SPACE銀河 Library

作:えり子

浣句の宴

浣句の宴 <下>

(その13)
 いよいよ私にとっては初めての浣句会のはじまりです。
場所は茶室です。
なるほど、茶室と俳句の組み合わせって、合うような気がしますね。

 前もって、男性は紺色、女性はピンク色の作務衣(さむえ)に着替えています。
女性は下着は一切つけないように指示がありました。

 万秋先生と千秋さんが、床の間を背にして、私達8人と向かい会ってすわります。
 万秋先生がおもむろに口を開き、開会を宣言されます。
「それでは、*月度の浣句会例会を始めます。
 本日は新入会員の香谷えり子さんをお迎えしております。
 ご一同よろしくお願いいたします。」
そう言って、軽く会釈されました。
私、ただひたすら緊張して見守ります。

 千秋さんが立ち上がって、準備を始めます。
まず、香をたきます。
びゃくだんのよい香りが漂い、雰囲気をいっそう引き締めます。
ああ、香をたけば、いやなにおいを解消する効果もあるわと思いました。
 次に、掛軸をもってきて、静かに床の間につるします。
仲秋の名月でしょうか、お月さんの絵柄の掛軸です。
それを見て、皆がいっせいに「おおっ」とつぶやくのが聞こえました。
その理由は後でわかるのですが・・・。

 千秋さんがまた何かをもってきます。
折りたたんだ布のようなものです。
それを広げます。
それは油紙でした。
おや、ここではビニルシートやゴムシートは使わないのだわと感じました。
日本古来の、和紙になたね油をしたした油紙です。
その上に純白のさらしを敷きます。
もし、粗相でもしたら、あのさらしが汚れて、みっともないわとドキドキします。

 次にあの桐箱をもってきます。
豪華な10本の浣腸器のコレクションです。

 さらに、春慶塗りのおぼんに、ビールジョッキのようなガラス容器2個と茶碗と茶せんをを乗せてきました。
茶碗は大き目のもので、黒っぽい艶のあるもので、その表面には美しい斑点の模様が
見えます。
これは多分、天目茶碗と呼ばれる高級茶碗のようです。
 ビールジョッキのようなものはクリスタルグラス製で、取手と注ぎ口がついています。とても美しい容器です。
その表面にはドイツひげ文字(装飾文字)が書いてあります。
一方はW、もう一方はGと書いてあります。
多分、お湯とグリセリンなのでしょう。
ますます胸の鼓動がはげしくなります。

 千秋さんはGと書いた容器から粘りのある液体を茶碗に注ぎます。
次に、Wと書いてある容器の液体を同じ量だけ茶碗に注ぎます。
そして、茶せんで、茶椀をかき混ぜます。
抹茶をかき混ぜるようにして、お湯とグリセリンが混合され、浣腸液ができたのです。
浣腸液も、ここではお茶をたてるようにして、つくられるのですね。
伝統的なものと、近代的なものの融和を感じます。

 部屋の後方2カ所に大型のぼんぼりのようなものが置かれます。
そして、正面には小さいあんどんのようなものが置かれます。

 前の白いさらしの上に、硯と筆と短冊が置かれました。
準備が整ったようです。
私の緊張はピークに達します。

 万秋先生が口を開きます。
「今月の浣句のお題は月です。」

 そうなんです。
掛軸はお題を示していたのです。

(その14)
 いよいよ浣句会がはじまりました。
私は緊張のあまり、手は油汗でビッショリ、喉はからからの状態です。

 浣句のお題が掛軸の絵で示されるのを知り、驚きました。
お題は月です。
緊張して、句がまったく浮かびません。
あせります。

 千秋さんが、大きなものを抱えて来ます。
それを私達の目前に置きます。
カバーの布を取り去ります。
何とそれは便器でした。
腰掛け式のものです。
クリスタルガラス製で、美しく光っています。
透明なので、きれいですが、中身もすべて見えてしまいます。
大変なことになりました。

 万秋先生が口を開きます。
「新入会員のえり子さんは最後にしましょう。
始めるにあたって、僭越ながら私が一句詠ませていただきます。」
「月あかり たよりに蕾 さぐりあて」
これが、浣句のお手本のようです。
先生の句だけあって、意味深長な含みのある句です。

