えをするの。
 全部着物を縫いで、産衣に着替えるの。
 
  そして、まず浣腸があるの。
 あなた達いちじく浣腸を知っているでしょ、あれの何倍もある大きなものなの。
 おなかにうんちがたまっていたら、いきむことができないから、浣腸でうんちを
 出すのよ、そうすれば安心していきむことができるの。」
 
  私はまた美しいヴィーナスの口からちょっと不釣り合いなうんちやさらに浣腸、
 いちじく浣腸 という言葉が続々と出てきて、ほんとうにびっくりしました。
 でも、それは自然に出てきたもので、決していやみはありませんでした。
 
  お産のときにする浣腸は不自然なものでもなく、ごく当たり前のもので、先生も
 当然のものとして受け入れられたんですね。
  私も勇気付けられました。
 私もお産のときは是非浣腸をしていただきたいと思いました。

  それからまた私、例の悪いくせが出て、いろいろ想像してしまいました。
 先生は大変な美女ですから、先生のお尻の穴もきっと菊の花のように美しいこと
 でしょう・・・。
 もうひとつ、ヴィーナスのうんちってどんな色と香りなんでしょう。
 色はきっと金色か銀色、あるいは高貴な色とされている紫色、香りはバラの花か
 ラベンダーの香りでしょう・・・。
 
  先生のお話はまだ続きましたが、省略させていただきます。
 

学園の   ヴィーナス先生 すてきです
目やお口  耳鼻すっきり  整って
美しく   絵の腕前も   抜群よ
先生は   お産で入院   したのです
体験を   友と一緒に   聞きました
以外にも  口から出てきた その言葉
浣腸や   下痢にうんちに いちじくよ
先生は   しっかり浣腸  されたのね
そのために 安産でしたね  おめでとう
 
(その28)
 
 今日は高校時代のR子先生についてです。
R子先生は新任の音楽の先生です。
*大学声楽科を卒業されて、すぐ我が学園へ赴任されたのです。
若く、明るく、オープンな性格で、行動的で、しかもすごい美女です。
「*女学園のマドンナ」というニックネームがつきました。

 年令が近く、お姉様という感じだし、親しみやすく、すぐにお近づきになりました。
私、音楽が好きだったこともあって、よく面倒を見ていただきました。
困ったことをよく聞いてもらいましたが、いつも的確な回答をいただいて、頼れる
存在でした。

 このころ、私の心にはまたエネマへの憧れが頭をもたげかけていました。
ず〜と気になっていて、仕方ありませんでした。
ある日音楽室でR子先生と二人きりになったので、先生に思い切って相談してみます。

「先生、私、何かは言えませんが、お勉強以外にすごく気になっていることがあるの。
 でも、それを始めると、のめり込みそうで、怖いのです。
 どうすればいいのでしょう。」

 先生は落ち着いて答えてくれます。
「それは、きっと趣味とか交際とかそういうことね。
 私も高校時代はしたいことが、多くあって悩んだの。
 だから、優先順位をつけた。
 一番大切なことに全力で取り組むの。
 そして、それをさまたげない自信があれば、次のこともするようにした。
 もし、自分に余裕があって、一番大切なことに影響しなければ、それをしても
 いいのじゃないかしら。
 ただし、趣味であれば、大学生になってからでも、遅くないわよ。」

 先生の言葉は的確でした。
私の目標は希望の大学に進学することでした。
 もし、今お浣腸を始めれば、私のことだから、きっとのめりこんで、お勉強に手が
つかなくなっちゃうわ。
そう思い、大学生になって、お浣腸を始める決意をしたのです。

R先生  若く明るく   美人です
お浣腸  つのる思いに  悩みます
お勉強  これ手につかず 困ります
先生に  相談をする   機会あり
大切な  ことを優先   すべきだわ
お浣腸  大学生に    なったなら
思い切り いたすようにと 決意する

(29)

 私の高校時代の音楽のR子先生は最高にすてきな方です。
とびっきりな美人なのですが、性格は気さくで、それを鼻にっかけて、気どった
ところがまったくないのです。
これまで私が出会ったうちの最高の女性です。

 その先生が、のどを痛められて、入院することになったのです。
声帯ポリープという診断で、手術されるのです。
手術が終わって、数日後にお見舞いに行きました。
それまで、先生は歌はもちろん、おしゃべりさえも禁止されていて、
私がお見舞いに行った日にやっとおしゃべりをしてもよいとの許可が出たのです。

 R子先生はせきを切ったようによくしゃべりました。
美しいソプラノがよみがえっていました。
病気のお話しをされたなかで、次の言葉に驚きました。
「手術の前に、浣腸されて大変だったわ。
 おなかが痛くなって・・・。」

 突然、思いがけない唐突の禁句の登場に私は驚きました。
「それって、お尻にするんでしょ」
「のどの病気なのに?」
「そうなのよ、私看護婦さんになぜ浣腸するんですかと質問したの。
 看護婦さんは、全身麻酔をするので、寝ている間に失禁して便がもれないように、
 事前におなかを空にするというの、それで、納得したの。」

 先生は全然恥ずかしくないかように、気さくに話してくれました。
でも尊敬する美しいR子先生が浣腸されたなんて、ショックでした。
また私、先行されちゃって、ひとり取り残されたのです。
私、ますます浣腸への憧れが強くなって行きます。

音楽の   R子先生    人気もの
明るくて  気さくでしかも チャーミング
声帯に   ポリープができ 手術です
先生の   お見舞いのため でかけます
美しい   ソプラノの声  よみがえり
喜んで   楽しい会話   続きます
その中で  浣腸されて   しまったの
突然の   告白があり   驚いた
先生も   ついに浣腸   ご経験
私だけ   高校になり   未経験
友人や   知人が多く   ご経験
私だけ   おいてけぼりに されちゃった
さびしいな はやく経験   いたしたい

(30)

 友人や先生達が次々に浣腸をされる中で、私の浣腸への憧れは相変わらず強い
ものがありました。
 保健室に行って、おながが痛いと訴えれば多分浣腸をしてもらえるだろうと
思っていました。

 友人達はときどき授業中に腹痛を訴えて保健室に行く子もいます。
先生はいつもそれを快く許可します。
その子はたいてい、すぐには戻ってきません。
浣腸をされているのかも知れません。
「どうしたの、どうだったの?」
と聞くと、
「おなかが痛くて、保健室のベッドで休んでいたの。」
と答えます。
ほんとうはどうだったのでしょうか?

