私が高校生の頃、近所のS子さんとは同じ女子高に通っていました。
S子さんが手を怪我した時のことです。いつも一緒に登下校していましたが、ある日手を診てもらうS子さんの付き添いで学校の帰りに
2人で病院に立ち寄ったのです。一緒に待合室に入り、順番を待っていました。
私達のすぐ近くに赤ちゃんを抱いたお母さんがいました。しばらくすると一人の看護婦さんがそのお母さんの所にやってきて何やら話し始めました。
その場でオムツを替えるようでしたが、見ると看護婦さんは注射器のような物を手にしていました。
看護婦さんは赤ちゃんの足をひょいと上げ、お尻にそれをあてがいます。赤ちゃんは「ぎゃっ」と泣きだしましたがすぐに泣き止み、
お母さんはオムツを戻してトイレの方へ行ってしまいました。
赤ちゃんが何をされたか分かった私は恥ずかしくなって俯いてしまいました。ふと見るとS子さんも顔を赤らめ俯いていたのです。
看護婦さんは私達の所に来て「○さんよね、手の具合はどう?」と声を掛けてくれましたが、私達が恥ずかしがってることに気付くと
「今何したか分かったの? あなた方もお通じが無いとされるわよ」と笑って言うのでした。「女の子は溜めやすいから詰まってしまったら
早く治すことね。さっきの子みたくお腹が痛くなっちゃう前に・・・」
家への帰り道は自然と便秘談義となってしまいました。
S子さんは小さい頃から便秘はしばしばで、便秘になるとお母さんが薬を飲ませてくれるのだそうです。ところが・・・、
「困るのは効かない時があるのよ。その時はね・・・、M医院行ってカンチョーしてもらうの」 M医院は私も罹ったことのある近くの医院です。
S子さんがM医院で浣腸されていたことに驚いてしまいました。というのも私もその医院でされたことがあったのです。
私も便秘は中学以来時折悩まされていましたが大抵は治るのでした。ただ高校に入学した春に頑固な便秘に見舞われてしまい、
「そしたら急にお腹痛くなっちゃって。お母さんとお医者さん行ったら便秘ですねって。それで・・・」
S子さんが言います。「あの看護婦さんも言ってたでしょう『女の子は溜めやすい』って。みんな経験あるわよ、カンチョー」
ふと悪戯心がよぎった私は言いました。
「今は便秘してないの? 今度一緒に病院行ったら看護婦さんに『○さん、便秘で苦しいそうです』」って言っちゃおうかしら」
包帯が新しくなった手で私を小突くS子さんでした。
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