 次に、また先生が続けます。
「皆さんへの浣腸は医師である千秋が行います。
 浣腸を受ける姿勢は皆様のご自由になさって下さい。
 まず、千秋がお手本を示します。
 施浣は私が行います。」 

 浣腸の準備が整い、いよいよ浣句が詠まれます。

(その15)
 トップバッターは千秋さんということのようです。
千秋さんが、皆の前に進み出て、一礼します。
千秋さんは桐箱から黄金色の浣腸器を手に取ります。
それを先生に渡します。
 先生は「うん」と答えて、それを受け取ります。
千秋さんは私達の前に、背中を向けてすわります。
上体を前に倒します。
ひじで上体を支えます。
4つんばいで、ひじをついた姿勢です。
横には硯と筆と短冊があり、この姿勢で句が書けるようになっています。
千秋さんはお尻をぐっと上に突き出して、待ちます。
とてもHな姿です。

 先生が横の茶碗を引き寄せます。
浣腸器の先端を茶碗に入れて、ピストンを引きます。
浣腸液が吸い上げられたようです。
それをもって、千秋さんの背後に回ります。

「よいな」
先生はしっかりした口調で言います。
「はい」
と千秋さんは答えます。
先生は千秋さんの作務衣のパンツに手をかけ、下げます。
白く、丸い、かわいいお尻がむき出しになりました。
着衣のときはスリムに見えましたが、お尻はなかなか豊かです。

 そのとき、後ろにあるぼんぼりのようなものが光りました。
それはスポットライトだったのです。
2個のライトが千秋さんのお尻を照らします。
 うす暗い茶室の中に、千秋さんのお尻がスポットライトを浴びて、立体的に
浮かび上がります。
美しく、かつ妖艶な光景です。

 桃のようなつやつやしたお尻の中央には、これまたかわいく、隠微なつぼみが
ライトを浴びて、恥ずかしげに私達を見ているようです。
色の白いお尻に比べて、その部分は深い紫色で、中央部から周辺部へしわが
対称的に規則正しく拡がっています。
ひだの1本1本が私の目のスクリーンにくっきり写し出されています。
千秋さんの呼吸と同期して、そのの部分もかすかに呼吸しています。

 先生は一呼吸して、浣腸器のピストンをわずかに動かします。
先端の嘴部が少し潤ったようです。
左手で千秋さんのお尻の穴を開きます。
こうもり傘を内側から覗くように、ひだが放射状に奥へと続きます。
右手にもった浣腸器の先端で、お尻を湿らせます。
次の瞬間に先生は先端を千秋さんのつぼみに、ぐっと潜らせました。
白いお尻と黄金の筒が結ばれ、美しく、まるで絵のような光景です。
そして、間髪を入れずに、ピストンを一気に押したのです。

 千秋さんは「ううっ」という低い声を出されました。
それから先生は、千秋さんのお尻からゆっくり浣腸器を抜きます。
先生は和紙で嘴管部を拭い、浣腸器を置きます。
千秋さんのアヌスがグリセリンで濡れて、キラキラ光っています。

 千秋さんは顔を上げ、何くわぬクールな表情で、筆に墨を含ませ、気丈にも短冊に
筆を運びます。
そして、その短冊を先生に渡します。

 先生はそれを読み上げます。
「丸い月 ああバルーンが 恋しくて」

 一同が一斉に拍手をします。
私も思わず拍手をします。
さすが、お医者さんですね。
医学用語が巧みに詠み込まれています。

 拍手を聞くと、千秋さんは立ち上がり、静かに便器にすわります。
しばらくの間、がまんされていたのでしょうか、やがて、
「ああ、もうだめ・・・」とささやいて、お尻の穴が開きました。
そして、そこから液体がほとばしり出たのです。

 人の排泄を見るのは初めてです。
おぞましく、まともに見ていられません・・・。
と思いつつ、じっくり観察している自分に自分であきれます。

 しかし、不思議です。
あんなきれいな千秋さんも、お尻から排泄をするのです。
この事実を実感したのです。
もうひとつ不思議なことがあります。
出たのは無色透明な液だけで、固体は一切ありませんでした。
事前にニフレックを飲んで、おなかのおそうじをしていたのでしょうか。
それとも、イルリガートルを使って洗腸されていたのかな。
いずれにしろ、よかったです。
あの美しい千秋さんのお尻から固体が排泄されたとしたら、ショックでしたから。