 私は仮病を使ってまで、保健室で浣腸をしてもらう気にはなりません。
授業中に教室を抜け出すこともいやでした。
保健室で浣腸をされたいという誘惑は強かったですが・・・。

 もう3年生の2学期になっていました。
これから受験は追い込みの時期になります。
私はまだ雑念があって、勉強に完全に打ち込めない状態でした。

 ある日のことです。
朝からあまりおなかの調子がよくありませんでした。
朝、お通じがありませんでした。
 生*が終わって5日目でした。
昨日も便通がありませんでした。
この時期は私は便秘しやすいのです。
生*中はおなかが痛いので、腸も刺激を受けて、便秘はしにくく、むしろ
下痢や軟便にすらなる傾向にあるのです。
それが終わると、その反動で今度は逆に便秘に傾くのです。
 午前中はがまんできていたのですが、午後の最後の授業が始まったとき、
本格的に苦しくなりました。

 社会科の倫理の授業が半分くらい進んだときです。
周りの友人達は居眠りをしています。
私、立ち上がって先生に言います。
「先生、おなかが痛いので、保健室に行っていいですか。」
  先生はすぐに言います。
「そうか、いいよ、一人で大丈夫か。」

 友人達はちょっと驚いたようでした。
と言うのも、腹痛を起こしやすい常習者が数人いて、私はそのリストには
入っていなかったからです。

 この学園では、授業中に腹痛など体調不良を訴えると、先生は誰もそれを
とがめず、保健室行きを許可してくれます。
これは私達女生徒の特権のようなものでした。
一度だけ、男性の数学の先生が
「なぜだか数学の時間になると腹痛が多くなるんだよな。」
と、ちょっと皮肉を言ったことがあるだけでした。

 私は高校の保健室は初めて行きます。
中学時代は保健委員だったので、お仕事としてよく行きましたが、高校の
保健室は中学とは別棟になっているのです。

 部屋をノックっすると、先生がハイと大きな声で答えました。
部屋にはベッドが3台あって、すでに先客が一人あって、1台のベッドで寝て
いました。

 ベッドは奥にあって、頭がこちらに向くよう配置してありました。
先生が監視できるようになっているようです。

 先生の机の横の椅子に座って、先生が聞き取りをします。
「3年*組のえり子です、朝からおなかが痛くて、がまんできずに今ここに
 来ました。」
「そう、どういう風に痛むの。」
「はい、下腹部全体が苦しいです。」
「あなた、生*はどうなの。」
「はい、5日前に終わりました。」
「便通はあるの。」
「昨日と今日の2日間ありません。」
「ふだんから便秘はするの。」
「あまりしません。」
「虫垂炎をしたことはあるの。」
「いいえ。」
「右側は痛まない。」
「いいえ、痛くありません。」
「虫垂炎じゃなさそうね、単純な便秘のようね、浣腸をしてみましょう、
 そうして、その後ベッドで休んで下さい、様子を見ましょう。」
「えっ、浣腸ですか。」
「そうよ、あの子も浣腸をした後、ベッドで休んでもらってるわ。」
「はい、わかりました。」

 あれほど憧れていた浣腸の機会があっけなくやってきました。
 私は中央のベッドに寝させられます。
浣腸はもしかしたらと予想していましたし、期待通りでした。
ただ、仮病じゃないのと自分に言い聞かせ、自分で自分を正当化させます。
 3年生の後半になってやっと私は憧れの浣腸を受けることになりました。
私にとっては長い道のりに思えました。
久し振りの浣腸なので、胸がドキドキして来ました。
でも先客の存在がちょっと気になります。

3年の   後期にやっと  念願の
浣腸を   保健室にて   受けるのよ
もう一人  先に浣腸    された子が
少しだけ  気がかりですね 筒抜けよ
だけれども うれしさ隠し  受けましょう
久し振り  期待に胸が   ふくらむわ

(31)

 中央のベッドで横になります。
ベッド同士の間にはカーテンがあって、それで仕切られます。
ただ、前には何もなく、部屋の入り口からや、先生の机からは見通すことが
できます。

 先生は浣腸の準備を始めます。
そのときです。
また部屋をノックする音がしました。
先生は作業を中断して応対します。
 また生徒が保健室へやってきました。
他の学年の子で、知らない子です。

「どうしたの?」
「おなかが痛くなりました。」
 ・・・
  話しを聞くと、まったく私と同じ訴えでした。
「あなたと同じ症状の子が午後は3人目よ、単純な便秘のようだから、
 浣腸をしてあげますから、ベッドに上がって待っていて下さい。
 先にこの人に浣腸をしますから。」
「はい。」

 恥ずかしいことになりました。
両隣りの生徒に挟まれて、私は浣腸を受けることになりました。
これは予期しないことでした。
今更どうにもなりません。
薄いカーテンはあるものの、それはおまけのようで、声や音は筒抜け
なんです。
女生徒同士とは言え、恥ずかしいことです。

 先生は車のついたワゴンに道具をのせて、ベッドの横に来ました。
ワゴンの上には液体の入ったビーカーと、ティシュの箱、ワセリンのびん、
それに太いガラスの浣腸器が乗っていました。
ガラスの浣腸器は見たところ、古く、使い込まれたもののようでした。
青い色をしていました。

 私は横向きの姿勢で、下着を下げられ、お尻をむきだしにされます。
お尻の穴にティシュでワセリンが塗られます。
「いいですか、おなかの力を抜いて下さい。
 あ〜っと言って下さい。」
「あ〜っ。」
「そうよ、入れます。」
  お尻に何かが入ると、間髪を入れずに、温かい液が入ってきました。
前に受けた浣腸と同じ感触です。
短い間でしたが、確かな手応えを感じました。
「トイレでしばらくがまんして下さい。
 そして結果を報告してね。
 それからベッドでしばらく休んで下さい。」

 私の体は浣腸によく反応するようです。
少しがまんしたあと、ドドッとおなかのものが排出されました。
すべてが出てしまうと、またあのスッキリ感が私を包みます。
ああ、浣腸をしてもらってよかったわと感じる瞬間です。

 先生に報告して、授業が終わるまで私はベッドで休みました。
もちろん、お隣の子の浣腸シーンはばっちり聞き取れましたよ。
隣の子が浣腸をされるのも、とても恥ずかしいです。
特に、直前に浣腸をされただけに・・・。
自分のときと同じように、ドキドキ、興奮してカーテン越しに耳を澄ませて
聞いていました。

 教室に戻ると、皆掃除をしていました。
「えり子、大丈夫なの?」
  親しい友人が駆け寄ってきました。
「うん、大丈夫よ。」
「それはよかったわ、心配してたわ。」
「ありがとう。」
  友人はそれ以上は何も聞きませんでした。
根堀り葉堀り聞かれたらどうしようと思っていました。
それでも友人達の視線が気になり、とてもバツが悪かったです。
 それでも高校生になって初めて浣腸を受けたという喜びがじわじわ
こみ上げてくるのでした。
とても充足し、満足な一日でした。

浣腸は   二人の生徒が  立ち会った
恥ずかしい それでもどうも ならないわ
浣腸器   大きく古く   青かった
終わったら いつものように スッキリよ
よく効くわ 相性いいわ   浣腸は
うれしいな 高校初の    浣腸よ
これからは きっと勉強   打ち込める

(32)

 もう受験まで半年あまりとなって、私の受験勉強も追い込みの時期と
なりました。
 高校生では初めて浣腸を受けたことで、精神的には落ち着きを取り戻す
ことができました。

 そんな大事な時期に、私は体調不良を感じます。
今度は消化器系ではなく、婦人科系なのです。
 まだ、私達はその部分は完全に成熟してはいなく、成長過程にあるので、
順調ではなくトラブルが発生することもあるのです。
 また進んでいる子は男性と交渉があり、そのことも関係しているのです。
それに、女の子の下半身って複雑で繊細なんです。
心の方とも関係して、機能的には異常なくても症状が出ることもあるし、
隣にある大腸、肛門、膀胱などの影響も受けるんです。
 便秘や下痢の影響によって、生*が狂うこともありますし、逆に生*の
周期によって、下痢や便秘を起こすこともあるんです。
また、排便時の処置が悪いと前の部分に異常を来すこともあります。

 私、毎月ある生*に異常を感じ始めました。
予定日が遅れがちになり、量も多く、おなかもすごく痛むのです。
友人の中には卵巣の病気になって入院、手術をした子もいました。
 私も心配になり、受験のこともあり、母と相談して早めに婦人科を受診する
ことになりました。

 もちろん婦人科を受診するのは初めての経験でしたが、本などで知った情報
では、病院では診察台で足を開く恥ずかしい姿勢で診察を受けなければならない
ということでした。
そして、大切な部分に先生は指を入れたり、診察器具を入れたりするとのこと
なので、とても心配でした。
 何しろ私のあの部分はまだ誰にも見せたことも、触れられたこともないのです。
自分自身でさえ、指すら挿入したこともありません。

 私は母に付き添われ、婦人科医院の門をくぐります。
先生は40代の方で、口にちょびひげをたくわえておられました。
問診で症状を話ます。
先生はあなたは高校生ですねと確認をしました。
それから、今朝排便がありましたかとも聞かれました。
私は今朝緊張してか、朝いつもと違って排便はありませんでしたので、先生にそう
伝えました。
 すると先生は看護婦さんに言います。
「浣腸をしてあげて下さい。」

 それは突然のことで、まったく予期していない言葉でした。
ここは婦人科であって、内科や胃腸科ではないのにです。
体が急にジーンと熱くなりました。
あれほど憧れていた浣腸が、突然再び私に処置されることになりました。
ただあまりに突然のことで、心の準備が間に合わないわと感じました。
長い間浣腸を経験していないわと思っていると、続くときは続けてあるものです。

 処置室に通されました。
看護婦さんが聞きます。
「えり子さん、浣腸は初めて?」
「いいえ、中学生のときに2回、高校でも一度便秘になって、浣腸を
 されました。」
「そう、じゃあどうするかわかっているわね。」
「はい。」
  看護婦さんはとても大きな浣腸を手にしていました。
注射器のタイプではなく、いちじく浣腸を大きくしたような形で、透明の容器に
長いノズルがついていました。
ディスポーザブル型の浣腸器です。
 ああ、こんな大きな浣腸をされるのだわと、不安と恥ずかしさ、それに嬉しさの
混じり合った複雑な気持ちでした。
 
「横になってこちらにお尻をこちらに向けて下さい。
 下着をおろします。
 入れました。」
 
 お尻に確かに何かが入った感触を感じました。
それから温かいものがお尻に入ってきました。
間違いなく私は浣腸されたのです。
長く憧れていたものでしたが、すぐにそれは終わりました。

「終わりました。
 隣がトイレですが、できるだけがまんして出して下さい。」
 
 おトイレに入るとすごい便意が来ました。
がまんしましたが、すぐにあっけなく出てしまいました。
かなりに量のものが出ました。

「えり子さん、便はちゃんと出ましたか?」
「はい。」
「それではまた診察がありますから。」
「はい」

 高校生も終わりの時期になって続けての浣腸でした。
私は恥ずかしさよりむしろ満足の方を強く感じました。
何しろあれほど憧れていた浣腸です。
2度も浣腸を経験できてヴィーナス先生、マドンナ先生、それに友人達に
やっと追いついたように思いました。

体調が  おかしくなって しまったの
月のもの 何故か遅れて  やってくる
仕方なし 婦人科の門   くぐります
意外です 浣腸します   宣告が
感動よ  高校になり   初めてよ
満足が  恥ずかしさより まさります
友人や  先生たちに   追いついた

(33)

 また診察室に通されます。
下着を脱ぐように言われ、下半身は裸になります。
ベッドに上がります。
ベッドは中央にカーテンが設置されていました。
カーテンが引かれると、先生の顔が隠れるようになっていました。
しかし、カーテンは引かれませんでした。
 私は横になるように言われます。
ナースが言います。
「お尻を突き出して下さい。」
「そうです、それでいいですよ。
 そのまま楽にしていて下さいね、先生が診察します。」
 