(その16)
 いよいよ浣句会が始まりました。
トップバッターは千秋さんだったのです。
黄金の浣腸器で100CCの浣腸を受け、便意をがまんしながら、浣句を作るのです。
でき上がったら、排出を許されるのです。
目の前での浣腸と排出でしたから、すごい迫力でした。

 次は30代前半ののり子さんの番です。
小柄で色が浅黒い方です。
スリムでキュートな感じの美人さんです。

 のり子さんは銀製の浣腸器を選びました。
施浣者は千秋さんです。
のり子さんは大胆にも、細いきれいな足を上に上げる、いわゆるおむつ替えの姿勢を
とります。
千秋さんが衣服をとります。
浅黒く、スリムなお尻が露出されました。
投光器がお尻全体を照らします。
つややかで、とても滑らかなお尻です。
中心部にスポッとライトがあたります。
つぼみがようしゃなくアップされます。
つぼみの周りには、うす黒い茂みがあります。
とてもエロチックな光景です。

 千秋さんは浣腸器に液をたっぷり吸い上げます。
そして、のり子さんのつぼみを開き、静かに先端を挿入します。
浅黒いお尻に、銀色の浣腸器がマッチします。
1、2秒後に遠慮なく、一気に液を注入します。

 のり子さんから、「う、う、うっ」と声が発せられます。
しばらくして、のり子さんはそのままの姿勢で、筆をとります。
そして、さらさらと句を書き、短冊を千秋さんへ渡します。

 千秋さんがそれを読み上げます。
「お月見の おもち食べ過ぎ お浣腸」

 なる程、わかりやすい浣句です。
誰ともなく拍手が起こります。

 のり子さんは静かに立って、クリスタルグラスの便器にすわいます。
便器はいつの間にか取り替えられていて、うす青いものになっています。

 のり子さんはすぐに排出します。
やはり、液体のみで、固体は出てきません。
排出はすぐに終わり、のり子さんはお尻を処置して、衣服を上げます。

(その17)
 いよいよ浣句会の宴たけなわです。
千秋さん、のり子さんに続き、やす子さんの番です。

 やす子さんは先ののり子さんと対照的に、色白でふくよかな体形です。
30代半ばでしょうか。
しっとりとした美人です。

 さす子さんは輪島塗りの黒い浣腸器を選びました。
施浣者はまた千秋さんです。
やす子さんは、横向きの姿勢になり、足を曲げます。
千秋さんが衣服を下げます。
白く、ふくよかなお尻です。
ライトを浴びて、いくぶんピンク色を帯びた臀部は堂々としていて、肌は
きめ細かく、美しく見事です。

 スポットライトに浮き上がったつぼみは淡い茶色で、白いお尻と調和しています。
そのつぼみはグリセリンをたたえた浣腸器を受け入れます。
白いお尻に、黒塗りの浣腸器がベストマッチングです。

 千秋さんによって、ピストンが押されます。
「ああ〜ん、ああ〜ん」と大きな声が出ました。

 やす子さんはしばらく考えます。
そして、余裕があるように、句をさらさら描きつけます。

 千秋さんが、発表します。
「月青く いちじくの箱 連想し」

 うん、これもわかりやすい句です。

 やす子さんはうす紫の便器に排出しました。
次は朱実(あけみ)さんの番です。
次第に私の順番が近づき、どきどきしています。
まだ、句は浮かびません。

(その18)
 浣句会が始まり、5人の女性の参加者のうち、3人が終わりました。
残るは、40代前半の朱実(あけみ)さんという方と私です。

 朱実さんは40代のようですが、中年太りもなく、中肉中背の体を維持されています。きっと、
お浣腸を続けておられる効果なのでしょう。

 前に進み出て、まず浣腸器を選びます。
名前の通り、朱色の輪島塗りの浣腸器を選びます。
 そして、手をつき四つんばいの姿勢になり、千秋さんが、着衣を下げます。
お尻が露出します。
形は平均的で、きれいなお尻です。
お肌は赤みかかったいかにも健康そうな体です。