 先生は両手に手にうすい手袋を着用して私のそばに来ます。
先生は私のお尻の穴にゼリーのようなものを塗ります。
それから先生の指がお尻の穴に挿入されました。
驚きました。
しかし、私は何も言うことができません。
 先生の指が深く入りました。
うんちがしたくなる感覚におそわれます。
「うっ。」
と声が出ます。
「気持ち悪いでしょうが、しばらくがまんして下さい、」
  低い声で先生は言います。
 
 お尻の中で先生の指が動きます。
そしてもう一方の手は前のおなかを押さえます。
ときどき強く押さえます。
 苦しさと、またあの排便反射がやってきて
「はっ〜。」
と息をします。
 先生の指と手が移動しながら、おなかを強く、弱くおさえます。
苦しさ、恥ずかしさ、そしてうんちをしたくなる感覚、そして説明
しがたいきもちよさのようなものが絡み合い、ほんとうに不思議な
きもちです。

 診察が終わりました。
看護婦さんがティシュで私のお尻を拭いてくれます。
そして私の前も拭きます。
なぜか前も知らないうちに汚れていたのです。

 とくに異常はありません。
生*不順は中高生にはよくあります。
しばらく様子を見て下さい。

 既婚女性や性体験のある女性は直接性器を診察するそうですが、
中学生や高校生、未婚女性の場合はお尻から診察することもある
そうでした。

 浣腸と、お尻を使っての診察、思いもよらないことでした。
私は出遅れを一気に挽回できたような気持ちでした。
それと、恥ずかしさ、苦しさの中にきもちよい感覚を
発見できたのは不思議なことでした。

診察は   お尻を使って   されました
先生の   指がお尻に    入ります
そのままで おなかも強く   押さえます
苦しいわ  うんち出したく  なっちゃうの
恥ずかしく なぜかきもちが  よくもあり
終わったら 前もすっかり   濡れていた
異常なし  これでちょっぴり 安心ね
友人や   先生たちに    追いついた
 
(34)

 その後は生*の間隔も正常にもどり、私はふたたび受験勉強に励むのでした。
秋も終わり、私の勉強のペースも順調に推移しました。
 浣腸をされたことに私は満足し、そのことはもう考えなくなっていました。
そして、もう受験まで私は浣腸を経験しないだろうと思っていました。
ところがそうは行かなかったのです。

 いよいよ受験も最後の追い込みにかかる12月のことです。
私は再び体に異常を感じます。
今度は婦人科系ではなく胃腸科系なのです。
 
 受験のため私の生活は不規則なものになっていました。
学校から戻ると、しばらく眠り、それから夜遅くまで勉強をするのです。
夜は空腹になるので、母に夜食を作ってもらいます。
夜遅いので、朝起きるのがつらくなります。
 朝は食欲がなく、朝食を食べることができません。
朝のお通じもとどこおりがちになります。
 そういう生活のためか、いつの間にか私は便秘と下痢を繰り返すように
なりました。
それが続き、症状が改善されず苦しいので母に相談をします。
 
 母は父と話をした結果、私は近くの医院ではなく胃腸科専門の病院を
受診することになりました。
 私はその病院の待ち合い室でまっていると、偶然同級生のS子とばったり顔を
合わせます。
「S子じゃない、一体どうしたのよ。」
「えり子こそ、こんなところで何をしているのよ。」
  S子はとてもかわいく素直な子で、私と仲がよいのです。
彼女は特別おしゃべりではないのですが、こちらから話をすると、ちゃんと応じて
くれます。
うそや隠し事がなく、何でもすなおに答えてくれます。
たとえ、自分に都合が悪いことや、恥ずかしいことでもです。
そんな彼女の飾らないところが私は好きなんです。

  私、答えます。
「うん、ここしばらくおなかの調子がよくないの。」
「おや、それはよくないわね、どんな症状なの?」
「下痢や便秘を繰り返すの。」
「そうなの、ここでちゃんと診察を受ければいいわ、あまり心配ないと思うわ。」
「うん、そうするわ、ところでS子こそどうしたのよ、元気よさそうだけど。」
「そう、私実は腸の検査をうけなければならないの、何年も続いているのよ。」
「それは大変ね、病気なの。」
「そうじゃないの、今は異常ないんだけど、腸にポリープといういぼのようなものが
 たくさんできる体質らしいの、だから半年毎に精密検査をうけるのよ、春と秋に。」
「それは大変ね、腸の検査って苦しそうね。」
「以前は大変だったは、でも今は検査法が変わったし、もう慣れちゃったから。
 これは放置しておくとがんになったりする怖いものらしいの、だから定期的な
 検査をどうしても受けなければならないのよ。」
「ふ〜ん、私ももしかしたら検査を受けなければならないから、腸の検査について
 聞かせてくれない?」
「いいわよ。」

不調です  下痢や便秘を  繰り返す
専門の   病院の門    くぐります
友人の   S子にそこで  会いました
驚いた   彼女は腸の   検査なの
これまでも 何度も検査   受けたそう
どんなもの 腸の検査を   話してね

(35)
  診察の順番を待ちながら、彼女は私にきちんと説明してくれます。
「私、中学生になって、検査を受け始めたの、最初は*大学病院で検査を受けていたの。
 おなかの検査だからおなかを空っぽにしなければならないの、2日前から検査食という
 特別な食事になるの、そして病院に行くの、病院ではそれから浣腸をされるの、
 そして検査を受けるの。」
「そうなの、それは大変、浣腸って苦しいわね。」
「そうね、ふつうの浣腸とは違って高圧浣腸なの。」
「ふ〜ん。つらそうね。」
  私は浣腸のお勉強をしていたので、高圧浣腸がどんなものかはいちおう知っていた
 のです。
 K子がそれを経験したし、このS子も経験者だったのですね。
 
「それから検査の前に先生が肛門に指を入れるのよ、それが一人じゃないの、見習いの
 若い先生が何人も交代して指を入れられるのよ。」
「それは恥ずかしいわね。」

 これも、私は経験していました。
とても恥ずかしい検査なのです。
たとえ1人の先生であってもです。
でも、大学病院って、こんなこともあるんですね。

「最初は何をされるのか、わけがわからなかったから、恥ずかしいなんて感じるひまも
 なっかったわ、それにまだ私、中学1年だったから。」
「ええっ、そうなの、まだ子供なのにそんなつらい経験をしたの?」
「そうよ、ただ、2度目のときはとても恥ずかしかった。」
「そうよね、S子がかわいそう、まだ子供なのに・・・。」
  私はお話を聞いて、S子が不憫に思えて、急に目から涙があふれてきました。
  
病院で   S子と偶然    会いました
かわいくて 素直な子です   いい子です
質問に   いやな顔せず   答えるの
昔から   おなかの検査   受けてるの
高圧の   浣腸とても    苦しそう
肛門に   指を挿入     されちゃうの
交代で   多くの人に    入れられる
まだ子供  かわいそうです  たまらない
お目目から 涙あふれて    止まらない

(36)

  S子はなおもおなかのつらい検査のお話を続けます。  
「えり子、ごめんね、私、すぐに慣れたからそれからはもう何ともなかったわよ、
 心配をさせてすみません。」
  私の涙を見て、S子の目にも涙が浮かんできました。
「ううん、大丈夫よ、話しはやめないでちょうだい。」

 私は早くももう元のえり子になっていました。
好奇心が強く、特に肛門や浣腸には異常な興味を抱く私なのです。

  S子はまた話を続けます。
私はもう涙が止まって、今度は一転して興味しんしんという表情に変わって、話に聞き
入ります。
「それからX線検査を受けるの。そのときバリウム浣腸をするの。」
「また浣腸なの。」
「そうよ、それからが大変なの。」
「ほう、そうなの。」
「今度は肛門から空気を入れて、おなかをふくらませるの、カエルのように。」
「それはもっと苦しそうね。」
「それから、体を機械に縛りつけて、宇宙遊泳のように体を回転させて、何度も写真を
 撮るの。途中おならが出そうになるけどがまんさせられるの。」
「うわぁ、それは苦しいわね、まるで拷問のようね。」
「見習いの先生が皆見学しているから、なお大変よ。」
「大学病院って、すごいわね、何だかまるでショーを見るようじゃない。」
「そうなのよ、とてもつらいわ。」
「私なら耐えられないわ、S子って偉いわ。」
「それから、しばらくして検査法が変わったの。」

 そんなつらく大変な検査があることは夢にも知りませんでした。
その検査をS子はまだ中学生になったばかりの頃から、受け続けていたのです。

X線    検査はとても   つらそうね
高圧や   バリウム浣腸   されるそう
そのあとで 空気浣腸     されちゃうの
浣腸で   責められまるで  拷問ね
苦しそう  多くの人に    見守られ
そんなのは 私はごめん    恥ずかしい


(37)

 あのS子がそんなに何度も浣腸を経験していたとは寝耳に水でした。
私はまたちょっとさびしいきもちになり、S子がうらやましくも
感じられたのです。
私もS子のように、高圧浣腸やバリウム浣腸、そして空気浣腸を
されてみたいという恐ろしいことが頭をよぎりました。
そしてその姿を大勢の人に見られたいとさえ思いました。
でもS子のまじめで真剣な表情を見ると、私は何とバカで何を考えて
いるのでしょうと、自分を自分であきれてしまいます。

  S子の話はまだ続きます。
「しばらくの間はX線検査だったけど、そのうち内視鏡検査に変わったの。」
「ふ〜ん。」
「検査の前に何度か高圧浣腸をされるの。そしておなかがきれいになったら
 検査が始まるの、先生が数人いるのは同じよ。」
「始めにやはり肛門の検査があるの、やはり全員の先生が指を入れるの。」
「そう。」
「それから、カメラが入るの、太く長いカメラよ。」
「わあ、苦しそう。」
「ところが以外に苦しくないの、途中ちょっと苦しいときはあるけど。」
「ただ先生達が交代でTVのモニタで映し出されたおなかを覗きながらカメラを
 操作するの。」
「そう、おなか中を覗かれるって、やはり恥ずかしいわね。」
「うん、でも検査だから仕方がないわ。それにこちらの検査の方が楽だし。」
「そうなの。」

「そう、それで、検査結果はどうだったの?」
「うん、まだだいじょうぶだけど、いつ発病するかわからないの、だから検査は
 続ける必要があるわ、もう5年にもなるわ。そして、もう*大学病院ではなく、
 家から近いこの病院を紹介されたのよ。」
「そう、それは大変なことね、頑張ってね、きっと大丈夫よ。」
「えり子も気をつけるのよ。」
「ありがとう。」

 S子はもう5年もつらい検査を続けているそうなんです。
S子がうらやましいなんて思った私がバカでした。
大変だけど、これからも頑張ってね、きっと大丈夫よ。

 それにしても、日頃明るく、くったくのない笑顔を見せるS子があんなつらい
経験をしていたなんて、全く予想外のことでした。
 う〜ん、それにしても、こと浣腸に関してはクラスでは彼女が
ダントツに先頭を走っていることがわかりました。
回数だけではなく、いろんな種類の浣腸を経験しているのです。
そして、私はといえば、高校ではやっと2回目なのです。
もうとてもS子には追いつけそうもありません。

先生が  指をアナルに  入れるそう
交代で  次から次へ   挿入よ
恥ずかしい 私はイヤと  断るわ
検査法  大腸カメラに  変わったの
お尻から 長くて太い   カメラ入れ
先生が  カメラを覗く  交代で
頑張って そんな検査に  耐えるのよ

(38)

 S子は私と別れて検査室に行きました。
そして私は診察室に入ります。
 まず先生の問診を受けました。
それから診察室のベッドでおなかの診察をうけたのです。
下着を脱いで、おなかを出して、おなかの上から押したりたたいたり
されました。
 その後、先生は
「お尻を診ます。」
と言われました。

 ベッドで横向きの姿勢になり、下着をずらしてお尻を出させられました。
先生が手袋をして私のお尻を診察します。
ちょうど婦人科でしたのとおなじような方法でした。
 S子もこれを受けたのですが、S子は一度に何人もの先生に指を挿入され
ちゃったんですね。
 婦人科に続けてここでもお尻からの診察を受けるなんて、偶然とはいえ、
うれしいことでした。
 今の私はもう恥ずかしさより嬉しさが勝っているから不思議です。
またあの、うんちがしたくなる感覚に襲われる検査なのです。