 スポットライトがお尻の中心部を照らします。
お尻の穴も色、形とも平均的で、きれいです。

 千秋さんが朱実さんのお尻の穴を開き、朱色の浣腸器を挿入します。
赤みがかったお肌の色と朱色の浣腸器の取り合わせが見事です。

 液が注入されます。
「あうん、あうん、あうん」
朱実さんののどから声が漏れます。
見ている私も思わず声が出そうになります。

 浣腸器が抜かれると、朱実さんはすぐに句を書き始めます。
あらかじめ、句ができていたのでしょう。
書き終えた短冊を千秋さんへ手渡します。

 千秋さんが、ゆっくり読み上げます。
「月見ると うさぎ浣腸 思い出し」

 うん、これもわかりやすいです。
明快な浣句ですね。
でも、うさぎ浣腸って、どんなものでしょうね。

 朱実さんも、液のみを排出します。

 とうとう私の順番になってしまいました。
胸の鼓動が最高に達しました。
この場から逃げ出したいきもちです。

 ちょうど、ピアノの発表会のときのような心境です。
大勢ではないけど、皆の視線が私に向けられます。
私は立ち上がって、前へ進みました。

(その19)
 万秋先生の浣句会も宴たけなわです。
まず、千秋さん、次にのり子さん、やす子さん、朱実さんが終わり、いよいよ
私の番がきました。
もう私は極度の緊張を越えて、開き直っています。
ピアノ発表会のときもそうです。

 私は前へ進み出ます。
先生、千秋さん、そして皆さんへ一礼をします。
そして、皆へ背を向けすわります。

 千秋さんが、横にきて、桐箱を指さします。
私はボヘミアングラス製の美しい浣腸器を選びます。
この浣腸器が残っていて、ちょっと安心しました。

 私は自分のお気に入りのポーズをとります。
立ったまま、足を開き加減にし、上体を前傾して、手は後ろ手にします。。
お尻は後ろへ突き出します。

 もう私はまな板の上の鯉なのです。
今さらじたばたしてもしょうがないのです。
ただ、流れに身をまかせるだけなんです。
今は私が主役なのですから。

 千秋さんは浣腸器に液を吸い上げます。
透明なので、液が吸い上げられるのが見えます。
いっぱいになりました。
ああ、いよいよ私は浣腸されちゃうのです。
覚悟はできています。

 千秋さんが私の作務衣を下ろします。
私はお尻がひんやりするのを感じました。
スポットライトが点灯しました。
突然、あるものが目に入りました。
今まで気がつかなかったのですが、目の前にあったあんどんのようなものは、モニタTVだったのです。

 私のお尻が写っています。
どこかにカメラがあるのでしょう。
自分のお尻をまじまじ見ることはふだんはないから、不思議なきもちです。
私のお尻が私から離れてディスコのお立ち台の上にのぼってているようです。

 カメラはアップして、私のお尻の中央部をとらえます。
私のアヌスがクローズアップされます。
ピンク色のつぼみのひだひとつひとつが明瞭です。
後ろの方から
「ほぉ〜」
というため息のような声が聞こえます。
皆にすぐ近くで見られていると思うと、恥ずかしくてたまりません。

 千秋さんの細いしなやかな指が私のアヌスに触れ、つぼみを押し広げます。
次の瞬間に、冷たいガラスの感触をお尻に感じます。
「わぉっ」
思わず声が出ます。

 モニタを見ると、白いお尻に突き刺さったボヘミアングラスの浣腸器はスポットライトを受けて
、乱反射し、キラキラ光って、最高にきれいです。
そして、自分ながらHな光景です。
自分のお尻はガラスの浣腸器と結合しているのです。

 それから、今度はいつもの暖かい感触をかんじます。
それはすぐ終わりました。
いつもはお茶の500CCに慣れているので、100CCは物足らないくらいです。
でも、そう思うのは今の瞬間だけなのです。
浣腸液はお茶ではなく、グリセリンなのですから。
私のお尻の内側のグリセリンはすぐに暴れ出すはずなのです。

 私が前へ進み出てまだ数分にしかならないのに、1時間以上も経過したように、
時間が長く感じられます。
でも、残された時間は少ないのです。
ぼんやりしておれません。
お薬が効き始めました。

(その20)
 いよいよ、私の順番がきました。
句を詠む前に、私はお尻に100CCのグリセリンを注入されちゃったのです。
便意が来る前に句をつくらなけれなりません。
まさに、曲水の宴の現代版なのです。