 ただ心配なことがあります。
あのときは浣腸をされ、おなかがきれいな状態でした。
今回は違うのです。
いきなりの検査なのです。
私はちょっと不安になって思います。
「もし、先生の指にうんちがべっとり付着したらどうしよう。」

 私の心配をおかまいなしに、ことが進みます。
お尻にゼリーを塗られます。
先生の指が入ってきました。
前回の検査と違うのは、もう一方の手は使わないことです。
診察は右手の指1本だけで行われます。
 先生の指がお尻の中で動きます。
 やはりうんちをしたい感覚がやってきます。
 ただ、前回ほど強くありません。
やはり片手だけの診察だからでしょう。
この検査も前回より早く終わりました。

 この検査は2度目なので、少しゆとりがありました。
神経を集中して楽しむことができました。

 このあとおなかのX線写真を撮りました。
再び先生との面談がありました。
先生が言います。
「今日の診察結果ではよくわからないので精密検査をします。
 大腸カメラを予約して下さい。」
 
 一体どんな検査なのでしょう、不安の中にまた期待が頭を
もたげます。

毎日の   勉強続き    大変よ
そのためか おなかの調子  悪いです
意を決し  胃腸科医院を  受診する
もう一度  お尻の検査   待っていた
恥ずかしさ 影をひそめて  うれしいわ
先生の   指がお尻で   動くたび
いいきもち うんちがしたい これなのよ
その後で  大腸カメラ   受けるのよ
楽しみね  一体どんな   検査なの

(39)

 大腸検査の当日になりました。
緊張のせいか、朝お通じがありません。
前の晩に飲んだ下剤の影響か、おなかがごろごろして不快です。
それでも何故かお通じはないのです。
苦しく、不快な気分で病院に向かいます。

 受付を済ませると、2階に案内されます。
広いロビーがあって、そこにカウンターがあります。
そこに座ってナースとお話をします。

 まず問診があります。
過去の病歴、現在の体調、そして排便の有無を聞かれました。
私は今朝排便がなかったことを告げます。

 血圧測定があります。
血圧は異常ありません。
それから処置があると言うので、ナースに別室に案内されます。
 そこは ”浣腸室 ”と言う名札がかかっていました。
その文字を見て、私はすぐに全身が熱くなるのを感じました。
また私は浣腸を受けるのです。
いきなりの歓迎ではないですか。

 部屋は狭く、入り口はドアもなく廊下と通じたままです。
奥には流し台があって、入り口の横にベッドがあります。
ベッドの横には鉄のスタンドがあって、そこには以前に見たことのある
大きなガラス製のイルリガートルが置いてありました。
 これは腎臓病で入院したK子が受けたあの高圧浣腸と同じ器具でした。
 私がそれを心配そうに見ると、ナースは言います。
「ご心配なく、あの大きな浣腸器は使いませんよ、その代わり、今から
 小さな浣腸をしますね。
 
 私は80%ぐらい安心しましたが、20%ぐらいは残念でした。
ここで浣腸を受けるなら、*子と同じ浣腸を受けてみたいというきもちが
少しばかりあったのです。

いよいよね 大腸検査     受ける日よ
お通じが  ないのでちょっと 不安です
ナースさん お通じのこと   聞かれます
案の定   やはり浣腸    するのです
いきなりで ちょっと嬉しい  きもちあり
浣腸の   部屋へ通され   驚いた
その部屋に イルリガートル  ありました
浣腸は   小さい浣腸    ほっとする

(40)

「ベッドに横になって下さい。」
ナースは使い捨てタイプの浣腸を手にしています。
小さな浣腸と言っても、あのイルリガートルと比べて小さいのであって、
いちじく浣腸よりははるかに大きなものです。
先端の部分の赤いキャップが印象的でした。

 私は内心に反して、悲しそうな、恥ずかしそうな不安げな表情を取り繕い
ます。
ナースは今にも泣き出しそうな私の表情を見るや、
「飲み薬でおなかをきれいにするのですが、飲み薬がよく効くように、先に
 浣腸をしますね。
 こうしないと、検査まで長い時間がかかりますから、いいですね。」
 
 ナースは懸命に私を納得させます。
あくまでも、強制的な浣腸ではない風に説得します。
「はい、お願いします。」
  私はしおらしく、浣腸を受け入れることにします。
 
 ただ、気になる点がふたつあります。
ひとつは部屋にドアがなく、廊下を通る人から見られちゃうという心配です。
もう一つは窓が広く、しかもカーテンがありません。
周りに背の高いビルがあります。
あのビルから私の浣腸シーンが丸見えではないかという心配です。
 私の心配をよそに、浣腸の手順がどんどんと進行します。
 
 私は壁を向けて横になります。
私の頭は廊下を、お尻は窓に向いています。
私は恥ずかしいので、壁を向いたままです。
そいしていつものように、お尻の穴に神経を集中させます。
ナースは手袋をして、まず私のお尻の穴にゼリーを塗ります。
指が少し中まで沈みます。

 それからノズルが挿入されます。
やはり内部まで深く、しっかり入ったようです。
それから液が入ってきました。
あまり温かくはなく、かと言って冷たくもない液温です。

 ナースはノズルを抜くと、私のお尻にティシュの束を押し当てます。
「お隣がトイレです。できるだけがまんをすると、効果が大きいですよ。
 流さずに、出たら私をベルで呼んで下さい。」
 
 私はティシュでお尻をおさえながら、おトイレに向かいます。
もう周りのことはかまっていられません。
見ている人がいようよいまいと、急いでおトイレに向かいます。
この浣腸がよく効くことはもう十分知っています。
うかうかできないのです。

 いつものことですが、グリセリン浣腸は私にはとてもよく効きます。
たくさんのものが一気に出てしまいました。
すっきりしました。
ただ、前と違って今度はそれを流すことができないのです。
う*ちを他人に見せるのは生まれて初めてのことです。
 浣腸はもう慣れたので、あまり恥ずかしくはありませんが、こちらの
方はとてつもなく恥ずかしいことです。
私はまだ高校生なのです。
恥ずかしい盛りなのです。

 仕方なしにおトイレのベルを鳴らします。
浣腸をした人とは別の看護婦さんがやって来ました。
私の名前を確認します。
「これは何回目ですか?」
と問います。
 質問の意味がよくわからなかったので、
「今、浣腸をされたばかりなのです。」
 と答えます。
「ああ、そうですか、たくさん出ましたね、あちらでお待ち下さい、
 お薬を飲んでいただきます。」
 
 とても恥ずかしいやりとりでした。
 
3度目の  浣腸とても    よかったわ
慣れました お尻の穴も    喜んで
順調に   うんもたくさん  出ちゃったわ
ただしかし うんちのチェック 恥ずかしい

(41)

 私はロビーのカウンターに戻り、お薬を飲み始めます。
ペットボトルに入った冷たいお薬は1.5Lもあります。
これを1時間かけて飲むのです。
 まずいお薬ですが、ちびりちびり飲みます。

 途中2度ほどお通じがありました。
3度目のお通じはナースに見せるように言われていましたが、その
3度目がなかなかやって来ません。

 ずいぶん時間がったって、ナースが言います。
「えり子さん、お通じは何回ありましたか。」
「はい、2回です。」
「少ないですね、もう出ませんか?」
「はい。」
「出そうになくてもいいですから、もう一度トイレに行って便器に
 座って みて下さい。」
 
 私は指示に従っておトイレでいきみますが、どうしても出そうに
ありません。
ベルを押してナースを呼びます。

 私を浣腸したナースがやってきます。
「どうですか?」
「はい、出る気配がありません。」
「もう時間が経っているから、このままでは検査ができませんよ。
 でも心配しなくっていいですよ、あの大きな浣腸をしましょうね。」
 
 再び私はあの浣腸室に入ります。
ベッドに横になって処置を待ちます。
K子と同じ経験を私もすることになりました。
今度は胸がどきどきします。
 それはうれしさよりも不安によるものです。
少しは期待したものの、あの大きな浣腸に耐えられるか、とても不安に
なりました。
でも、K子が耐えたのだから、私も耐えられるはずよと自分で自分を
励まします。

 ナースがお湯をイルリガートルに入れます。
彼女は静かに、慣れた手つきでことを進めます。
彼女は長いゴム管にお湯を少し通します。
ゴム管がヘビのようにウネウネと動きます。
先端の黒い部分からお湯がシュ〜と出てきます。
あの黒い部分が私のお尻の穴に入るんです。
何だかきもち悪くなってきました。

お薬の   効果あまり   出ないのよ
おトイレに 行くのはたった 2度なのね
もう一度  浣腸室へ    招かれて
今度こそ  大きな浣腸   されるのよ
不気味です イルリガートル 怖いです
どうしよう 何だかきもち  悪いです

(42)

 いよいよ準備ができたようです。
時間が経つにつれ不安が増し、膝がぶるぶるふるえます。
私はまだ高校生なんです。
それがあの高圧浣腸という恐ろしい処置を受けなければならないんです。
怖くなって、涙があふれてきました。

 ナースが近づいて、ティシュで私の涙を拭いてくれます。
「心配ないわよ、あの小さな浣腸の方が苦しいくらいよ。
 苦しいときはいつでも中止しますからね。」
 中学生でもがまんできるのよ、大丈夫よ。
「はい。」
 
 ナースのやさしい言葉で、私も少し安心しました。
また壁お向いて、お尻の穴に神経を集中させます。
 もう、ただナースにすべてを任せます。

 ナースは手袋を両手にはめて言います。
「さあ、えり子さん、始めますよ。」
 前の浣腸と同じように、まずお尻の穴にゼリーが塗られます。
私はもう覚悟が出来て、落ち着きました。
 ノズルが入ってきました。
それはするりと何の抵抗もありませんでした。
私はお尻の穴を通して、あのイルリガートルと結ばれたのです。

「入れます。」
  お湯がゆっくり入ってきました。
何の刺激も痛みも感じません。
ただ温かくてきもちいいです。
液面はゆっくり下がります。

「苦しくありませんか。」
「はい、大丈夫です。」
「半分入りましたよ。
 もう少しがまんして。」
「はい。」

 苦しいどころか、おなかが温かく、温湿布をされているようで、
むしろきもちがいいくらいです。
意外でした。

 小さな浣腸に比べて、こちらは浣腸されている時間が長いです。
恥ずかしい時間も長いです。
ただし、きもちよさがそれをキャンセルしてくれます。
「この浣腸の時間が永遠に続いてくれたらいいのに・・・。」
とさえ思います。

 おなかが張る感じがして、ちょっと苦しくなりました。
それをナースに伝えようとします。
「終わりましたよ、よくがまんしましたね。
 トイレではがまんしなくていいですよ。
 ただ、また流さず見せて下さいね。」
「はい。」

 おトイレではすぐに排出が始まりました。
腹痛もありませんでした。
ベルを押してナースを呼びます。

「あ〜あ、まだだめよ、ほら、まだ粒がたくさんあるでしょ、これがあると
 検査ができないの。」
「どうしたらいいんですか。」
「えり子さん、もう一度今の浣腸をするわ、少し休む?」
「いいえ、苦しくないですから、休まなくていいです。」

 何ということでしょう、またあの大きな浣腸を受けることができます。
あの浣腸はさして苦しくしくなく、むしろきもちいいいことがわかった
以上、私は内心しめたと思いました。

 そして、喜んで、またあの大きな浣腸をおかわりしたのです。
2度目の大きな浣腸は一度目にも増してよいきもちでした。
 この連続の浣腸は私にとって、高校生活最後を飾るにふさわしいビッグな
プレゼントになった気がしました。
 浣腸経験では私は一気に友人達のトップに躍り出た気がしました。
大満足でした。

怖いです  涙あふれて   止まらない
ナースさん 優しく接し   慰める
意外です  高圧浣腸    いいきもち
もう一杯  おかわりまでも いたします
すごいです 浣腸攻めに   満足よ

(43)