 お題は月です。
もうおなかは早くも違和感を感じ始めました。
急がねばなりません。
でも頭が働きません。

 私の頭は句作りとは別の方向に働いているようです。
私の頭は3つのことが気になっていて、不安でたまりません。

 1つはグリセリンの恐怖です。
私の場合、グリセリンはいちじく30gでも、猛烈に効くのです。
今、私のお尻から注入されたのはその3倍以上の100CCなのです。
私に与えられた時間はどのくらいなのでしょうか。
1分もたないかも知れないわ。
恐怖です。

 2つ目の心配点はうんちのことです。
4人の女性は皆、浣腸の後、なぜか透明な液しか排出しませんでした。
私、今朝お通じがなかったのです。
だから、私のおなかにはうんちがいっぱい貯えられているのです。
数分後にどうなるかは火を見るより明白なのです。
とても恥ずかしく、気になってたまりません。

 3つ目の心配は句が浮かばないことなのです。
頭が句作りに集中できていないのです。
リラックスできていれば、すぐできるんですが・・・。

 おなかが痛くなってきました。
苦しいです。
それに、恥ずかしいです。
ピンチです。

(その21)
 100CCのグリセリンを注入された私はおなかが次第に苦しくなってきました。
しかし、一向に浣句は思い浮かびません。
頭はまったく別のことを考えています。

 今度は私の頭は浣腸のことを考えています。
私、今まで、お浣腸を自分一人で楽しんでいました。
それは密かな楽しみで、それなりにスリルもあり、魅力もあったのです。

 ちょうど、1年前に、初めて病院で浣腸を受けました。
看護婦さんにしていただいたのですが、やはり恥ずかしかったです。
でも、一人とは違う何かがあったのです。
浣腸をする人、される人、つまり浣腸という行為を二人で共有しているのです。
お尻の穴を見られ、開かれ、浣腸器を挿入されるのです。
そして、浣腸液を注入されるのです。
一人でするときより、2倍以上の恥ずかしさがあります。
しかし、うまく表現できないけど、何か歓びのようなものも2倍あったのです。
決して、被虐的なものではないのですが・・・。

 今は9人の人に見つめられているのです。
千秋さんに、お尻の穴を開かれ、浣腸器を挿入され、グリセリンを注入された一部始終を皆に見られたのです。
そして、今はグリセリンに濡れた私のアヌスを皆に見つめられています。

 私ははっとします。
「そうか、この9人と浣腸という行為を共有しているんだわ。」
「恥ずかしさも9倍だけど、歓びも9倍なのね。」
「そして、皆、浣腸の理解者なんだわ。」
「むげに、恥ずかしく思う必要もないのだわ。」

 私はそう思って、やっと浣句を作る方に気持ちが切り変わって行くのを感じたのです。
でも、時間が迫っています。
おなかの苦しさは相当なものです。
果たして、間に合うのでしょうか。

(その22)
 浣句会では会員の女性が順番に浣腸され、浣句をつくって行きます。
私の順番が来て、句を詠む前に、私は千秋さんに100CCのグリセリンをお尻に
注入されちゃったのです。
便意が来る前に句をつくらなけれなりません。
もう、グリセリンが私のおなかの中で、暴れ始めています。。

 お題は月です。
もうおなかはずいぶん違和感を感じています。
急がねばなりません。

 やっと句を作る方に頭が向いてきました。
やっと1句浮かびました。

「月見もち 忘れられない 母の味」

いけない、これは浣句ではないわ、これではダメ。
あせります。

 もうおなかはかなりおかしくなっています。
私、グリセリンには弱い体質なのです。
いちじく30CCでも長くがまんできません。
まして、今日はその3倍以上の100CCなのです。
おなかがとても痛く、苦しいです。

「ああ、もうだめぇ〜」
私が悲鳴を出すと、千秋さんが寄ってきます。
和紙を重ねて、私のお尻にあてて、おさえてくれます。
少し安心です。
それでも、押さえる圧力がアヌスを刺激し、便意がいっそう強くなります。
もう頭はもうろうとして、意識を失いそうです。