 いよいよ大腸カメラの検査が始まりました。
お尻に穴のあいたパンツをはかされ、検査室のベッドに横になります。
指に脈拍計を取り付けられます。
そして腕に点滴を打たれます。

 ベッドの横に大腸カメラがあります。
黒く長く、太いカメラを見るとまた、不安になり、胸がどきどきします。
検査室の専任ナースが私の世話をします。
 横向きに寝て、お尻を突き出させられます。
お尻の穴にまたゼリーを塗られます。
今日でもう4度目です。

 先生がやって来て検査が始まりました。
手袋をしています。
TVモニタのスイッチが入りました。
最初に名前を確認します。
「えり子さんですね。」
「はい。」
  あらためて名前を呼ばれると恥ずかしいです。
 
「肛門を調べます。」
「はい。」
  また恥ずかしい言葉がかけられました。

「きもち悪いですが、がまんして下さい。」
「はい。」
  先生の指がお尻の穴に入って来て、中で動きます。
これももう3度目で、慣れたものです。
私はまたうんちがしたくなる感触を楽しみます。
しかし、これはすぐ終わりました。
 カメラが入ります。
一瞬ですが、モニタに私のお尻の穴が大きく写りました。
苦しくはありません。
 私のお尻の穴はあの太い黒いカメラをすんなりと受け入れて
しまったのです。
カメラは私のおなかをするすると先へ進みます。

 途中、2度ほど体位を変えさせられました。
そのとき、私は自分の下半身をちらりと見ましたが、私のお尻に
黒い尻尾が生えているかのように見えました。
きっと外から見ると恥ずかしい光景なのでしょう。

 そしてもっとも奥の盲腸のところでカメラが止まります。
それからカメラをゆっくり戻しながら検査があります。

 私の大腸は色が白く、とてもきれいでした。
ところどころひだがあって、昔見たSF映画に登場する「タイム
トンネル」のようでした。
 自分のおなかの中を見るなんて、不思議なきもちでした。
恥ずかしいけど、おもしろい経験だわと感じました。

 途中、黒い点がいくつかありました。
「先生、あれ何ですか?」
  と質問すると、
「便です。」
  と言われ、また恥ずかしくなりました。
 カメラが進んで、突然、日本の象徴である「菊のご紋」のような
大きなものが出てきました。

「肛門の内側です、きれいです、痔もありません。」
  またまた恥ずかしい先生の言葉でした。
  
 大腸カメラの結果は ”異常なし。 ” でした。

 私の便通異常はストレスから来るものだろうと言うことでした。
受験生にありがちなもので、生活を規則正しくし、リラックスした
状態をつくるように指導がありました。

 それから私は安心して受験勉強にいそしむことができました。

大きいわ  太くて長い   カメラです
すっぽりと 私のお尻    受け入れる
SFの   世界のような  トンネルね
黒い点   それは便です  恥ずかしい
肛門の   アップの写真  驚いた
異常なし  よかったですね 安心ね  

(44)

 高校生なってずっと浣腸を経験しませんでした。
友人や美人の先生が次々と浣腸を経験するのに、私一人取り残されて
しまいました。
しかし、受験の直前になって、私は3度も浣腸の機会に遭遇したのです。
 2度の直腸の触診、3度のグリセリン浣腸、それに最後は2度の
高圧浣腸までも経験しました。
まさに、せきを切ったかのような浣腸ラッシュでした。
幸い、体の方は異常なしでした。

 これで私の受験勉強にはずみがつきました。
私、R子先生のアドバイス通り、一生懸命お勉強をしました。
そして、念願の*女子大文学部に合格することができたのです。
 合格できたのは、あの2回の受診におけるハードな浣腸のおかげ
かも知れません。
あれで私のきもちは吹き切れたのです。
浣腸に大いに満足し、受験にきもちを切り替え、集中できたのです。

 高校を卒業すると、私は親元を離れ、一人暮らしを始めます
女子大では多くの友人に出会いました。
そこはもう大人の女の世界でした。
 彼女たちの多くは便秘の常習者でした。
ハードな受験勉強をしてきたので、それも無理からぬことです。
その結果として浣腸の愛用者も多く、つまり私は多くの浣友に
出会うことができたのです。

 そして、ちょうどそのとき、有名人の大腸洗浄のうわさによって、
大腸洗浄が若い女性の間で大いに話題になるのでした。
 私ももちろん船に乗り遅れるわけには行きません。
そこで私はやっと本格的に念願の浣腸を始めるのです。
 美容とダイエットが目的ですが、それとは別にきもちよさ、恥ずかしさ
のようなものを求めることも視野にありました。
長年の夢をついに実現に移すのです。
女子大時代はいわば私のエネマライフの本格的な幕開けとなるのです。

 中学生のとき、私は様々な形で浣腸に関わりました。
そしてそれは高校生のときも同じでした。
受験間近になって、一気に本格的な浣腸を経験しました。
それが、私の嗜好のトリガーになったことは間違いないでしょう。
 私の中学、高校時代はまさに、「イタ・エネマ・アリス」、そして
「浣腸への目覚め」の時期なのでした。

 浣腸の恥ずかしさやきもちよさを知ってしまった私の体と心・・・。
私自身、私の浣腸への更なる熱い思いをコントロールできなくなって、
それから私は浣腸に大ブレイクをして、浣腸道をひた走ることになります。
もう目覚めの時期を完全に脱却して、解き放たれたタコのように浣腸界
という魔の空間を私は自由に飛び回るのでした。

 長くなりましたし、女子大時代以降の生活はもう一人の大人の女性
として過ごしていることなので、「目覚め」と言うタイトルには
ふさわしくなく、これについてはまた別の機会に書かせていただきます。
「目覚め」はこれでお開きといたします。

浣腸の   おかげをもって 合格し
待望の   女子大生に   なりました
友人の   多くは便秘   常習者
情報を   互いに交換   するのです
対策は   やはり浣腸   多いです
私たち   同じ趣味です  浣友ね
大腸の   洗浄大きな   話題です
それからは 私大きく    ブレイクし
わたくしの エネマライフが 始まるの
ダイエット 美容がいちおう 目的よ
恥ずかしさ きもちのよさも 視野に入れ
浣腸は   大切な趣味   生涯の


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