 私の手が筆をとり上げて、勝手に句を書きます。
ほとんど無意識です。
書き終わると、千秋さんはもう一方の手で、短冊をとり、読み上げます。

 「わがアヌス 月に照らされ 肛々と」

 拍手が起こります。
よかったです。
これで、おトイレを許されます。

 千秋さんにお尻を押さえられたまま私はゆっくり便器へ移動し、その上にすわります。すわると同時に
私の意志とは無関係にお尻の穴が開きます。
そして、多くのものが勢いよく排出されました。
私の背中でどよめきが起こりました。
便秘していたのだから、しかたありません。
おなかは急に楽になりました。
他の女性は不思議なことに、皆澄んだ液体しか排出しませんでしたが、私だけは
具たくさんのお味噌汁のようなものでした。

 お尻の穴や浣腸されるシーンを見られるのはすごく恥ずかしいです。
でも恥ずかしさもピークを越えると、快感のようなものに変わるような気がします。

 一人でお浣腸するときも、こんな恥ずかしいところを人は見せられないと思う反面、
見られて恥ずかしく思っている自分を想像するのです。
潜在的に、他人の前にお尻の穴をさらけ出し、お浣腸され、排泄を見てもらいたいとい
願望があるのでしょうか。
そういう自分に驚きます。
そして、今日はその潜在的な願望が実現しちゃったのです。

 極度の緊張、あきらめ、恥ずかしさ、興奮が嵐のように過ぎて、今は台風一過の
後のように、ほっとして、心地よさと安堵感にひたっています。
さわやかささえ感じます。
 お浣腸の後はいつも心地よいのですが、今日は恥ずかしさが大きかっただけに、
その反動としての歓びと安堵感もまた格別です。

 このあと、男性が4人それぞれ自分の浣句を読み上げて、会はお開きとなりました。

(その23)
 滝田万秋先生が主宰する浣句会に参加した私は浣腸された後、猛烈な便意の中で、
浣句を詠むという経験をし、驚きと興奮で感動し、自宅に戻ってきました。

 しばらくたつと、先生からお手紙をいただきました。

「香谷えり子様

  えり子さん、句会に出席していただいて、ありがとう。
 おかげで、句会はいつになく盛り上がり、一同喜んでおります。
 次回は*月*日に予定しておりますので、是非またご参加下さい。
 ささやかですが、お礼の句と小切手を同封しております。
 
   フレッシュな 浣句とエネマ  感動し
   まぼろしか  夢かと我が身  つねりたり
   感動を    ふたたびともに 味わえば

                     *月*日 滝田万秋」

 そして、小切手が同封してあり、
     句会指導料  金19万円也
と書いてありました。

 ごちそうになった上、楽しく過ごさせていただき、しかもこんなものを
いただいてよいのでしょうか。

 私、えり子ともう一人のえり子と対話がはじまります。
「こんなこと続けていいの?」
「これって、ゲームじゃないの。」
「そう割り切って考えればいいんじゃないの。」
「あまり深刻に考えない方がいいよ。」
「そうか、それもそうね。」
「皆でゲームを楽しめばいいのだわ。」
「曲水の宴の現代版なのね。」

「浣腸って、一人もいいけど、パートナーにしていただく方がまだいいし、
 こういう風に、皆で パーティ形式ですると、もっといいんじゃないの。」
「理解ある人達なら、歓びが共有できちゃうでしょ。」
「インターネットだって、そうじゃん。」
「そうか、あのESというHPでは、同好の人達に巡り会えて 感激だもんね。」
「ESの浣句会も楽しかったしね。」

「もしかして、あの万秋先生って、藤原一族の末裔じゃないかしらね。」
「うん、私もそう思う。」
「そして、千秋さん、もしかして、清少納言の生まれ代わり?」
「まさか、そんなことは。」

「次の句会が楽しみね」
「大好きなお浣腸と浣句とが同時に味わえるんなんて、最高ね。」
「それに、会員の皆に見つめられて、興奮するし・・・。」

「準備だけど、どうする?」
「準備って?」
「会員の女性達、浣腸の後、透明な液しか出なかったでしょ。」
「あなただけは、そうじゃなくてたくさん出たでしょ。」
「事前にイルリガートルを使うとか、ニフレックを飲むとかしなくていいの?」
「大腸カメラの検査を受けるんじゃないのよ。」
「自然にまかせたら・・・。」
「それもそうね、ありのままの自然体のえり子を見て欲しいな。」

「そう、私、今度はあの柿色の美しい磁器製の浣腸器で浣腸されたいな。」


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